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episode21 青く染まった石の国の希望

---from yamabuki side---

「アオイ、山吹。お主たちには知恵がある。その知恵を貸してほしい。」

赤石からそう言われた僕達は驚きました。

赤石クンは求道者系の格闘者のように思ってました。ですから独立独歩で物事を進めようという雰囲気があったのですが、その赤石クンが頼ってきたからです。


これは聞いてあげないといけません。

その雰囲気で忘れそうになりますが赤石クンはまだ16歳なのです。

少年なのです

年上として少年のお悩みに答えるのは当然です。


ちなみに僕達は今、地上の本拠である黒滝ゼミの研究室にいます。

ここは臨時のレスキュー部隊の詰め所を兼ねていましたが、黒滝教授が洞窟内で負傷し、伊藤女史が実質的な政府とのハブを兼ねた司令官の役目になってから指令室のような場所になっています。


この場所に気軽に戻れるようになったのもアオイちゃんの故郷。

青の国を抑えたことが大きいです。

青の国のカイさんから定期的に転移のスクロールを送ってもらう事が可能になりました。

これにより一瞬で行ったことがある場所に移動することができるようになりました。

ちなみに司令官の役割を担う伊藤女史は「これで安心だわ。」と涙を流していました。


話しは戻ります、さて、赤石クンのお悩みとはどんな内容なのでしょうか?


「ヴァン・アース状態を使わずにドラゴンを倒す方法はないか。」


えーっと、難題がきました。どう答えたらいいのでしょう?

「なぜ?」

アオイちゃんが眼光鋭く赤石クンに問います。

「ドラゴンを倒す鍵はドラゴンブレスを防ぐことだと考えている。」

赤石は僕達をまっすぐ見て答えました。

その通りかもしれません。

たしかにドラゴンの脅威の一つにブレス攻撃があります。

「そのドラゴンブレスを防ぐためにドラゴンブレスで相殺する方法もあるのではないか?と考えている。」

「へえ。だからドラゴンブレスのスキルが欲しいと。」

「うむ。」

赤石クンが頷きます。

「そんでヴァン・アース状態で倒すとスキル獲得できないからヴァン・アース状態でない状態で倒し、スキル「ドラゴンブレス」を取得したいと。」

「そうだ。」

赤石クンが再び頷きました。

アオイちゃんが難しい顔をしました。


今のところドラゴンはヴァン・アース状態でしか倒せません。

それほどドラゴンというのは脅威なのです。


石の国のゴーレムでも一撃粉砕されました。


よくよく見るとアオイちゃんの顔が若干青ざめています。

アオイちゃんはドラゴンに対してトラウマがあります。

僕はこの話題を続けるのはよくないのではないかと考えました。


「宿題ですね。今すぐ方法はでないと思います。研究していきませんか?」

僕の言葉に二人は頷いた。



---from Ms. Ito – Diplomat side---

あひゃひゃひゃひゃ。

私に風が吹いてるわ。


それはおかしな笑い声もでますよ。

はい。


もちろん、変人扱いされてしまうので心の中でだけですけどね。


今、私にとっていい流れがきています。

青の国を取り戻したことによって「転移のスクロール」が数は少ないにしろ、定期的に入手できる環境を手に入れることができたのです。


これはどういう事を意味するのか?

