合格したよ。あるいは新たなる始まり
合格したよ!!!
発表日。日付変更と同時にスマートフォンにダッシュする筆者たち。
「まだか?! まだなのか?!」
あまりにも待ちすぎてそのまま寝ていたら朝一〇時頃に確認。
スマートフォンに履歴やクッキーが残っているとちゃんと表示されない。また試験発表当日はかなりサイトが重くなるので注意。
発表の正確な時刻を知っていたら楽なんだけどなぁ。どなたかご存じの方がいらっしゃったらご一報くださいませ。
自転車安全整備士と自転車技師の合格発表はそれぞれのトップページからリンクされているので確認できます。
自転車安全整備士は日本交通管理技術協会のトップページ。
自転車技師は日本車両検査協会のトップページからリンクされているがちょっと表示が小さい。PDF形式なので閲覧環境が必要。
大阪検査所はものすっごく小さい扱い(しかも端っこ)なので大阪会場と間違えないこと。筆者は一瞬間違えた。
発表日は一〇月一日だが合格通知が届くのは時差がある。
筆者たちの場合、技師は十月三日ごろ、安全整備士は一〇月七日昼過ぎだった。
この後ちょっとしたトラブルがある。
もちろん資格を取ったらそれでいいのだが筆者たちのように小さな会社の場合は合格免状を掲示しておくことはそれなりに意味がある。
免状なんてなくてもいいや! バッジもいらない! まぁこれでも良いが会社次第ではものごっつい叱られることになるので書いておく。
この免状を頂くまでの手続きが技師と安全整備士で違う。
またどちらもゆうちょ銀行からの振り込みなのでゆうちょ銀行から振り込むなら同行の通帳かカードを用意のこと。筆者は忘れて取りに行った。
手数料で言えば一三〇円かかる。機械なら八〇円で済むが少々厄介なことがありこちらは後述する。
まず技師。
ゆうちょ銀行に『バッジ』『免状』『両方』を選択した上で手書きで金額や自宅住所や名前などを振込用紙に記載の上で振り込めばOK。
手書きで自宅住所を書く必要があるのが技師。あらかじめ印刷してくれているのが安全整備士で覚えておくといいかと思う。
住所変更、職場変更があった場合、『自転車技師登録内容変更届』なる同封の書類をFAXするか、指定のメールアドレスにエクセルで記入して送付のこと。
安全整備士はちょっと厄介だ。
もちろん免状が欲しい場合振り込めばいいのだが、振り込んだだけではダメらしい。
免状が欲しい場合振り込んだ時の半券。すなわち『振替払込請求書兼受領書』を確保しておかねばならない。
これは機械で振り込んだ場合没収され、領収証となって帰って来る。機械で振り込んじゃった人はどうしたのか知りたいところだ。
取敢えず五〇円損する。
合格証申請のご案内なるチラシがあるので、『振込払込請求書兼受領書』をコピーした上で指定の位置に貼り付け、日付、名前。自宅郵便番号に住所。電話番号。自転車安全整備士番号を明記してFAX(もしくは郵送。メールは無効らしい)する必要がある。
筆者は泡を食っていたのかFAX先を間違えて、間違い電話先の家庭から連絡をいただいてしまった。おそらく毎年よくあるのだろう。あちら様の対応がスムーズで助かった次第である。電話番号はしっかり確認しよう。
最後に自転車安全整備士、自転車技師のその後について軽く触れたい。
自転車業界はご承知の通り最低賃金な業界である。ぶっちゃけ儲からん。自転車屋さんは量販店に押されてバシバシ潰れている。
超高級車を売る店、自治体の補助金を受けて細々生き延びる貸自転車屋(※ 筆者の知る限り補助金なしで経営している会社は一社のみである)などを除いて町の自転車屋さんはやっぱり苦しい。
自転車安全整備士、自転車技師を習得するとどうなるか。
筆者の場合工具代全額返還。自転車一台ボーナス。月給一五〇〇〇円アップした。
たとえアルバイトの身分であっても家電量販店や量販店の自転車コーナー担当としていきなり時給が五〇円くらいアップする。
また、資格者がまだ若く、ド○キホーテのような店ならば(家電量販店の場合、メインが家電の為に事情が違うらしい)店長候補として求人が出ている。
自転車安全整備士、自転車技師はあまり力が必要ではなく、また、家電量販店、量販店では売り場確保の都合上喉から手が出るほど欲しい人材であり、こういった店でパートをする主婦ならばかなり融通を聞かせてもらえると思う。
かくも『イイじゃないか』と思われる資格だが所詮チャリである。
具体的に言うと業界のみんなの所得が低い。
量販店もアマゾンなどのネット通販に押されている現状なので一概に明るいとは言えない。
ヤサカ社さんでは上級整備士という社内資格があり、より早くより高度な修理技術を持つ社員を常に養成しつづけている。常に学び続ける必要があるのだ。
SBAA PLUS講習というのがある。
技師と安全整備士があって初めて受けれる講習で三年間の実務経験と実技学科の試験を必要とする。
スポーツサイクルの専門家を名乗れるが習得できるものは少ない。
かつては家電量販店や量販店で所持している者は少なかったが増加している。
車いす安全整備士の受講者が増えている。
国家資格ではなく一般社団法人日本福祉用具評価センター(JASPEC)さんが運営する資格だが、受験資格が不要である。
(安全整備士や技師は二年の実務経験を必要とする。自転車屋のアルバイトで実務経験が泣きどころの人でも取れるということ)
年間六回開催され、その都度の定員四〇名程度。日本に八〇〇名ほどしかいない資格だが自転車屋からすればかなり技術的に通じる。
習得すればその地域でいきなり車いすのメンテナンス業ができちゃったりする。
以前テレビで紹介されて一気に熱が高まったので今後取得を促されるかもしれない。
自転車安全整備士、自転車技師の試験はあくまで試験であり、よっぽどのヘマをかまさなければ減点で済むところもある。
しかしブレがある車輪、スムーズに変速しない変速機、欠品のある自転車にお客さんが乗りたいかというとそんなことは全然なく、一度試験に落ちている筆者にとって、試験はあくまで最低限の技術と知識を有するか試す場でしかなく、ゴールではなくスタートなのであると自戒せざるを得ない。
読者様の今後のご栄達、自転車業界や自転車を愛する人たちの更なる幸福を祈って一度筆をおく。




