表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

episode5 当然

---from professor risa side---


「ちょ。ちょっと待て! 無事なのか。」

私は慌てる。赤石がレッドドラゴンと会敵し、その結果入院したと聞いたからだ。


「ああ無事じゃよ。りさ教授。あの山吹が神からもらったというオーパーツ“ドラウプニル”は素晴らしいのう。確かにダメージは受けるようだが外傷は無しだ。同じくアオイ、山吹も退院している。通常であれば死んでもおかしくない攻撃を受け吹き飛ばされもしたのじゃがのう。」

通信先の黒滝教授の声がスマホを通して聞こえてくる。


無茶はやめてくれたまえ。

心臓に悪い。

赤石は無事か。

月並みな言葉だが安堵した。


心配事が消えると研究者の性がもたげてくるのは我ながらどうしようもないな。

その赤石の命を救ったドラウプニルに興味がわく。

「そのドラウプニルというオーパーツ。量産できないかな。」

研究者としての業もあるが、量産出来たら赤石が危険なことをする率が下がるんじゃないかという期待もある。


「ほう、りさ教授も同じことを考えたのかね。実は私も同じことを考えている。」

黒滝のおじいちゃんも同様のことを考えたらしい。私は苦笑する。研究者っていうのはどうしようもなくこうなのだ。


「実は脱出を試みてみた。研究所からでてみたのだよ。研究所の周りからモンスターも帝国兵も消えたしね。動くなら好機だった。」

「まったく無茶をする。ふむ、それで? どうなった?」

「モンスターを甘く見ていた。いつも研究所の防衛システムで撃退していたからね。何とかなると勘違いしていたようだよ。防衛システムがないと散々だったね。負傷者が出る前に慌てて研究所に逃げ帰ったよ。」

「賢明な判断じゃな。無茶はせんでくれ。」

「それで、そのドラウプニルがあったら結果も違ったかもしれない。と考えた。現在唯一のモンスターとまともに戦える手段がそのドラウプニル。原理はどうなっているのか?研究は進めているのかね?」