地上が・・・そして主に私がピンチの時にすぐにレンジャーワンが地上に戻れる環境が手に入ったということなのですよ。


正直、地底にレンジャーワンを送り込んだ時には私の平穏が脅かされるんじゃないかとドキドキしてましたが、その心配も減りました。


ピンチの連絡はモンスターのせいで基地局設置が難しいので携帯関係は頼りになりませんしかし雷獣による連絡ができるメンドーサさんがいるのでその問題はクリアできてます。


さらに追い風がきました。


地底には多数の国家があるそうです。

アオイさんの出身は青の国

メンドーサさんの出身は地の国といった風にです。


その地底国家群の中で私たちと取引したいという国があらわれました。

石の国というそうです。


その石の国の代表として青年商工会会長のデンジさんとこの取引の発案者であるキュウさんが地上にきたのです。


その国の産業はゴーレムという、なんというか・・・私たちの目から見たら動く彫像です。

ナイトのようなものから巨大なもの、飛行するものまであります。

なんでも地底の帝国に征服されるまではそのゴーレムをいわば産業用ロボットとして各国に販売していたようなんですが、帝国に征服されて以降、その交易が途絶えてしまったそうです。そこで帝国から解放されたと同時に交易を再開したいのですがまだまだ、他国は帝国に征服されている状況。そこで「楽園」と呼ばれる「地上と取引してはどうか?」とキュウさんが発議し、その行動力でレンジャーワンと一緒に転移してきたのです。


これっ これよ。

私がやりたかったのは。


私が帝国に後藤や白井と一緒に行った和平交渉。

その時にやりたかったのはこういった平和的な取引なの。

あんなデンジャーな脱出劇じゃないの


それが実現できる。

しかも帝国と戦える(と思う)ゴーレムよ。

私は即座に経費で10体買いましたとも。

これで私の安全と安寧が確保されるなら安いものです。

安いと言えば石の国側で対価として欲したのは地上の米や麦、農作物・魚・調味料・菓子・酒類といったいわゆる食品でした。

なんでも地上の食べ物は地底では食べられないような美味で持ち帰ると利益になるそうです。

確かに円をお渡ししても地底では使い道ありません。


「お互い良い取引じゃの。」

キュウさんがそう笑いましたが、正にその通りです。

主に私の心の安寧のために。


---from Lionman side---

オレは地上の街を歩いている。

長い間病室にいては体が鈍る。

そのため洞窟内でモンスター相手にリハビリしようとも思ったが、どうやら受けたダメージは深刻で洞窟内に入るとせっかく回復にむかった体が悪化した。


完全に受けた魔法の影響を抜けきらないと洞窟にも戻れないようだ。

しかたなしに気分転換も兼ねて地上の街を見物している。


多少、面映ゆいのは警護の人員が周囲を固めているところだ。

VIP待遇ということであろうか。

いたしかたない。

我の顔は地上人とはあまりにかけ離れている。

地上人からするとモンスターとの違いが判らず間違われるそうだ。

そのため不要な混乱や差別を防ぐために警護の人員が周囲を固めている。

ちなみに裸も駄目ならしく、窮屈ではあるが服を着用している。地上は「楽園」と呼ばれるだけあって青い空も眩しい太陽も食べ物も素晴らしいが服を着なければならない不自由さがある。


警備員の女性おすすめの「焼きそばクレープ」なるものを食べながら歩いていくと

嫌な悪寒がした。

これは守護者が近くにいるときやプロミネンスが放った黒い炎とも魔力の波動とも怨念ともいいがたい黒いものを出現させる魔法と同質のものだ。

さらに言えば、プロミネンスの魔法の後遺症でこの気配に敏感になった今のオレだからこそわかるが、これはダンジョンが常に微弱に発している気配と同じものであった。

奇妙である。

なぜ、地上の建物からダンジョンと同質の気配がするのか。

「おお! あの建物は何というのだ?」

オレは周囲を固める警備員に確認した。

「あれは映画館ですね。」

「映画館?? 何をするところか?」

「ええーっと。物語を動画で見るところです。」

ふーむ。その説明ではダンジョンは無関係そうだが。

この嫌な感じ、惹きつけられる感じはなんであろうか?


