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02 - 黒い主人公 リア 7才 -

第一話の投稿日を見てくれ。

うんそうなんだ、クリスマスだったんだ。

なぜ暇だったのかはあえて言わないが、暇で暇でしょうがなくてつい投稿してしまったんだ。

書きだめところかプロットさえ作っていない始末。方向性だけは今話作成しながらきめたけど、作者でさえ展開が見えない。


注:今回絵を描いてみました。

小説と同様、絵もネット上で公開したのは初めてです。

嫌な予感がした方は挿絵表示機能をOFFにしてください。

■02

まずはこの世界の説明に入ろう。


この世界における大陸は分かりやすくたったひとつ。

とはいえ世界全てをくまなく調べつくされたわけでもなく、大陸のひとつやふたつ後々発見される可能性もあるが。


私が生まれたこの国は東西南北の領土をそれぞれおさめる4家の領主と中央をおさめる王族で成り立つ。


文化レベルは中世におけるヨーロッパ程度、国の公式的な宗教として精霊が崇められている。

だが、なによりも特筆すべき点は"魔法"と"魔物"が存在することだろう。

そう、この世界はファンタジーな世界だった。








そんな世界に生まれた私の名前はリア・グレンジャー。

南の領主の娘として生まれた。

現在7才。黒髪に黒い瞳。容姿は整っている方だが、無表情・寡黙な性格が打ち消している。


そして、ここではない「魔法が無く、科学が発達した世界」における前世の知識を持つ。




が、持っているのは前世の世界における知識であって、前世の私の記憶ではない。


つまり、輪廻転生において私は人間の記憶におけるエピソード記憶のみ消去され、意味記憶は初期化されなかったようだ。


具体的に例をあげると、義務教育的な知識や、前世に読んだであろう本の内容などの記憶はある。

しかし、私がどのようにそれらの知識を得たのか?自分の前世の名前は?どのような人物だったのか?などは全く思い出せなかった。




自我は生まれた瞬間からあったが、生きてきた思い出などなかったので精神と肉体の年齢差で戸惑うようなこともなかった。

だから、赤ん坊として扱われることにも知識から自分の年齢ならば相応の対応をされていると感じたのみだった。











だが、前世の記憶を持つ私が全く問題がないというわけでもなかった。



その問題とは自分の生に対する実感がなかったことだ。







ここでは説明は省くが私の特異な"能力"も関係しているのだろう。

魂と肉体がかみ合っていないというか、今の人生はなんだかゲームでもしている気分だった。



この世界で、働いてる人を見ても、談笑している人を見ても、死人を見てもまるで映画のワンシーンでも見ているようで、



私だけ、世界から浮いていた。








希薄な現実感に私は生きる意味を見出せず、ただ平凡に生きたいとだけ考えていた。









だが、この世界は私の平凡な人生を許してくれないらしい。


中央の都市では幼い王子と最愛の妃を亡くしてしまった王様が抜け殻のようになり、

代理を行う宰相が好き放題やったことによる政治の腐敗。



政治の腐敗と共に、隣国との外交状況はどんどんと悪くなる。

周辺国が団結して攻めてきたと聞いても、ついに来たかとしか思えない状況。



近年、活発になってきた魔族の存在。

身体能力の面で大幅に人間を上回る彼らによって、人的被害は増え続ける。

当然のごとく国は動かない。






それらの情勢は南の領主の娘として生まれた私にとっても他人事ではなかった。


特にグレンジャー家がおさめる南の領土は魔族との戦いで男性の死亡率が特に高く、

その被害は農家の生産性に直結し、変わらない上納金を求める国の要求と相まってかなり頭が痛い問題となっていた。





父は無能ではなかったが、そもそも国自体が滅亡に向かっている現状、しだいにグレンジャー家もまた傾いていく。


いくらゲームのような世界における親でも、日に日にやつれていく領主である父の姿は良心が痛む。


どうにかしてあげたいと感じた。


私は価値を見いだせずにいた私の現実感のないこの人生を父の、グレンジャー家のために捧げてみようと考えたのだ。




だからこそ、将来必要な知識を得る努力を理論的に考え、効率よく実行した。

2才になるまでに会話、文字の読み書きなどは2才までに習熟し、以降様々な本を読み漁った。

5才になるまでに魔法を扱えるようになった。



もちろん前世の記憶を持つ私にとって、現状のグレンジャー家を建て直す案はいくつかあったが、

所詮は異世界の知識。そのまま適用できるわけもなく、いくら論じたところでその効果を信じさせることはできない。


なので、政策の裏付けのための実証的な実験のために信用できる人間を何人か雇い、実証という主産物以外の副産物を資産にいくつかの組織を私個人が持った。



ほぼ幼少期は知識の補強、政策案と個人的な組織の作成に費やした。



そんな私の友人関係はやはりというか、ほぼ壊滅的な状況だった。そもそも遊びに使うような時間がとれないことや、交渉以外の素の私が無表情・寡黙であることが起因しているのだろう。