「儂も興味はあるがゼロからの研究は初めておるがのう。しかし0からの出発なのでな。苦労しているわい。まだとっかかりすらつかめていないのじゃよ。」

「私の方でも研究してみよう。データを送ってもらうことはできるか?」

「ふっ。」

「何だ? バカにしたのか?」

「したさ。遭難中というのに研究者は研究のことしか頭にない。いや儂も同類じゃな。」

「なるほど、お互い研究バカだ。まあ、私の場合は研究者ということもあるけど、リアルに脱出の突破口になりうかもしれないという切羽詰まった状況があるがね。」

「それは儂も同様だ、救出の突破口になるかもしれないからのう。」

「じゃあ。勝負しないか?」

「勝負?」

「どちらが先に解明しドラウプニルを複製するか?という勝負だよ。その方がモチベーションもあがるとはおもわないか?」

「・・・不謹慎ではあるが、モチベーションは確かにあがるのう。目的をもって努力するのは目的がないで努力するより数倍良い。」

「よし決まりだね。あ、データ転送ありがとう。へー。かなり大きな魔石が入っているじゃないか。形から入ろうかしら・・・。となると魔石の採掘が先になるか・・・。」

りさ教授は思考の海に潜った。


別の自分が呆れながら客観的に今の状況について思う。

限界と想定される日まで残り58日

研究に意識を割ける精神状態ならまだ大丈夫だろう。




---from underground empire  side---


「レッドドラゴンが敗れた!」

宰相ユミルが驚きの声をあげる。


竜族は巨人族と並んで神に対抗できる種族といわれている。

その竜族が負けたということは敵対勢力が少なくとも神と同等の力を持っているということである。


「それとな、もう一つ悪い情報だ。カグヤの裏切りは確定だぜ。」

タイタンが吐き捨てるように言う。


「地上の青い魔法使い。ブルーとか名乗っている奴。こいつの正体はカグヤだ。」

タイタンはちらっと帝王を見る。帝王はカグヤが裏切るはずがないといった。どういう反応をするか興味があった。


「・・・青い魔法使いがカグヤなのですね?」

帝王は確認した。その張り付いた子供の笑顔の「顔」からは本当の気持ちはうかがい知れない。

「ああ、自分から名乗っていたからな。」

「興味がありますね。」

帝王が笑みを崩さず頷く

「ああ。まずい。まずいですぞ。カグヤは対四天王特化。それが敵に回るとなると四天王では難しいという事になります。」

宰相ユミルがうろたえる。

「吾輩がいこう。カグヤには魔法が通じぬ。吾輩が適任であろう。」

デビルフィッシュが進み出る。


「そうだね。た・だ・し。捕まえるんだよ。なぜこんなことをしたのか知りたいからね。」

「心得ました。」


「ち、ちょっと待てや。」

帝王とデビルフィッシュの間で次の出陣が決まりそうな場面でタイタンが口をはさむ


「こっ、こちらとら、ヒートがやられてるんだぜ。このまま引き下がれるかよ。」

そうタイタンにはもう引けない事情があった。


とはいっても内心は複雑ではある。

戦術家としての彼はデビルフィッシュの進言が正しい事は理解している

統率者としての彼はヒートの仇をとりたい可愛い部下の希望は叶えなければいかんということを理解している。


「・・・らしくもない。お主の主力は魔法ではないか。」

デビルフィッシュが疑問を呈する。

もっともな話でカグヤが対四天王と呼ばれているのは魔法無効化能力があるからだ。魔法使いは不利なのである。


「うっせーな。相手の戦法がわかってりゃ。戦い方があんだよ。」

「レッドドラゴンを斃した相手でもか?」

「はん。あれは3人揃わねぇとあの力は発揮出来ねぇ。各個撃破で対策が打てる。」

「ほう・・・。見るところは見ているのだな。」

「あん? テメェバカにしてんのか?」


「タイタン。」

口論になりかけたところで帝王がタイタンを呼ぶ。

「おう。」

「強大な力を振るうには確かに条件が必要だ。タイタンの主張は筋が通っている。確認したいのは条件だ。3人揃わないとドラゴンを斃す力を出せないというのは本当かい?」

「確かめたわけじゃねえがな。だが奴ら3体の使い魔っていうのか? それらが合体してそのドラゴンを倒す力を得たようだ。まず間違いねぇとふんでる。」

「そうか。」

帝王の両手が白く発光した。その手なのかに一振りの剣が出現する。


「これをつかったらよい。」

帝王はタイタンにその剣を渡す。

つまりタイタンに任せたという意思表示をした。

「おうよ! 任せておけ!」タイタンはその剣を掴んだ。


その様子を見ていたヘドリーがつぶやく

「今回 私 空気ね。」


---from aoi side---

私は思い出す。

故国滅亡の刻を


地底の国々は洞窟の通路でつながっている

私の祖国。青の国も同じなんだ。


つまり他国が攻めてくるなら狭い通路を通ってくるしかないわけさ。

大軍で攻めてきても出口はせいぜい4人が出れる程度だしね。

仮にどこかのアホな国が攻めてきたって防衛は簡単なのよ。

出てきた4人を大軍で袋叩きにする。それを繰り返す。

まあ、モグラたたきイメージしてもらうとわかりやすいかな?

守るのは簡単。

のはずだったんだけどね。


帝国が攻めてきました。

情報として帝国が他国に侵略戦争をしかけているのは知ってましたから。

それ自体には驚きませせん。

むしろ当時の私たちは帝国に対して呆れてましたよ。ええ。


狭い通路を通れるのは4人程度。それでこの魔法国家である青の国を陥落させることができるとはとても思えないからねー。


帝国の兵が出口を出たところを

展開させた魔法兵団の大軍で攻撃魔法の波状攻撃をしかける。それを繰り返せば守り切れる。・・・はずだった。


洞窟の出口から出てきたのはたった一人。

その一人が真の姿を顕現させる。

顕れたのは真紅の翼をもつ龍 レッド・ドラゴン


さすがの私も魔法兵団もドラゴンには勝てない。

私の祖国はドラゴンによって滅亡した。


『それでドラゴンがトラウマになり、ビビッて動けなくなったと。』

カグヤが相変わらず辛辣に混ぜっ返す。

「そうなんだ・よ・ねぇ。」

アタシは素直に肯定した。

『大丈夫ですか。お熱があるのではないでしょうか?』

「へ? どういう事よ」

『普段のアンタならムキになって否定しましたわよね。素直なのは面白くありませんわ。』

「あのね。事実を否定したら駄目だよね。何にも解決しないさ。カグヤの言う通り私はあのドラゴンの姿を見て動けなくなった。情けないよねー。」

『・・・こういうところはあくまでも怜悧な戦術家なのですねぇ。』

「そうだね。事実からは目を離してもしょーがないじゃん。」

『残念。私の復活はまだまだ先ですわね。』

「へ? どういう事よ」

『へ?というのは仮にもお姫様だったのですからおやめなさい。』

「うっさいわね。そんなん職業差別だ。お姫様にも「へ?」と言う権利はある! それよりもどういう事さ。カグヤ復活できんの?」

『・・・アンタが気絶しているとき、アンタの体を一時的に借り受けることができました。』

「ちょっ!乗っ取ったってこと。」

『そうですね。その表現が近いと思いますわ。つまり・・・』

「つまり?」

『アンタを永久的に気絶。または意識を封じることができれば私は復活することができる。という事ですわ。』

「!・・・」

怖いことを平然というよこの元付人兼秘書兼副官兼護衛兼監視役は!