オレは勇を振るい、今の悪寒の現況となっているダンジョンの気配を発する映画館に近づいた。


「入っても良いか?」

オレは警備員に問う。

問われた警備員は判断に迷ったようで目を泳がせている。

むう、いかんな警備という戦闘職についていながらとっさの判断が出来ぬとは。

「地上」の戦闘職は全員が赤石殿のようではないようだ。


「はい、いいですよ。それなら今のおすすめはこれです!」

先程、焼きそばクレープを進めてくれた女性の警備員が割り込んで許可をくれた。

オレにはありがたかったが、この「地上」の警備員。すなわち「騎士」の指揮命令系統はどうなっているのであろう。他国のことながら心配になる。


女性警備員が進めてくれた物語は「忘れられない君へ」という恋愛ドラマであった。

大人気作品ではあったが偉丈夫たるものが見るべきものではないであろう。

「おお!」

我は興味をそそるタイトルを見つけた。

その映画とやらをみることにした。

タイトルは想像にお任せしよう。


---from aoi side---

赤石がドラウプニルを起動する。


「An armor changes Tor」の機械音が鳴り響く。


赤石の体が真紅の西洋甲冑のようなものに覆われる。

腰回りは大きなスカート装甲。肩の倍はある巨大な肩当に、膝から下もフレア装甲。右腕には二回りも大きな円筒形の腕あて。左手には腕には炎をデザインしたようなシールドが装着される。

「Completion! The Fighter ・RED」

機械音と共に赤石は真紅の重装戦士に変身する。


私もドラウプニルを起動する。

ドラウプニルから「An armor changes Wodan」の機械音が鳴り響く。

私の体が青い全身スーツにつつまれる。そしてマントのような青藍のパーカーとフレアスカート。鍔の広いとんがり帽子を被り。杖を持った。魔法使い然とした姿と変わる。

「Completion! The magicians・blue」

機械音と共に私は青を基調とした魔法使いに変身した。


山吹もドラウプニルを起動する。

山吹のドラウプニルから「An armor changes Frey」の機械音が鳴り響く。

山吹の体がド派手な黄色の全身スーツと軽鎧に覆われる。

フルマスクのようなヘルメットに頭部が全て隠される。腰に大剣、背にはマントを装備している。

「Completion! The Commander・yellow」

機械音と共に山吹は黄色を基調とした戦士に変身した。


変身後、攻めてきた帝国兵にとりあえずマジックミサイルを弾幕の様に撒いておく。

その間に赤石は突撃し、山吹は錬金とレーヴァティンの権能を組み合わせてバイク軍団構築に入る。


私達がいるのは石の国だ。


帝国兵が石の国奪還に動き攻めてきたという急報をメンドーサの雷獣経由でもらい。転移のスクロールで攻めてきた敵の真ん前に転移。

そのまま変身し戦闘に入る。


状況はメンドーサの雷獣経由で聞いている。


何だろう?

この石の国は帝国にとって重要な国のようだ。

青の国を取り戻したときは帝国も不意打ちを受けたようなもので、奪還準備ができなかったということは理解できるが、その隣の川の国を私たちが開放したときも帝国は奪還の動きはみせなかった。


ところが石の国は様相が違った。

まず入り口にゴーレム軍団を配備し守りを固めてきた。

これだけなら帝国占領以前の石の国の防衛システムの一つかとも考えられるが、そのほかにもドラゴンを配置し、他国では見せなかった奪還の動きをしている。

さらにその奪還のための帝国兵を率いてきたのが四天王副官ミスクロウと私達3人相手に互角以上の戦闘力を発揮した白い乗騎にまたがる白い騎士。白井だ。


宰相や最後の四天王デビルフィッシュはタイタンと対峙しているから石の国が独立したと聞いても動けない。次に戦力となる副官と私達と互角以上の戦いができる白井が率いてきたようだ。石の国奪還にむけての本気度がうかがえる。


ここまで執念を見せるこの国に何がある?

私達は早めにメンドーサの祖国、地の国に向かいたいというのに。


「・・・ゆけっ。」

ミスクロウは通常の帝国兵では私達の相手は難しいと見たか、手元に温存していた後詰の兵も早めに投入してきた。


「あれは、リザードマンか? ドラゴニュートか?」

いずれにせよ竜人と呼ばれる亜人だ。

鎧や武器を装備できる人型の竜と言い換えることもできる。


リザードマンならまだいいが、ドラゴニュートになるとドラゴンブレスも使ってくる。もちろん本家本元のドラゴンと違い人型サイズなのでドラゴンブレスもそれ相応のサイズだが・・・


ん?