そもそも、遊ぶなんて非効率な作業に何の魅力も感じられなかったのだが…







--------------- だけれども、私が独りになることはない。なぜなら、 ---------------







「りあ姉さま。お昼ごはんのじかんだって」


ノックもなしに私の部屋に入り込んでくる人物。ベッドの上で座り読書をしながら考えごとをしていた思考が浮上する。

双子の妹のノアだ。

容姿は私とうりふたつ。…表情は180°違うが。どこが気に入ったのやら、こんな私に好意を抱いてくれている。


本来、双子の妹とて、私にとって画面上で動く別世界の人でしかなかった。

だが、私が5才の時に起こった事件で私が私であると実感させてくれた大事な存在だった。


「姉さま?ごはんだよ?」


返事をしない私を心配したのだろう。私と本の間に入り込み私の瞳を覗き込んでくる


頭をなでると気持ちよさそうに目を閉じ、胸に顔を押し付けてくるノア。

最近癖になったと自覚しだした妹の撫で心地に夢中になる。


ノアの呼吸はしだいにゆっくりとなっていく。



「…眠いの?ノア?」


「ぅん~…」



問いかける私の声にノアは意味の通らない呻き声をもらすだけ。

私の表情は相変わずほぼ固定されているが、少しだけ目を細めているような気がする。



ゆっくりと流れる時間はノックをする音によってすっと元の流れに戻る。





「リア?ご飯が冷めちゃうよ?ってノア…。ぼくは君にリアを呼びにいかせたんだが…何で寝ているんだい?」


規則正しいノック音の後に入ってくるのは親友のエル。彼女もまた、私が私であると実感させてくれた大事な存在だった。

ぼく。なんて自分のことを言っているがれっきとした女の子で年は私たちと同じだ。

前世の知識から彼女のような娘を「ぼくっこ」というらしい。



「…わかった」


「ん…ごめん。」



声は小さいがしっかりと返事をする私。その後に寝むそうな妹の声が続く。


そのまま、ベッドから腰をあげ、自然な動作でエルを抱きしめる。


「リっリア?」


「…羨ましそうにしてたから。」


焦る親友は普段の理路整然な言葉を失う。けれども彼が聞きたいであろう私の動作に対する端的な理由を述べる。


狼狽している親友をしっかり数10秒抱きしめた後、体を離す。そのまま部屋を出ようとする服を引っ張られる感覚を感じる。


「…?」


「姉さま。…私も」


「…ん。分かった。」


ちょこんと服を引っ張る妹に無表情のまま苦笑し、抱きしめてあげる。

背中に感じる親友の羨ましげな視線。…しまったエンドレスだ。


だが、やめようとは思えない。私は妹と親友を交互に抱きしめ続けた。



結局、それは私のお腹がなってしまうまで続いた。








---------------- なぜなら、私には大切な妹と親友がいるのだから。 ----------------















きっとあの最初の記憶での、水面のきらきら揺れる光はこの2人だったのだろう。




最初は単なる父への憐みから決意したグレンジャー家の建て直しは今では自分自身の強い決意もあった。

グレンジャー家が滅びれば私の大事な2人ともが不幸になるからだ。



































だが、それには腐敗した国が邪魔すぎる。今現在降りかかっているグレンジャー家の困難は

国が正常に動作すればそれだけでほぼ解決する。



リア・グレンジャー5才。私はこの日、裏から国を操ることを決意する。

表情はやはりなく、だけれどもどこまでも黒かった。








意味が分からない方へ、本話は簡潔に言うと

「魔物がいて魔法があるヨーロッパ中世な世界に転生した主人公は妹と親友が愛おしくてつい腐敗しかけている国を乗っ取ちゃうの」

という内容です。


絵頑張った。

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