「そうなったら私が困るじゃん。」

『え? そうかしら。こわーい こわーいドラゴンと戦わなくて良くなりますわよ。』

「!・・・」


この言葉に体が反応した。体がドラゴンと戦わなくてよいと安心したのだ。

いけない、いけない。これはカグヤの甘言。黙って聞いていたら本当に体を乗っ取られる。


『アンタに死んでもらってというのも考えましたが、わたくしも死亡のリスクがある以上試せないですしねー。』

「ち、ちょっ・・」

『まあ、ドラゴンごときに火蜥蜴に驚いているような小娘ならいくらでもやりようはあるでしょう。それで・・・あの赤石様とおっしゃっていましたか? 単身でドラゴンと戦う勇者様と一緒に帝国に帰還するもよし、一緒に帝国を滅ぼすもよし・・・未来への選択肢が広がりますわ。』

「まってまって。」

『何か?』

「私を乗っ取る前提で話を進めるな。それより、そこでなぜ赤石が出てくる。」

『決まってますわ。あなたよりも「強い」からですわ。ドラゴンをみて動けなくなった者と立ち向かった勇者。この差は大きいですのよ。』


うーん、確かに・・・カグヤの言う事に納得する私がいる。

むかつくけどな。

むかつくと言えば、生意気な口を利くカグヤはもちろんだけど、赤石にもむかつく


あいつ、今まで高校生だったんだよ。

格闘技は知ってるかもしれないけど

闘いは知ってるかもしれないけど

戦いは知らんかったよね。


その、いままで戦いが知らなかった赤石が勇敢にレッド・ドラゴンと向き合い。

戦い。勝利した。

一方、私は竦んで何もできなかった。

何もできなかったんだよ。

うぬぬぬ。

赤石という戦いの素人に!という負けず嫌いの私がいる。

自分の中でせめぎ合いがおきる。


「あいつは何も考えてないだけなんだよ。一つの目的だけしか考えていないよね。」


精一杯の強がりを言う。

そうドラゴンにプロレス技をかますようなあの阿呆はリサ教授のことしか考えていない単純な奴だ。


『それが強み。賢すぎては事を成しえませんという事もありますわよ。愚直の方が強い場合もあることは理解できますわよね。』


理解できる・・・

確かに赤石は愚直だ。

愚直でなければあそこまで実践レベルの格闘技を身に着けることはできないだろう。

愚直でなければあそこまでリサ教授の救出を繰り返すことはできないだろう。

そして、その愚直さが勇者の証。物事を達成できるあいつの「強さ」だな。


『あら、噂をすれば勇者様の登場ですわ。』


ん?・・・

私のいる部屋から赤石が移動しているのが見えた。

あいつの移動先はわかる。

だって愚直な勇者だから。


ドラウプニル使用し変身する

「An armor changes Wodan」の機械音が鳴り響く

アタシは無意識に赤石を追いかけた。


---from yamabuki side---


いやあ、前回の戦いは参りました。

僕の戦闘での弱点がでました。

実は・・・スキーズ頼りの戦闘してました。

僕自身何もしてません。

つまりスキーズが対応できない相手だと僕はお手上げなんです。


前回のレッドドラゴンにスキーズの砲撃が一切通用せずに、逆にドラゴンブレスで吹き飛ばされてしまいました。


今までは相手の攻撃が届かない位置からの一方的な砲撃で勝利していました。つまり戦う前から勝確状態をつくっていました。


今回はその状態を作れませんでした。


こうなると僕は何も出来ません。

真っ先に撃墜されました。

怪我がないのは三柱の神様がくれたドラウプニルのおかげです。

それがなければ死んでもおかしくない場面です。


そんな場面をひっくり返した人がいました。

赤石クンです。


事もあろうにドラゴンにプロレス技をきめたそうです。

凄すぎます。

それだけでも凄いのに僕もアオイちゃんも不在の中、そのドラゴンを倒してしまったそうです。

凄すぎです。


正直、赤石クンのことを下に見てました。


とにかく愚直にリサ教授を救出する。

行動はこの一点だけ

事前の計画もありませんし。

成否も問わず行動します。


これでは失敗する確率が高くなります。

実際に最初会った時の赤石クンは蛸頭の怪人に体を貫かれて瀕死でした。


危なっかしい。無計画。猪突猛進。無鉄砲。向こう見ず。出たとこ勝負。勢い任せ。

正直、それが僕の赤石クンの評価でした。


そんな彼にあれこれアドバイスしてました。

その時は危なっかしい赤石クンを心配してと考えていましたが、今思うと、赤石クンにアドバイスすることで優越感に浸りたいという気持ちはあったように思えます。


レベルも10近く上回ってましたしね。

レベルは僕だけが確認できるようです。

赤石クンは当初からレベル30台と高く、素でモンスターと戦えるというのは頷けます。

格闘技をやっているようでしたから、おそらく長年の鍛錬に次ぐ鍛錬の賜物なのでしょう。


僕は偶然ではありますが低レベルで高レベルを倒したレベリングの恩恵を受け、40台のレベルとなっています。かなり効率の高い方法で地道な鍛錬を下と思われる赤石クンを抜いてしまったわけです。


うん、今考えると優越感があったことは否めません。


ところがその赤石クン。

僕が手も足も出なかったドラゴン相手に勝利しました。


僕が間違っていたのでしょうか?

今の僕ではどうやっても勝つことはできません。


彼の愚直さが僕の小賢しい計画性を上回っているということでしょうか?