ドラゴンブレス??



「赤石! あの竜人がリザードマンではなくドラゴニュートだったらドラゴンブレスを持ってる可能性があるぞ!」


この言葉を聞いた赤石は単騎敵陣に突っ込んだ。


---from aiaishi side---

「!」

アオイのアドバイスによれば後詰めの爬虫類の頭を持ち、剣や鎧をまとったモンスターのうちドラゴニュートというモンスターは『スキルドラゴンブレス』を持つらしい。

そのモンスターが敵として出現している。


好機!


ドラゴンブレスのスキルを我が手にする好機である。

我は眼前の帝国兵をアオイ、山吹に任せ突撃した。


最近になってようやく「スキル」の有用性を理解してきたのだが我のスキル「筋力増強Lv2」 「脚力LV9」を意識して使用すれば強化された足で敵陣を駆け抜けるという芸当も容易である。 


竜人の一体に肉薄する。

竜人が横なぎに剣を振るう。

ぬう。見事である。

袈裟斬りでくるなら、横にステップし延髄めがけてハイキックを狙おうと考えていたが横に剣を振るうとなるとそれもできぬ。

しかし

スキルで強化された脚力は人外の動きも可能としている。

水平に振るわれた剣を駆けた勢いを殺さず、最小の跳躍で飛び越え、跳躍したまま足を伸ばし顔面を蹴る。

敵の竜人はその蹴りの威力で倒れこむ。


我は空中でとび蹴り姿勢から、倒れる竜人の頭に膝を置く。

落下と同時に倒れる竜人の頭を我の膝と地面でサンドイッチし、たたきつける。


いわば手を添えぬリバース・カーフ・ブランディングである。

これもこのスキルあってこそである。

これで竜人の一体を倒したがスキルは獲得できなかかった。

アオイは竜人の中でもドラゴニュートだけがドラゴンブレスのスキルを所有していると言っていたから、この竜人はドラゴニュートではなかったのであろう。


我の耳に蹄の音が聞こえる。

「ぬう。」

我はサイドステップで横に大きく飛ぶ。


「斬魔剣っ!」

白い騎士-すなわち白井-が羊のような白い獣にのって我に肉薄しその大剣を振るっていた。

回避が間に合わねば真っ二つになっていた。

そう思わせるに十分な一撃である。


「ぬう。」

こやつは強敵である。

前回の戦でアオイの魔法は通じず、山吹もよいようにあしらわれた。

あの時は赤い巨人シアルフに同化していたためその一撃で撤退に追い込んだが、今、この場面でシアルフを呼ぶ隙はなさそうである。


「ふん。ゆくぞ赤石っ。」

白い騎士 白井が乗騎とともに我に突っ込んでくる。

「ぬう。」

両側からも竜人が我にむかって突きを繰り出す。

逃げる先は後ろか、それともスキルの組み合わせによる跳躍力を活かしての中空か


「ぬん。」

我はスキルを信頼して跳躍する。

「ふん。甘いぞ。宙に浮いては避けられまい。斬魔剣っ!」

白井が跳躍した我に剣を振るう。


我はスキル「幻獣の角」を発動。

このスキルは二段ジャンプを実現させることができるスキルだ。

このスキルで白井の剣を後方に躱す。


可能であればこの二段ジャンプで接近し蹴りを叩きこみたいところであったが、今回は回避を優先する。

白井の「斬魔剣」とやらが厄介だったからだ。

剣を振るうと衝撃波を生み出す。

この衝撃波。特段飛びはしないので遠距離攻撃ができるというわけではないが、白井自体を覆いかぶさる巨大な盾のように衝撃波の範囲が広く、下手に突撃すると衝撃波に巻き込まれる怖れがある。


