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episode9 帝国への道

---from akaishi side---


「私にはね弟がいたの。」

「・・・。」

「私の国が亡ぶときに離れ離れになったの。」

「・・・。」

「アタシね・・・今でも思うの。あの時、諦めずに探していたら・・・ってね。」

「・・・。」

「アタシね・・・諦めないあなたがうらやましいわ。」

「・・・。」

「だからね。何があっても諦めないでね。アタシが言うのもおかしな話だけれど。」


そう言ってヘドリアは息をひきとった。


ヘドリアに言われるまでもない。

諦めるつもりなど毛頭ない。


だが、あの守護者に中に紛れていた3人は?

我の中に疑問が浮かぶ。


ぬう。いかん。思考の沼に引きずられている。

こういう時は行動あるのみ!



---from underground empire  side---


ある一室。


この部屋に帝王と宰相ユミルの二人だけがいた。


彼らの目の前には14個の光る手のひらサイズの石碑が棚に並んでいる。ただし、その内、2個は光を失っており、さらにもう一個の石碑も光を失おうとしていた。


「おお・・・これは! ダルが倒されましたか!」

宰相ユミルが驚きの声をあげる。


「そうだね。ダルの光が消えたね。」

帝王が頷く。

「ファスト。カグヤ。ダル。これで3体の『魅入られたもの』が倒されたという事ですか。自分で言っておいてなんですが・・・信じられませぬ。」

「フフ・・・不安かい?」

「不安というより、単純な驚きですな。『魅入られたもの』が倒されるという事があるのかという。」

「そうだね。でも、ファストの例があるよ。」

「タイタンにつけていた目付け役ですな。目付を嫌うタイタンに倒されましたな。素行には問題あれどタイタンは『魅入られたもの』を倒せる実力者に成長しました。タイタンは事故で死んだと我々に報告しておりましたがファストはそんなことで倒れませぬ。目付を嫌がったタイタンが倒したというのが無理のない話でしょう。」

「彼はすごいよ。初めて『魅入られたもの』を倒した実力者だ。それも四天王の目付けには対抗できる相手を選んでたんだけどね。アオイには魔法無効のカグヤ。ヘドリアには物量で防御を突破できるダル。といった具合にね。彼は見事にファストをはねのけた。素晴らしいよ。で、わからないのがカグヤだね。」

「カグヤの光が消えているということは倒されたということですが・・・不思議なのがかのレンジャーワンの青い魔法使いがカグヤのオリジナル魔法を使用したと報告がありましたな。とすればカグヤは生きているということになります。それも我々を裏切ったという形で。」

「この石碑は絶対だよ。光が消えている以上。カグヤは倒されている。フフ・・・奇妙な話だね。倒されて存在しないはずのカグヤが存在しているなんて。」

「正直、わからないことだらけです。存在しないカグヤがいる。仮にカグヤを倒したとして誰が? ダルも誰に倒されたのか・・・。ヘドリア達も帰ってきませぬ。」

「そうだね。で、あれば残りの四天王に動いてもらうしかないよね。」

「そうですな。彼には目付け役に『魅入られたもの』2体を配置しております。不測の事態は避けられるかと。」

「そうだといいけどね。ほら、最近になって石碑が4つ増えたでしょ?」

「はい。元々11個あった石碑が14になっておりましたな。」

「すでに不測の事態がおきてるよ。」

「我々帝国で掌握している7名に、3名のあのお方たち。そして新たに動向不明の4名ですか。」

「そうだね。それにしても楽園だと思っていた「地上」。これは僕たちにとって鬼門のようんだね。僕たちも地底の国々を掌握。最高武力の四天王を擁するようになり、帝国とよばれるようにまで成長したかとおもってたけどね。こうも負け続けるとは。前途多難だよ。僕たちの帝国こそ地底最強であったかと思ったんだけどね。フフ・・・プライドがズタズタだよ。」

「そうですな。であれば用心深くいきましょう。まずはダルの光が消えた理由。つまりヘドリアの動向を確認したいと思います。」

「そうだね。頼んだよ。」


帝王はにこりと笑うと、深く椅子に座り。瞑目した。


---from yamabuki side---


りさ教授をようやく救出できます!

そう期待した前回の探索は黒滝教授の負傷とヘドリアさん達の壊滅という予想外の結果で終わりました。


赤石クンではありませんが『なんと理不尽な事か!』と僕も思わずにいられません。

そういえば、あれ以来、赤石くんは何かを考えているようです。


元々、無口な彼ですが、さらに無口になりました。

まあ、腹芸は苦手で態度に出てしまうので、何かを抱えているというのは傍からバレバレなのですが(^^;


さて、僕達にはやることがいくつかあります

ヘドリアさん達唯一の生き残りのメンドーサさんをどうするか?