ふと、窓を見ると赤石クンが移動しているのが見えました。

彼の移動先はわかります。

彼はシンプルですから。


僕はドラウプニル使用し変身します。

「An armor changes Frey」の機械音が鳴り響く

僕は無意識に赤石クンを追いかけました。


---from burn side---

いやあ、上手くいったぜ。

赤石って奴。こいつバカだわ。

っていうか地上人皆バカじゃね?


俺はヒートの仇を討つべく「地上」へ再度、舞い戻った。

いやあ、前回も感じたけど「地上」は空気がうまいね。

改めてこの「地上」を手に入れたいと思ったね。


さて、その「地上」を手に入れるは障害がある。

そして、その障害こそヒートの仇だ。

赤い重戦士。青い魔法使い。金ぴかの戦士の3人だ。


この障害。中々にハードだ。

なんといってもあのレッド・ドラゴンを倒しているからな。

まともには戦えないね。


しかしな。

勝ち目はあるんだ。


あのレッドドラゴンを倒した力は3人揃ってないと発揮できねぇ。


なら簡単だ。

一人づつ倒す。

シンプルにこれだよ。

何事にでもやりかたってのはあるんだ。


そのためには一人になる状況を作らないといけねぇ。


そこで俺は地上に再度、戻った。

と言っても兵は率いていない。

レッドドラゴンを倒した奴とはまともに戦えないからな。

いわゆる潜入工作ってやつだ。


地上ではオレ達が前回の作戦で開けた洞窟を埋め戻す作業をしていた。そこで作業員に紛れたら簡単に地上に潜入できた。


地上人皆バカじゃね?

いくら俺の姿が地上人と変わらんっていってもねえ・・・俺はつい先日、地上に攻めてきた敵だぜ。防犯意識どうなってるんだ?


ついでに作業員として仲良くなった地上人の一人から昼飯としてラーメンおごってもらった。なんでもその作業員の地元のラーメンらしく濃口豚骨煮干しラーメンというスペシャルな料理らしい。

濃い味が肉体労働の後の体に染みてうまかった。


地上を征服する理由が増えたな。

絶対、征服後には帝国に輸入する様、進言しよう。


それはさておき


潜入調査の結果、簡単にあのレッドドラゴンを斃した勇者の居場所を突き止めることができた。

なんでも帝国と地上をつなぐ洞窟を調査研究している大学のレスキュー隊「レンジャーワン」に所属しているらしい。

というか隠してすらいなかった。レンジャーワンのことは普通にニュースに流れていたし、聞けば教えてくれた。ネット調べれば一発でわかった。


地上人皆バカじゃね?


更にはレンジャーワンの本部のある北都大学とかいったな。そこに言ってちょっと聞き込みをしたら、その勇者のことは簡単にわかった。

名前は赤石剛

目的はその大学に所属するリサ教授の救出

なんでも洞窟内に研究所をつくり、その研究所の責任者がリサ教授らしい。

そのリサ教授だが、研究所事、崩落に巻き込まれて行方不明らしい。


なんでこんなに簡単にわかるんだよ。

スパイ活動っぽいものにあこがれたんだけど、スパイ活動にすらならねぇ。

情報ダダ洩れじゃねぇか。

セキュリティの概念がないのか?


地上人皆バカじゃね?


その研究所ってあれだろ。

前にタイタン様と攻めた地上人の出城みたいなのだろ?

うん、オレ攻めたから知ってるわ。


そんで赤石の居場所もわかって簡単に接触できた。

ちょろすぎないか?


それでその赤石に接触して自分が帝国の人間でリサ教授の居場所を知っていると告げた。

色々、考えたが下手な嘘は下策だ。


真実を告げるからこそ罠にはめることができる。

オレは帝国の人間だし、リサ教授の居場所も研究所を攻めた側だから知っている。

一切、嘘は言ってねぇ。


そしたらこのドラゴン殺しの勇者は即行動に移しやがった。

リサ教授のところに向かうという。

それも単身で。


あまりの単純さにこっちが慌てたが、まあ作戦通りだ。

タイタン様の見立てではあのレッドドラゴンを斃した力は一人では発揮できないらしい。

課題がわかれば対策はカンタン。

各個撃破すればよい。

そのために赤石をプロミネンスが待ち伏せしている洞窟内部へ誘導する作戦を決行したのだが・・・


簡単すぎないかい?

そうこうしているうちに洞窟内に入っちゃったよ。

まあ、オレの有能さということかな?


いずれにせよ。プロミネンス!

後は任せたぜ。


---from akaishi side---


なんと理不尽な事か!


バーンとかいう人物が我に会いに来た。

なんでもリサ姉の居場所を知っているという。

聞けば、バーン殿は帝国の民だという。


帝国では地上から落ちてきたリサ姉の研究所の場所を把握しているという。

そして帝国ではこともあろうか研究所を城と勘違いし、攻めているという。


いずれにせよ場所を知っているということである。


我が目の前に光明が差した。

闇雲に探すよりも知っている人物に案内してもらった方がよい。


それに帝国に攻められているのであれば猶予ならぬ。


そこで何とか頼み込みリサ姉のいる場所へと案内する約束をとりつけた。


ただ、バーン殿は地上であまり目立ちたくないらしい。

何でも下手に目立って帝国に目を付けられると大変な目にあうらしい。

もっともなことである。


一方、我等レンジャーワンはアルミラージやレッドドラゴンといった巨大モンスターを倒したことで有名になっている。

つまり我等は目立つのだ。


我がためにバーン殿が大変な目にあう事だけは避けねばならぬ。


そこで別々に魔石の洞窟へ向かい。

洞窟内で落ち合うこととなった。


そこまでは良いのだが、どこから我の居場所を知ったのかプロミネンスとかいう敵の一団に行方を阻まれてしまった。

我は一刻も早くリサ姉の元へ行きたいのだが、世の中理不尽である。


敵は帝国兵プロミネンスを含めて20名か?