それを回避するため後ろにとんだ。


もちろん、ただ回避だけする気はない。

スキル「幻獣の角」には副次作用がある。

ランスのような長大な角が額から生えるのだ。


その長大な角で斬魔剣を振り下ろした後の白井を襲う。


鎧に防がれたため貫くことはできなかった。

しかしながら角で突き出された衝撃を殺すことはできなかったようである。

白井は落馬。吹き飛ばされ地を転がる。


「ふん。やはり貴様は厄介だ。」

白井が地に付しながら何か言っているが、こちらはそれどころではない。


着地した側から竜人が襲ってくる。

変身後の我ならば1対1であれば遅れは取らぬが、多対一の場合、洞窟のモンスターや通常の帝国兵と違い厄介であると感じた。


竜人の実力を見誤ったか。

これほどの実力があるのであれば突出しすぎたかもしれぬ。


こういう時こそ慌ててはならぬ。

呼吸を整える。

目の前の一つ一つを処理する心構えが必要である。


竜人の剣が振るわれる。それを横に躱し、空いている顎に拳をめり込ませる。

すばやく離脱。再び襲ってくる別の竜人の剣を横に躱し膝を蹴り倒す。


「ぬ!」

多数の竜人の剣を躱しながら反撃を繰り返していると遠くにいる竜人の顎が開いた。

危険を感じ、回避運動を行う。

遠くにいる竜人の口から何かが射出された。


我の近くにいる竜人の顔が吹き飛んだ。

結果として同士討ちとなったが、これは竜人が悪いわけではない、我が射線に別の竜人を誘い込んだだのである。


それはともかく

あれはドラゴンブレスか!


サイズの違いかドラゴンの迫力はなかったものの竜人の頭を一撃で吹き飛ばす威力は本物である。


とするとあの竜人がドラゴンブレスのスキルを持つドラゴニュートの可能性がある。

うむ。リスクを背負う価値はある。

我は「筋力増強Lv2」「脚力LV9」のスキルを意識してドラゴニュートと思える竜人に向って突っ込む。

「ぬ。」

同時に我を取り囲もうとした竜人たちがマジックミサイルの弾幕。炎のライダーの突撃により倒れていく。

アオイと山吹が帝国兵を蹴散らしてきたようだ。


「ふん! お前らでは話にならん。」

体制を立て直した白井が再び騎乗し突撃を開始する。

突撃先は・・・アオイか!