ダルさんを倒してLEVELUPと同時に得たスキル『錬金』をどうするか?

そして、リサ教授の捜索をどうするかです。


改めてステータスを見ます。

―ステータス―――

名前:山吹智

年齢:19

職業:帝都大学研修生

LV:47⇒48

スキル:直観LV5 強運LV5 演算LV1 錬金(NEW)

装備:ドラウプニル(黄) レーヴァティン 

眷属:スキーズ

――――――――


錬金のスキルは赤石クンには設定できず。倒したアオイちゃんは「それ、燃費悪いのよね。」と拒否したため僕が貰う事になりました。


ちなみに赤石クンもレベルが1上がって42に

ダルさんを倒してアオイちゃんは2上がって61になってます。


さて、この新スキル「錬金」

ダルさんが鉄剣を無から作り射出してましたが、これがそのスキルだと思います。


まずはダルさんのように剣を作ってみたいと思います。


・・・。


できません。

なぜでしょう。

他のスキルは身に付けたら簡単にできたようですが、このスキルは違うのでしょうか?

材料が必要だとか??


次は研究所内にある鉄の標本をつかってみましたが、結果は同じでした。

・・この「錬金」というスキルはダルさんの剣を作っていたスキルとは違うのでしょうか?


そういえばアオイちゃんが燃費が悪いと言ってましたね。


思いっきり全MPを使い果たすくらい、魔力を込めたらいいのでしょうか・・・


おっ・・・おおおっ・・・で、出ます! 何か産まれそうです!


現れたのは剣ではなく・・・バイクでした。

なんでですか??



---from aoi side---


「うーん。困った。」

『前回、出番がないことを困っているのですね。可哀そうに、このまま物語からフェードアウトしてしまうのでしょうね。』

「違うわ! ちゃんと活躍したしっ」

『ええ、最後においしいところだけもっていくなんて、何で外道なのかしら』

以上、カグヤとのいつものやりとりでした。


うーん。こいつ倒されてスキルになっているのに何で意識があり会話できるのでしょうか?いつもながら不思議生物です。


『はぁ。仕方ないお姫様ですね。話が進まないので、進めましょうか。何でお困りなのかしら?』

「私の所為、みたいに言うな! メンドーサのことよ。」

『彼女可哀そうなことになりましたわね。ヘドリアもダルもタイギも倒れてしまいましたからね。』

「そう。何とかしたいけど。帝国関係者にはできるだけ私の存在を隠しておきたいわけよ。」

『だから、出るに出られないと。』

「そう、前回も顔ばれしないようにかなり気を使ったしねぇ・・・。」

『だから同行しなかったのですね。そうして、物語からフェードアウトしていくのでしょうねぇ。』

「ヤ・メ・ロ。 本当にそうなるから。」

『でも・・・それでしたら解決は簡単では?』

「へ?」

『「へっ?」て・・・アンタ、お姫様って感じしないのよね。』

「それを本人の前で言うのは失礼じゃない?」

『ほほほ、おっしゃる通りですわね。では言い直しますね。負け犬。』

「ひどい。」

『帝国に負けたのは事実ですから。さて話を戻しまして、ブルーに変身して会えばよろしいのでは?』

「戦闘でもないのに私にあの格好をしろと?」

『ええ。すこし痛い女子に見られるぐらいで解決するじゃないですか?』

「ちょっと待って。私の変身後の恰好って痛い女子に見られるくらいカアイソウなの?」

『・・・』

「ちょっと、そこ沈黙しない! ゴラ! カグヤっ!」


---from Mendoza side---  


えっ  ええっと。ど ど ど どうしましょうか?

目の前に変態さんがいます。


顔がライオンさんです。で体がムキムキの素っ裸です。


ど ど どどうしましょう!

こういうとき助けてくれたタイギもダルさんもヘドリア様もいません。

私はこの変態にどーにかされてしまうのでしょうか?


とりあえずこういうときの女子の最終兵器

悲鳴を上げてみます。


「キャー!」


マジックミサイルが何個もとんできてライオン顔さんを滅多打ちにしました。

凄いです! 女子の最終兵器の力です。


「大丈夫っ。」

マジックミサイルの次に現れたのはブルーさんです。

この方はヘドリア様ですら倒した「魅入られた」状態のダルさんを倒した強者です。

この方が来るなんて女子の最終兵器の力凄いです。


そのあとレッドさんやイエローさんもきました。


変態さんがどんな方だとしても、これで安心です。

女子の最終兵器の力 つぉいです!


