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17/17

episode17 緑に覆われた川の国

スーパー戦隊が最終回を迎えました。

毎年放映しているのが当たり前だと思ってましたが終わってしまいました。

今までありがとうございます

---from akaishi side---


「ぬう。」

夕刻、リサ姉からSNSが届いた。


-----------------------------------------------------------------

大丈夫か? 無理してないか?

本当なら「早よ助けに来い」と言いたいところだが……こっちでミスをした。


ちょっと厄介な事態になっている。

だから今は絶対に助けに来るな。


下手に動くと、――お前ももう察しているだろうが――“守護者”と敵対する羽目になる。

心配はいらん。せいぜい焼き鳥とポテトサラダが食えないくらいの不便だけだ。


いいか、これは“フリ”じゃない。本気で言っている。絶対に来るなよ。

それと、もし分かればでいいんだが、この洞窟のどこかに“石碑が並んだ場所”があるはずだ。


それを見つけたら教えてくれ。

いいな、教えるだけでいい。決して来るな。

------------------------------------------------------------------


「むう。」

このリサ姉からのSNSを見で眉を顰める。


うむ、我が心が乱れておるな。

深呼吸して整理する。


・リサ姉は生きている

・そして今は助けに来ない方がよい

・姉は石碑の場所を探している


不思議な感覚に戸惑う。


リサ姉が言っている「今は助けに来ない方がよい」というのが何故か真実だと理解している我にに対してである。

「ぬう。」


普通は違うのではないか?

リサ姉を助けたければ我武者羅にその方向に進むのが心の在り方として通常ではないか?


しかしながら、我の心は逆にSNSの文面通りに今は助けに行かない方がリサ姉のためになる

と確信している。

何の根拠もないのにである。


我の、我自身の心の動きに戸惑う。


いずれにせよ。

リサ姉は石碑とやらをさがしているようだ。

そしてそれは現状打破に必要なのであろう。


ならば探すだけである。


どれだけこの洞窟内が広くともあろうとだ。


幸い、今の我々の動きは帝国から離脱した国を救う動きになっている。

今は、アオイの青の国。

次はメンドーサとヘドリアの地の国となるであろう。


このように洞窟内の国々を移動していれば見つかる可能性も出てくるであろう。


今は遠回りでよい。

必ずリサ姉をこのラビリンスから助け出す。


だからリサ姉よ。

焼き鳥とポテトサラダは少し我慢してくれ。


---from aoi side---


現在、メンドーサの故国を帝国から開放するために地の国に向かっている。

開放というのはちょっと大げさかな?


地の国は四天王ヘドリアのいた国

ヘドリアは別にアホ兄ブルーフェイスのように帝国を裏切ってはいない。

だから地の国は青の国のように帝国の被害にあっていない・・・と思いたいが、楽観視し過ぎか?

いずれにせよ、メンドーサの国だ。

行かないわけにはいかないよね。


私の国だけ帝国の支配から抜けました。

後は知らんということにはならんでしょう。


ここでアタシは赤石を見る。


彼の目的はリサ教授の救出

だとすると地の国へ向かうのは目的から外れている。


それなのに素直に地の国へ私たちと共にむかっている。

彼は今、何を考えてるのだろうか?


「二手に分かれる?」

赤石の反応を見たくてこんな提案をしてみた。


赤石は黙って私を見る。


「アンタの目的はリサ教授の救出でしょ? 地底の都合に合わせる必要はない。」

私がこう告げると、珍しく赤石は大きく目を見開き


「アオイは優しいのだな。」

と返した。

今度は私が大きく目を開いて驚く番だった。


なんということでしょう!

この朴念仁から他人をいたわる言葉が出てくるとは!


『惚れた? 惚れました?』

カグヤが野次馬よろしくいらんツッコミをいれてくる

うっさい。ダマレ カグヤ。


「心配無用だ。実は姉からSNSがきている。」


「「え!」」

私と山吹は一斉に身を乗り出す。


「つまり、リサ姉は無事という事だ。」


「だからって後回しにしてもいいわけじゃないよねっ!」

アタシは思わず反撃した。

してしまった。


だってこの目の前の朴念仁がどれだけリサ教授を思っているか、知ってしまっているから。


その朴念仁がすっとスマホを見せた。

そこにはリサ教授からのSNSが映し出されていた。


「うーん。この文面からだとよくわかりませんが、りさ教授は無事で「石碑」というものを探しているようですね。そして、それがりさ教授の今の窮状を救う可能性があるとみているということでしょうか?」