「増長したか。話にならんかどうか体験してみなっ!」

そう言ってアオイは得意のマジックミサイルの弾幕を張るが・・・

「斬魔剣っ!」

白井の一振りでマジックミサイルの弾幕が消失した。

白井は魔法を斬る技を持つ。

魔法使いであるアオイにとって相性が悪い。

我は反転し急いで白井の後を追う。

「へぇ、それで私の魔法を防いだつもり? Aurr!」

アオイが魔法を唱える。

伊藤の周囲が泥と化し、乗騎がぬかるみに足をとられ転倒。白井も投げ出される。

「それで帝国四天王と戦うというのは話にならないね! bandingi! Dys!」

泥に足を取られた伊藤の上に周囲の土砂が収束後、落下。

伊藤を生き埋めにする。

「レッドっ!私は大丈夫! それより好機を逃すな!」

むう。確かに大丈夫そうである。

であればスキル「ドラゴンブレス」を狙うとしよう。


アオイを救出しようとして目的の竜人から少し距離ができた。

我は唯一の遠距離攻撃スキルを使用するために地にある小石を拾う。

そのまま「射出」から進化したスキル「レールガン」を発動。

ドラゴニュートを思われる竜人を狙う。

その竜人も口から再び何かが射出された。


我のレールガンと衝突。

爆音と衝撃波が周囲を襲う。


ぬう。我のレールガンは相殺されたようだ。

「・・・仕方ありません。Fimbul!Jǫtunn!Fimbul!draca!Fimbul!Óscópnir!sœkja!  fé!」

奥に控えていたミスクロウがスクロールを取り出し詠唱を唱える。


この呪文を受けてドラゴニュートと思われる竜人。そして乱戦を生き残っていた3体の竜人。合計4体の竜人が巨大化する。


一体は巨大なティラノサウルスの姿をしたモンスターに

一体は恐竜と鳥の中間のような白い羽毛をもった巨大モンスターに

一体は巨大な首長竜の姿をしたモンスターに


そして目当てのドラゴニュートと思われる竜人は巨大な亀とドラゴンを混ぜ合わせたようなモンスターとなった。


ぬう。まさか生き残った竜人全て、巨大ドラゴンが人化した姿であったとは、なんと理不尽な事かっ!


「来るがよい。我が眷属 シアルフ!」

急ぎ我が眷属を呼び出す。


我が足元に巨大な魔法陣が展開される。

その魔法陣からせりあげるのは30mもある巨大な真紅のフルアーマー

その巨大なフルアーマーと我は同化する。


見ると山吹も空飛ぶ船 スキーズを呼び出している。

アオイも機械仕掛けの鳥を召喚し、その背に搭乗している。


「スキーズ! 大砲の出番です!」

『イエス、マイマスター』

山吹が指示したスキーズの砲撃が4体のドラゴンめがけて斉射される。


怯む4体のドラゴンにアオイが畳みかける。

機械仕掛けの狼を呼び出し、咆哮による振動波で動きを止める。


我はその隙にスキル「レールガン」で首長竜の姿をしたドラゴンを仕留め、その勢いのまま接近。オーバーハンドパンチで白い羽毛を持ったドラゴンをどつく。

「QUGYAAAA!」

白い羽毛を持ったドラゴンは反撃とばかりに鋭い爪をもつ足で前蹴りを放つ。

我は十字受けの防御態勢で直撃を防いだものの、そのパワーで体が浮き上がる。


我が同化しているシアルフは20mの巨人である。

その巨人を浮かせるパワーに内心驚く。


そのまま噛みつこうとする白い羽毛を持ったドラゴンはスキーズの砲撃を頭に受けて倒れた。

これで2体撃破。


悪寒がし、見ると亀とドラゴンが混ざったような姿の巨大モンスターが大口を開けている。

ブレスか!

回避したいが一方からティラノサウルス型の巨大モンスターも顎を広げて襲い掛かってくる。


「おいで! フレキ!」

アオイは2体目の機械仕掛けの狼を召喚。

召喚された機械鋳掛の狼は無数の鎖を呼び出し操り亀とドラゴンが混ざったような姿の巨大モンスターの体と口を拘束する。ちょうどブレス発射のタイミングであったのだろう。

口を鎖で拘束されると同時に口が吹き飛んだ。口をふさがれたのでブレスが内部で爆発したのであろう。


さすがはアオイ! 見事な援護である。

我も負けられぬ。


迫るティラノサウルスの顎をラリアットで迎撃。

よし、カウンター気味に入った。

ティラノサウルスは一回転して地面に転がる。

「吐―っ!」

地に付したティラノサウルスの延髄に向けて拳を振り下ろし止めを刺す。

これで3体目。残るは顔が吹き飛んで瀕死びドラゴンのみ


我は大きく股を開き、肩から背中にかけて力を入れる。腰を捻転。腕が鞭のように広げる

「吐ーッ!」

捻転を戻すと同時に速射の掌底をドラゴンにむけてくりだす。

『Gungnir』

機械音と同時に我が掌底から繰り出される電撃。


瀕死のドラゴンに我の一撃を躱すすべはない。

そのまま直撃を受けて倒れた。


『LEVELUP!』


脳内に機械音が響き自動的に空間タッチパネルが開く。


―ステータス―――

名前:赤石剛

年齢:16

職業:高校生

LV:47⇒48

スキル:筋力増強Lv2⇒Lv3 脚力LV9 総合格闘Lv7⇒Lv8 幻獣の角 レールガン

装備:ドラウプニル(赤)ミョルニルハンマー ヤールングレイプス メギンギョルズ

眷属:シアルフ

――――――――


『スキル:射出を獲得しました。スキル射出はレールガンに統合されます。レールガンはレールガンM2に進化しました。』


・・・・むう?? スキル「射出」? ドラゴンブレスではないのか?