「まっ まて。話をしようとしただけなのに、なぜこのような仕打ちをうけるのだ。」

変態さんが立ちあがります。

あのマジックミサイルの連打を受けて立ち上がるとはなかなかです。


「「「裸だからだ!」」」

み、みんなから総ツッコミ受けてます。


あっ なんか打ちひしがれています。

マジックミサイルの連打を受けるよりもダメージが大きそうです。


ちょ、ちょっとかわいそうになってきました。


「あっ あっ あのこれ着てください。」

とりあえず私の予備の服を渡しました。


「おお! ありがたい。」

変態さんは私の服を着ました。


ちょっ、ちょっとサイズが合わないみたいです。

ワンピースがスカートみたいになっちゃいました。

ライオンの頭で上半身裸でスカートを着た変態さんの完成です。


変態さんはそれでもご満悦です。

ふと気づきました


「あっ あっ あの。もっ もしかして服を着たことが無いですか?」


「おお! その通りよ! 生まれて初めて服とやらを着たわ。どうだ似合うか?」


えっ  えーっと何と答えるのが正解なのでしょう(汗


「えーっと。それでアンタ。話ししに来たって言ってたわね?」

ブルーさんが冷静に話をします。

ブルーの正体はカグヤさんが正体ということでしたが、カグヤさんって女性ですよね。男性の裸を見てなんとも思わないで話をできるのはすごいです


「おお! 話を聞いてくれるか! 俺はライオンマン。偉大なる帝国四天王デビルフィッシュ様の副官である。同じく偉大なる帝国四天王ヘドリア様が音信不通になられたので様子を見に来たのだ。」


息をのみます。

この方はダルさんと同じく帝国から派遣された四天王の目付け役だったのですね。

なんだか嫌な予感がします。


「そうしたら偉大なる帝国四天王ヘドリア様の股肱であるメンドーサ嬢がいるではないか。事情を聞こうとしたところよ。」

「・・・事情を聞こうという恰好ではないけどね。」

ブルーさんがため息をつきました。

おっしゃりたいことはわかります。


「おお! そうであったか。何しろ地上の状況に疎くてな。」


いや、いや、いや、いや 私の生まれ育った地の国でも帝国でも裸族の変態は生息していませんです。


「それで、偉大なるヘドリア様はどこにいらっしゃる?」


「・・・死んだわ。」


「なに?」


変態さんが「本当か?」と確認するように私を見ます。

私は慌てて同意を示すように首を縦に何度も振ります。


「なんと。あの偉大なるヘドリア様が・・・む。そういえば貴様らの格好は偉大なるデビルフィッシュ様から聞いた好敵手レンジャーワンと同じだな。そうか貴様らが偉大なるヘドリア様を倒し、か弱いメンドーサ嬢を人質にとったのだな。」


急に変態さんが闘士を漲らせました。

な な なんか危険です。


「くらえぃ! サイクロンクロー!」

変態さんが腰をねじりながら腕を振りぬくと2mくらいの竜巻が発生しました。それがレンジャーワンの皆さんに飛んでいきます。


「あほか! 何がサイクロンクローよ。ただの風魔法じゃない。」

ブルーさんが飛びのきます。


イエローさんが剣で空中に絵を描くと、その絵が炎のバリケードになりました。

その炎のバリケードが変態さんのサイクロンクローを相殺します。

見事防ぎました。その絵が変態禁止の文字だったことは置いておきますが・・・


「ぬうん。」

その間にレッドさんが変態さんに迫っていました。

強烈なミドルキックが変態さんのお腹に突き刺さってます。


「やるな!」

変態さんはキックにひるまずタックルしました。

ちょっと体制が不格好ですがレッドさんの胴体をクラッチしました。

そのまま引っこ抜くように投げようとしてます。


レッドさんも抵抗して投げは防ぎましたが、今度はその抵抗する力を利用して正面から羽交い絞めしてます。

変態さん。粘着質です。

そのまま、レッドさんの両腕をクラッチして締め上げてます。

変態さん。さらに粘着質です。


「くらえぃ! 人間風車っ!」

変態さん。そのままの体勢でレッドさんの巨体を持ち上げそり投げでぶん投げやがりました。回転しながらすっ飛んで壁に激突するレッドさん。

大丈夫でしょうか?


変態さん。意外と強いです。


「ふん。休ませるほど俺は慈悲深くはないぞ。」


変態さんはそう言って両手から爪を出しました。

さすがライオンの顔をしているだけあります。手も猫の様です。肉球もあるのでしょうか?