ただし、場所が狭い洞窟の通路なのでほぼ1対1。または2対1で戦えそうではある。

百人空手の1/5か。

こんなところで足止めを食っているわけにはいかぬ。

いい加減リサ姉の元へいかせよ。


「レッドドラゴンを倒した勇者よ。ヒートの仇である。ここで土に還るがっつ・・・はべぇぇぇぇ」

何やら大業な演説をし始めたやつを先制攻撃で殴り飛ばす。


先手必勝である。

それに、いいかげんリサ姉の元にたどり着かぬ現状に対しもどかしくなってきたところでもある。

押し通る!


ドラウプニルを慣れぬ手つきで操作する。

「An armor changes Tor」の機械音が鳴り響く。


我の体が派手な真紅の西洋甲冑のようなものに覆われる。

腰回りは大きなスカート装甲。

肩の倍はある巨大な肩当に、膝から下もフレア装甲。右腕には二回りも大きな円筒形の腕あて。左手には腕には炎をデザインしたようなシールドが装着される。


「Completion! The Fighter ・RED」

機械音と共に我は真紅の重装戦士に変身した。


それを合図にではないであろうが帝国兵が襲ってきた。

が、やはり狭い洞窟内である。

ほぼ一対一の状況。


変身した我の敵ではない。


先頭にいる帝国兵の懐に一気に飛び込み掌底で吹き飛ばし、その横から袈裟懸けに切り付けてきた相手に裏拳を叩きこむ。


こういうのは下手に重心を後ろにすると転ぶスキーと同じ。

スキーを滑るには前がかりにならねばならぬ。


同様に下手に敵の攻撃を恐れアウトで戦うよりも懐に入ったほうが安全である。


裏拳の勢いを利用し、そのまま捻転。

「吐ーッ!」

捻転を戻すと同時に高速で 掌底を敵に突き入れる。

体がバネが戻るかのような速度で回転する。

そこから速射で繰り出される大砲のような我が最も得意とする片手突き!

『Mjollnir hamme』

機械音と同時に右腕装着されている二回りも大きな円筒形の腕あてから放電。 

電撃も走る。


電撃の進路上にいた帝国兵を一気に屠る。

「ヤルナ。ニンゲン。」

電撃をものともせずに迫る帝国兵がいる。

「ぬう。」

こいつは他の帝国兵とは毛色が違うようだ。


今までの経験則で言うならば帝国兵は人型モンスターである場合が多かったように思える。ゴブリンとかである。


この迫ってきている帝国兵はそれらモンスターとは違うようだ。

全体的に岩石のようである。

岩の魔物であろうか?それに人語も話せるようだ。

岩石のような帝国兵は我にタックルを仕掛けてくる。

顔面ががら空きなのでミドルキックを当てたいところではあるが、この体格差。そして距離を上手に使った全身をでのタックルを足一本で止めれると思うほど自惚れてはおらぬ。


「ぬおおぉお。」

我も腰を低くタックル。いや相撲のぶちかましの体制をとる。


岩の帝国兵のタックルと我のぶちかまし。

どちらが強いであろうか?

口角があがる。


その時である。


背中に衝撃が走ったのは。

「何事っ!」

と意識を背後に向けたのが悪かった。


正面からくる岩の帝国兵のタックルをまともに受け吹き飛ばされる。


「ぬう。」

体勢を整える。かろうじてダウンは免れた。

状況把握のために周囲を見渡す。


正面には岩の帝国兵

背後には、リサ姉の居場所を教えてくれるという親切な帝国兵バーン殿がいた。

その手には魔法の光が見える。


背後にいるバーン殿の攻撃を受けたか?