「赤石・・・今回の竜人はドラゴニュートではなかったようね。ドラゴンはドラゴンでもレッドドラゴンやアースドラゴン級ではなく前回戦ったワイアームやワイバーンクラスの亜竜が人化魔法で人間サイズになっただけのよう。」


「うむ。つまり?」


「ドラゴンブレスは持っていなかったってこと。」


「・・・何と理不尽な事か!」

我は天を仰いだ。


---from shirai side---

「・・・撤退します。」

オレを救出したミスクロウからそう告げられた。

状況を聞く。

亜竜を人化魔法で人間サイズ化した竜人どもは全滅したらしい。

まあ、オレも人のことは言えない。相性的に良いはずのMagicianタイプ相手に地に埋められて無力化させられている。

魔法を無効化する剣技「斬魔剣」があるから直接的な魔法は利かない。さらにオレの乗騎「白澤」はマジックバリアの魔法も使える。

Magicianタイプ相手には圧倒的に強い構成なのだが、まさか直接魔法をつかって攻撃するのではなく間接的に魔法を利用するとは・・・アオイとか言ったな。

確か元四天王だ。

帝都を落としたタイタンやミスクロウの上司のデビルフィッシュと同格ということか。

その意味を理解させられた。


フン、まあ良い。

石の国を再度帝国のものとするため事前調査したが、この商魂たくましい国は地上との取引を始める活動をスタートさせたらしい。

想定通りだ。

ここはミスクロウの提言通り撤退しよう。


---from Lionman side---

「なんだ、これは??」

映画館を出たオレは困惑している。


その映画にはオレが出演していた。

偉大なるタイタン様も偉大なるデビルフィッシュ様もいた。

そして地上を襲う怪人として。

そしてオレは地上を守るためにデビルフィッシュ様を結果的に裏切り・・・デビルフィッシュ様とともに現れた刺客に殺されるのだ。


死ぬのはまだよい。

オレは戦士だ。

最強を目指そうとしている戦士だ。


デビルフィッシュ様にもタイタン様にも、そして赤石殿とも戦いたいと考えている。

その生成同党戦いの末の死であるならば、まだよい。


しかし、映画とやらが報じた内容は違った。

戦う事も許されず、計略にはまり、魔術によって緩やかに弱体化されたあげくにまともに戦うこともできず、裏切り者としての不名誉な死を受けるのだ。


これは・・・受け入れがたいものがある。


物語と言って一蹴するのは簡単だが。

登場人物といいリアルすぎる。

予言の書かと思ったものだ。


オレの顔色が悪かったからであろう。


「気にすることないですよ。ただの物語ですので。」

と同行した警備員が言葉をくれた。


その気遣いありがたい。ありがたいが、オレにはどうしてもこの内容が物語とは思えん。

未来のことを予言した内容のように思えてしまう。

そうでなければおかしいのだ。

地上に姿を出しているタイタン様やヘドリア様は地上人にモチーフとして採用されたということで無理やり理解できるが、デビルフィッシュ様やミスクロウ殿が出演している時点でおかしいのだ。


仮に・・・仮にだ。

裏切り者としての不名誉な死を回避するためには、オレはどうしたらよいであろうか?


【次回予告】

レンジャーワンは戦う上で、一つの課題を抱えていた。

全く活かされていないものがあるのだ。


それを活かすために試行を開始する。

全てはリサ教授救出のために


次週、episode22 活かす

毎週 日曜日 9時30分 更新

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