「くらえぃ! ライオンクローっ」

爪を突き出し錐揉み回転しながら倒れているレッドさんに突っ込んでいきます。


「吐―っ!」

レッドさんすかさずジャンプしました。

結構、高いです。

その高い位置から額からランスのような長い角を出しました。


錐揉み回転で移動していた変態さんは躱すことができません

そのまま長い角の攻撃を受けました。

かろうじて串刺しになるのは避けたようですが、体制を崩し地面に落下します。

そこにレッドさんがジャンプした高い位置からの強烈なキックを放ちました。


「ぐあっ。」

このキックは効いたようです。クリティカルヒットです。変態さん見るからに大ダメージです。


「おお! さすが偉大なる四天王が一人タイタン様を退けた勇者よ。ならばこれはどうだ。」

変態さんが魔法の巻物<スクロール>を取り出しました。


「Fimbul!Jǫtunn!Fimbul!draca!Fimbul!Óscópnir!sœkja! fé!」


変態さんが唱えているのは巨大化解除の呪文です。

あれはドラゴンといった巨大モンスターを洞窟内を通過できる人型サイズにする魔法を解除し、本来の姿に戻す魔法です。

そのため対象の人型になった巨大モンスターが存在しなければ無意味なのですが、どこにいるのでしょう?


ブチン


ああっつ。私が貸したワンピースがはじけ飛びました。

サイズが合わなくてスカートにしか見えなかったのですが、そのワンピースがビリビリ敗れちゃいました。


どうしましょう。替えはあれ一つしかないのに。


そして変態さんも裸族に逆戻りです。


それどころか変態さん大きくなってます。

すごく大きいです。


まっ、まっ、まさか変態さん自身が巨大モンスター!?

しかも、言葉を操り、スクロール越しとはいえ魔法を唱える巨大モンスター!?

そ そ そんなのドラゴンを超える古の神々じゃないですか!


神は変態だったんですか!?



---from akaishi side---


「ぬう。面白い!」

ライオンマンとやらと戦ってみたがここまで格闘戦に秀でた相手と戦うのは初めてである。


我のミドルキックを受けた後、クラッチしサイドスープレックスを狙う。

それを防ぐとリバース・フルネンソンに移行し、そのままダブルアームスープレックスで我を引っこ抜いて、放り投げるとは・・・!


中々、やるではないか!

我と違いレスリングベースのようだが、だからこそ面白い。


そのライオンマンが自ら巨大化しおった。

姿も変わる。


ライオンの頭頂部にはモヒカンが。

背には天使のような羽が4枚

蠍のような針を持つ尾も生えてきた。


「まず我が行こう!」

奴ならば格闘戦につきあってくれそうである。

であれば思う存分、我の技術を試すことができる。


「来るがよい。我が眷属 シアルフ!」


我の足元に巨大な魔法陣が展開される。

その魔法陣からせりあげるのは巨大な真紅のフルアーマー。

フルアーマーとはいえ細身であり、その分、機動力を重視しているデザイン。背にも2基の推進器がついている。両肩には山羊頭を意匠した肩当がついているのが唯一の外連味である。


ふと、我の意識が一瞬途絶える。

この巨大な真紅のフルアーマー。つまり我が眷属 シアルフと我が同化した。


これで巨大化したライオンマンと同じ体格を手に入れたと同しである。

これが今の我の全ての力を出した姿である。


いくぞ! ライオンマン。

お主の全力を我の全力で打ち破って見せよう。


「おお! お主も巨大化できるのか! 地上人は下に恐ろしき力を持つわ! 体格差で押し切らんと思ったが、そうはいかぬか!・・・くらえ! サイクロンクロー!」


先程と同じく腕を振り下ろし竜巻を飛ばすか!

お主の風と我が雷。

どちらが強いか真向勝負といこうではないか!

 

「ぬおおおおおッ。」

肩から背中にかけて力を入れる。腰を捻転。腕を鞭のように広げ体に巻き付ける。

「吐ーッ!」

捻転を戻すと同時に高速で 掌底を敵にむかって突き入れた。

体がバネが戻るかのような速度で回転する。

そこから速射で繰り出される大砲のような我が最も得意とする片手突き。


『Mjollnir hamme』

機械音と同時に電撃が走る。


我が得意とする片手付きはこのドラウプニルを介しての神の力を利用すると電撃による遠距離攻撃も可能である!