瞬時に状況を理解する。


「バカじゃね? オレは帝国の人間だって正直に話しましたよね? オレが背後から攻撃する可能性を考えなかったのですか?」

バーン殿が嗤いながら炎の魔法を撃ってくる。

それを円盾で防ぐ。

「我の直感ではあるがバーン殿。お主は嘘は言ってなかった。リサ姉の居場所は知っているのであろう?」

「ちっ、知ってましたよ。っていうか、研究所っていうのでしたっけあの城?その城を攻撃してましたからね。」

「うむ。知っておるのだな。それでその居場所へ案内はするのであろう?」

「ちっ、どこまでバカなんでしょうね。いいでしょう案内しましょう。アンタを捕えてでもよいなら。」

「ふむ。それは困るな。我の目的はリサ姉を救出すること。捕らえられては救出できぬ。」

「あのね。オレの目的は邪魔なアンタを捕えるか倒すこと。そのために一人でここにきてもらったんですよ。アンタの目的なんざ知ったことじゃないんだ。」

そういって炎の魔法を我に向かって撃ってきた。


「ウシロモキヲツケナ!」

後ろからも先程の重量タックルを繰り出した岩の帝国兵が足音けたたましく突っ込んでくるのが見えた。


挟撃か。


このようなときに退くと悪手になる。

退きそうになる体をとめ、勇を鼓舞する。

岩の帝国兵に突っ込んでいきスライディングで懐に入る。

虚を突かれたようだが、それでも我を押しつぶそうと体を倒してきた。

「ぬん!」

それを両足で蹴り上げ後方に飛ばす。図らずも巴投げのようになった。


バーン殿が放った炎の魔法と巴投げで投げた岩の帝国兵がぶつかりあい衝撃が洞窟内を走る。

予想外の衝撃に我も地面を転がる。


隙を見せたかと焦ったが、周りの帝国兵も我と同じく衝撃で倒れている。

よし。

と思った瞬間に顔面を殴られた。

視界がゆがむ。無様にしりもちをついた

「ヤルナ。ニンゲン。」

目の前に岩の帝国兵がいた。こいつが殴ったのか。

さきほど炎の魔法にぶつけたのだが、それをものともせずに向かってきたらしい。

完全に虚を突かれた。


なんとか立ち上がろうとするが魔法攻撃も飛んできた。バーン殿も無事らしい。

「ぬう。」

岩の帝国兵のパンチを小さな円盾で防御するが衝撃までは吸収できずダメージを受ける。更に後方から飛んできた炎の魔法が被弾する。

いかに変身後の深紅の鎧が強固としても、このままサンドバック状態を続けていると体力が削られる。


ぬう。あの顔面を殴られたときが分水領となったか?

いや、岩の帝国兵を炎の魔法にぶつけて、それで倒したと思ったときか?

いずれにせよ。この集中砲火状態はまずい。

下手をうった。


「うひゃひゃひゃひゃ! 勇気あるだけの者なんざ、どれだけ単独で強くてもこんなもんよ。まずは一人目各個撃破ぁああ・・・のヴぁああぁぁぁぁ!」


バーン殿が吹き飛んだ。


見るとやつの後ろにブルーとイエローがいた。


「確かに単独で動いている奴は倒しやすいなバーン! まずは一人目撃破!」

そういうとブルーは魔法弾を連射した。


「な! テメェはカグヤ。え!ま!まって。ヴ! が! ぎゃ!」

元親切な帝国の炎の魔法使いあったバーン殿はブルーの魔法弾の連発攻撃で倒れた。


ありがたい!

これで岩の帝国兵に集中できる。


我は状況変化に戸惑い動きを止めた岩の帝国兵をタックルで吹き飛ばし、距離を作る。

そこで捻転。腕を鞭のように広げ一気に懐に近づく。


「吐ーッ!」

捻転を戻すと同時に高速で 掌底を敵の脇腹に突き入れた。

体がバネが戻るかのような速度で回転する。

そこから速射で繰り出される大砲のような我が最も得意とする片手突き。

『Mjollnir hamme』


変身の作用で機械音と同時に右腕装着されている二回りも大きな円筒形の腕あてから放電。 電撃も走る。


「ガアアアアアッ!」

岩の帝国兵は吹き飛び、前方に待機していた帝国兵の残りを巻き込み轢いっていった。


この隙に我は援軍として現れたブルーとイエローの元へ向かう。

「助かった。礼を言う。」

今の素直な気持ちを二人に伝えた。


---from aoi side---

「なんだキモイ。雪降るわ!」

私は思わず毒を吐いた。


だって、だって、この赤石という男。

付き合いは短いけど、わかってきたことがある。

思考が疑う余地も無いくらい単純なんですよ。ええ。


「目的を達成するためにどう突き進むか」だけしか考えていない。


人ってそう単純じゃないじゃん。

アレコレ悩んだりもするし、いつのまにか手段が目的にすりかわったりするじゃん。

時には複数の案件が同時に降ってきて身動きとれなくなったりするじゃん。


この男にはそういった人間臭さがないんだよ。


これが良い方向に向かえば推進力になるし、駄目な方向にすすむのでであれば独断専行になるよねー。

で独断専行型の人間にとって、こういうフォローは煙い。うざい。邪魔の対象でしかないことをかつての部隊長の経験から知っている。

猪突猛進型の人間にとってブレーキ役はうざいいんだよ。部隊長時代を思い出してきた。あんときの独断専行したがる奴らの多かったこと!


話しは戻る。


その独断専行型の赤石から邪魔と思られるならまだしも感謝の言葉をいただきやがりましたよ。


大丈夫か?赤石?


「ぬう・・・。我もお礼ぐらいは言うぞ。」

いかにも心外そうな表情を作る赤石。

あら、ちょっと可愛いかも。かといって許してやんないけどね。

「お礼を言うくらいなら、最初から一人で行くな。何のための仲間だよ。」

「仲間?・・・。」

赤石はとまどったようだ。

まあ、そうだろうな。

独断専行型の勇者だから、一人で目的に突き進んじゃうもんな。そんな意識ないよねー。


「そうですよ。レッド。僕たちは仲間です。一人で行かないでください。お姉さんを助けたいという気持ちはよくわかってます。だからこそ確率の高い方法をとりましょう!」


「仲間。うむ。・・・仲間か! ふはははははっ!」

赤石が急に全笑い出した。

どうした?

理解不能のことが起きて頭が触れたか?


「ありがとう。 我は姉を救うだけに固執し目が曇っていたようだ。・・・頼ってよいのだな。」


何だこいつ。急に素直になりやがって、まあ研究者の恋人がいるだけあって地頭は悪くないし、若いから、考えも固執しないのかもしれないなー。


それはともかく、この赤石の質問に対する回答は一択に決まっている


「「当然です!」」


思わす山吹とハモったが、同じ気持ちということだろう。


さあ、いこうか。

3人揃った

ここからが私達 レンジャーワンの本領だ。



---from akaishi side---

先程あれだけ苦戦していた帝国兵を圧倒している。

当然だろう。

アオイと山吹がきてくれたのだ。


アオイは元々魔法兵を率いてきたことがあるという。いわゆる武人である。

素のままで強いうえに山吹から借り受けた神の力を行使している

当然、強い。

先ほどバーン殿を難なく倒し、その実力が本物であることを示した。


山吹は格闘戦は素人ながら、視野が広く、神の力の効果的な運用がうまい。

孫子の兵法に「勝兵先勝而後求戦、敗兵先戦而後求勝」こんな一文がある

戦う前に勝敗は決まっているというくだりだ。それを実践してくる。

当然、強い。


この強い二人が参戦したのだ。

圧倒するのも頷ける。


ここで我にはどうしても理解できぬものがある。

我はリサ姉を救出するという目的がある。


姉のSNSでは研究所も帝国兵の攻撃を受けているという。

バーン殿も同じことを我に伝えていた。

猶更、急ぎ救出に向かわねばならぬ。


つまり、我には敵国兵と戦う理由がある。魔石の洞窟を攻略する動機がある。


アオイ・山吹にはそれがない。と我は考えていた。


アオイは帝国から離反している。帝国には逆に近づきたくないであろう。

戦うときも必ず、身バレせぬよう変身しているし名前も呼ばせず、ブルーと言うコードネームで呼ばせている


山吹は元々武人ではない。なにやらゲームや異世界ものの英雄にあこがれているようだが、かといって帝国と事を構える強い動機はないであろう。。


と思っていた。

我は知らなかったが動機はあったらしい。

それは「仲間」というらしい。


うむ。


アオイが離反露見の危険を冒す理由。山吹の憧憬を超える危険を冒す理由

がそれらしい。


我には正直理解できぬし、利やリスクという考え方とはかけ離れた思考ではある。

しかしながら、我も若輩にて人の心は疎いところはあるが・・・それでもアオイ、山吹が「本気」で言っているのはわかる。

「本気」は信頼に足りる。



「ガァアアアア! ニンゲンゴトキニィィ。オイ、プロネミンス! カイホウシロォ!」

何やら窮地に陥った岩の帝国兵が味方ともめている。

そうであろう。もはや帝国兵は、岩の帝国兵と魔術師然とした者2名だけである。


「御意・・・といいたいところですが、この場では天井にぶつかります。」

「ソンナモノ。ドウデモナル。カイホウッ!」

「御意・・・」


帝国兵の魔術師が呪文を唱えると岩の帝国兵が変化・・・いや巨大化した。


天井にぶつかるかと思いきや口から巨大な力を咆哮ともに放射し、天井を吹き飛ばした。


洞窟の天井がなくなった、岩の巨人は巨大化を続け、その姿を巨大な地竜に変化させた。


「ふむ。また竜か。」

であれば前回倒した方法でよいだろう。幸いにして前回の竜と違い翼が無い。空を飛べるようにも見えず、恐竜図鑑でみたことのある剣竜のような体系では、そこまで素早い動きもできないであろう。