我が電撃と奴の竜巻がぶつかる。

勝ったのは我が片手付きから放たれた電撃っ

奴の竜巻を吹き飛ばしダメージを与える。


すぐさま接近。奴がレスリングベースつまり、投げの間合いが得意であることを考慮し、蹴りの間合いをとる。


ローキックからのミドルを連発する。

通常であれば体重のかかっていない蹴りだが、このサイズとなれば別である。

正しく計測はしていないが重量だけで相当あろう。


しかも相手は裸である。防具はない。そのまま当てる蹴りを連発する。


「おお! こざかしいっ!」

爪の大振り。これはオーバーハンドパンチかっ

片手で受け止め、そのまま歩法を使用し懐へ

両手の掌底をキックのダメージが蓄積されているボディーへ叩きこむ。


「おおっ! やっと間合いに来てくれたな!」

「ぬうっ!」

奴め! 我が掌底を喰らいながら我が腕をカンヌキに極めるとはっ。


ぬう。腰を落とした。

カンヌキのまま投げるつもりか!


そうはさせぬと、自由に動く足で金的を繰り出し、怯んだところで頭突きを当てる。


奴が手を離した。

好機である!


肩から背中にかけて力を入れる。腰を捻転。腕を鞭のように広げ体に巻き付ける。

「吐ーッ!」

捻転を戻すと同時に高速で 掌底を敵にむかって突き入れる。

体がバネが戻るかのような速度で回転する。

我が最も得意とする速射砲のような片手突き。

更にドラウプニルの権能により電撃も加わる。


この一撃をダメージを食らわせ続けているボディーに当てる。

「ぬう。」


こやつ!

吹き飛ぶどころか、我が得意の片手付きを耐えきりおった。


このライオンマンとやら、防御技術はそこまで高くないが、受けてから投げる。受けてから極めるという格闘スタンスのためか異様に頑丈である。


「おお! お主・・・レッドとか言ったな。見事である!」

ライオンマンはそういうと倒れた。


うむ。倒れぬことに焦ったが・・・・どうやら・・・

・・・どうやら我が勝利である!


---from aoi side---


「なんだコレ」

『なんなんでしょうねぇ?』


珍しくアタシとカグヤの意見が一致した。


目の前にはお互いの健闘をたたえ合う赤石とライオンマンがいた。

「おお! お主やるではないか!」

「うむ。ライオンマンも相当鍛錬を積んだと見える。」


あーあ。がっつり握手までしてるよ。

あんたらさっきまで殺し合ってたんじゃないの?


「それにしても珍しい。」

『なにがですの?』

「赤石のあの純粋に喜んでるか顔がさ。」

『・・・確かにいつもは恋人のことばかりを考えて焦っている感じですわね。彼。』

「そう、その彼があんな喜色をだしてるなんてさ。・・・彼の求める闘いの形があれなんだろうなぁ。」

『あら? 嫉妬しました?』

「はっ? 嫉妬なんで?」

『ライオンマン様と楽しげにしている赤石様。それを見て自分には赤石様をあそこまで喜ばせる事ができないと嫉妬されたのでは?』

「違うよ。バカ。あいつ、りさ教授の救出で常に焦ってたからな。それにヘドリアの死もある。気が休まる日がないんじゃないか心配はしてたよ。どういう形であれあーいう顔ができる時は大事だ。それで安心しただけよ。他意はないよ。」

『ふーん。』 


なんだよ。カグヤ。

言いたいことがあるならいいなさいよ。



---from akaishi side---


「おお! ということは偉大なるヘドリア様達は「魅入られたもの」に倒されたのだな。」

「うむ。あれは何なのだ?」

我は20体の守護者と呼ばれるモンスターの中にいた人影のことを考える。

あれがリサ姉だとしたら? そして、そうだとしたら十中八九、守護者や「魅入られたもの」と関連があるだろう。

どうやら姉は守護者の卵を土の魔石に変えて土魔法を使い脱出を試みた形跡がある。


「おお! であれば我が偉大なる帝国にくるか?」

「む?」

「俺は詳しく知らぬが、我が宰相が詳しい。よければ案内するぞ。」

「それは・・・ぜひ頼む。」

「おお! 地上の偉大なる勇者の頼みだ。喜んで道案内しよう!」


うむ。

研究所がもぬけの殻で途方に暮れている状態である。

何であれリサ姉の救出に繋がることであれば否はない。


今度こそリサ姉の救出にたどりつけるか?


書いてみてわかりましたが、格闘戦が書いて一番楽しかったです。

バトル漫画のような格闘戦を小説で表現してみましたが、上手く表現できているでしょうか?



【次回予告】

ライオンマンの手引きで地底帝国の首都、帝都向かうレンジャーワン。

宰相ユミルとの初対面は無事終わるのか?

そして地上と地底帝国の初交渉の結果は?


次週、episode10 交渉

毎週 日曜日 9時30分 更新 ブックマークよろしくお願いします。

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