「来るがよい。我が眷属 シアルフ!」

我は眷属であるシアルフを呼ぶ。


我が足元に巨大な魔法陣が展開される。

その魔法陣からせりあげるのは30mもある巨大な真紅のフルアーマー

その巨大なフルアーマーと同化する。


山吹もスキーズを呼び、アオイも機械仕掛けの鳥2体。機械仕掛けの狼2体 機械仕掛けの騎馬1体を呼ぶ。



我は大きく股を開き、肩から背中にかけて力を入れる。腰を捻転。腕が鞭のように広げる。


『収束』

スキーズが機械音を発するとスキーズが発光。

アオイの眷属である機械仕掛けの鳥2体。機械仕掛けの狼2体 機械仕掛けの騎馬1体も同時に発光する。


発光した6体が我の体に文字通り収束する。

シアルフの力をかりて巨大化した我の体が、さらなる力に覆われる。

力が増すのを感じる。我が体を一瞬で破壊するくらいの力を


『ヴァン・アース権能収束・発射準備

セイズ解放。 ガント充填、三神解除。標的レッドドラゴン。

ガンド充填300% 対反動制御オールクリア。ヴァン・アース権能発射準備クリア』


スキーズが言葉通り制御をおこなっているのであろう。

アナウンスが流れる。


「吐ーッ!」

捻転を戻すと同時に速射の掌底を地竜にむけてくりだす。

『Gungnir』

機械音と同時に我が掌底から繰り出される力の奔流。


地竜もまた、かつての赤龍と同様、顎を開き、力の奔流を放ち対応する。


力の奔流同士が衝突する。


が、赤龍と同じく地竜の抵抗もそこまでであった。


我らの力の奔流に飲み込まれ断末魔の咆哮とともに消滅した。


『LEVEL UP』

『スキル:ドラゴンブレスを獲得しました。』

『アテンション:スキルドラゴンブレスは予期せぬ戦闘手段により獲得したためエラーが発生しました。スキル獲得は無効です。』


―ステータス―――

名前:赤石剛

年齢:16

職業:高校生

LV:40⇒41

スキル:筋力増強Lv2(UP) 脚力LV9 総合格闘LV7 幻獣の角

装備:ドラウプニル(赤)ミョルニルハンマー ヤールングレイプス メギンギョルズ

眷属:シアルフ

――――――――


---from aoi side---

「なんと理不尽な事か!」

えーっと。ハイ。あの猪突猛進野郎がいつものセリフをつぶやいて落ち込んでおります。

『アンタのせいですね。』

「ちょ、ちょっと待ってよ。カグヤ! 私? 私のせいなの?」

『リサ教授の居場所を知っているバーンを倒したのはアンタですわ。捕縛すればよいものを。』

「だっ。だってバーンが姉のの居場所を知ってるってアイツにいったっていうの知らんじゃんか。」

『嘘ではないところがやっかいですね。バーンの所属しているタイタン様の部隊はリサ教授がいると思われる研究所を攻めているわけですから。』

「そう! それ。バーンのやろう。居場所知ってるんだよねー。。赤石にとって大事な情報もってるんだよねー。そのバーンを倒して手がかりロストしたのってやっぱり私のせいかなー。」

『ええ、そうですわね。アンタのうかつな行為が原因ですわね。』

うわー。やっぱりそうかー。私も落ち込むわ~

赤石がどれだけの執念をもってリサ教授の救出を願っているかを知ってる分、余計にな。

「ちょっと待ってください! 二人で落ち込まないでください!」

山吹が困った声でいう。

ジト目で答えちゃえ。どーしろと言うのさ。

「赤石クンの話だと。バーンという敵はリサ教授の居場所を知っていた。さらにさかのぼればデビルフィッシュと言う敵も知っていた。ということですよね。」

「うむ。」

「であれば突破口はありますよ。今度帝国兵がきたら捕まえちゃえばいいのです。知ってる確率高いですよね。」

「うーん。捕まえたとして素直に居場所教えてくれるかぁ?」

私が仮にまだ帝国兵やっていて、仮に捕まったとして絶対に教えない。

敵の嫌がることをするのが戦術の基本だから。


「発信器をつければいいじゃないですか?」


私と赤石は目をひらいた。

そんな簡単な方法があるの?

「アオイちゃんは帝国や地底の国々の場所は把握されていると思います。発信器をつけた帝国兵がアオイちゃんの知らない場所に行ったら、そこが研究所の確率高くないですか?」


確かに。

私は地上調査に向かったからリサ教授の研究所の場所は知らない。

逆に知らないところに帝国兵が行ったら、そこが目的地だ。

やるなー山吹。

惚れてしまうぞ。


「さっそく黒滝教授にそうだんしませんか?」

山吹はにっこり笑った。




---from aoi side---

我が携帯の着信がなる。

リサ姉からSNSが届いたのだ。

無事という事である。

我は安堵し姉からの文章を確認する。。


-----------------------------------------------------------------

脱出のためにマッピングを繰り返す中、異様な事が発生した。

洞窟内のカボチャのような魔物が岩に吸い込まれたかと思うと、魔石に変化したのだ。


魔物を吸い込む岩と魔石の誕生


まだ発見段階ではあるが、我々も吸い込まれる可能性がある。

洞窟内の移動は注意が必要だ。


ちなみにカボチャ型の魔物は魔法を使い厄介ではあるが、食べることはできることは確認している。カボチャの煮つけや天ぷらも十分いけた。

魔石を吸い込む岩も カボチャの魔物を食料として食べたのであろうか。要研究課題だ。

------------------------------------------------------------------


むぅ? 魔物を吸い込む岩・・・??

リサ姉の無事に安堵するものの。我々も吸い込まれる可能性があるということであろうか?

むう。より慎重に魔石の洞窟を進む必要があるか??

【次回予告】

バーンの仇を討たんと燃えるタイタンの部下たちは新たなレンジャーワン分断作戦を行う。

一方、脱出を試みるリサ教授は魔石誕生の秘密に迫る。

その危険な魔石誕生の秘密とは?

次回、episode6 魔石

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