山吹が眉を顰める。


そう、この文面は曖昧過ぎるのだ。

山吹が言う「石碑」を探しているとしかわからない。


「うむ、我はリサ姉のことを信じている。で、あれば山吹の言う通り、リサ姉が探しているという石碑とやらを探そうと考えている。」


なるほど、赤石であればそういう思考になるわな。


「そのためには様々な国へ行き手掛かりを探したいと考えている。」


「たしかに今は手掛かりがありませんからね。だから地の国に行くのも赤石クンの目的から外れていないと言いたいわけですね。」

山吹が赤石のいうことに補足を付け足す。

相変わらず頭の回転が速いな。

赤石が同意を示すように顎を引く。


「だからアオイよ。」


赤石がアタシの方をむいた。


「そのような気遣いは無用である。」


「・・・・・。安心した。」


「む?」


「アンタがいつものアンタで。」

そう赤石、アンタは行動原理がリサ教授第一の思考じゃなきゃ調子が狂うんだ。


---from yamabuki side---


なるほど。

率直に言って地底国家の規模は僕たちの感覚では町村程度です。

戦国時代のように敵国が攻めてきたら為す術がない。独立していくのは難しいのではないかと思ってましたが、独立していけた理由がわかりました。


移動するのがものすごく不便なのです。


国と国との間の移動は洞窟の通路なのです。

今、僕達は青の国から地の国に移動していますが、直通の通路があるわけではないようです。アオイちゃんが言うには途中、2国を経由しなければならないそうです。


しかもその通路にはモンスターが生息しています。

さらに洞窟内は狭く軍隊が移動するには不向きです。


となるとほぼ、国家間は自然と没干渉となるわけです。

アオイちゃんに聞くとせいぜい、護衛に守られた旅商人が行き来するぐらいだとかいう話しです。

このような環境だと、帝国の様な特異な例が出現しない限り、国家は小規模でも独立を確保できるわけです。


なるほどと思いながら洞窟内を進みます。


メンバーは赤石クン、アオイちゃん。ライオンマンさん。メンドーサさん。に僕です。


道中、モンスターは出てきますが

事前にメンドーサさんの使役する雷獣に察知され、アオイちゃん魔法で先制攻撃。

これで大抵片付きます。


アオイちゃんの魔法をかいくぐって、あるいは耐えきって、こちらに向かってきた猛者はライオンマンさんが対応します。


あ 今も2mもあろうかと思われるオーガがライオンマンさんの投げっぱなしダブルアームスープレックスの餌食になって飛んでいきました。


赤石クンの出番はありません。


もちろん僕の出番は皆無です。


ちょっと思考の時間が出来てしまったからかもしれませんが、ここで一つ気づいたことがあります。

レベルがしばらく上がっていないのです。

アオイちゃんがLV61

赤石クンがLV44

僕がLV49

でしばらく止まってます。


原因はわかってます。


レベルが上がりそうな強敵にはヴァン・アースの状態での一撃必殺を狙います。

しかし、ヴァン・アース状態には致命的な弱点があります。

裏技的な方法のためかレベルもスキルも増えないのです。


かといってタイタンのような四天王クラスと互角以上に戦ってきた僕達にとって道中のモンスターは弱すぎました。

レベルアップに至るような相手ではないのです。


困りました。


このままの流れで帝国に下った国々を開放していけば帝国とまた戦うことになるでしょう。

その時に勝てるか?といったら難しいと思われます。

少なくともレッドドラゴンをヴァン・アース状態にならずとも倒せるくらいのレベルは欲しいところです。


また、リサ教授を救うにしても、あの守護者をなんとかしないといけないようです。

と考えると同じように今のレベルでは厳しいでしょう。


なんとか実力を上げる方法を考えなくてはいけません。


あ、またアオイちゃんの魔法をかいくぐって、人間大の猿のような魔物が襲ってきましたがライオンマンさんに投げ捨てられて吹き飛んでいきました。


これでもレベルはあがりません。

あのレベルのモンスターでは、もう上がらないということなのでしょう。


かといって今の状態では帝国や守護者どころかドラゴンを駆るタイタン達にも苦戦するのは目に見えてます。


打開策を探しながらの道中になりそうです。

次の国にヒントがあればよいのですが。


---from aoi side---

「ぬう。」

赤石が刮目という表現がぴったりな顔をしている。

驚いてる驚いてる。


私はニシシと笑う。

この朴念仁。言葉数はすくないけど意外と表情豊かなんだよね。


彼が驚いているのは今、私達が到着した川の国の風景。

河川が迷路のように入り乱れて、国土は中洲のみという国。

堤防代わりに緩やかな法面でその国土が守られている。


それが川の国。

地底にこのような場所があるとは思うまい。


それにしても・・・

実は私も驚いている。


というのは私の記憶にある川の国とは様相が違っていた。


木々に覆われているんだ。


私の記憶にある川の国にはこのような森のような風景はなかったと思うが・・・


「えっ、えっ、えーっと。これも先程の青の国でお会いした。帝国の女性の仕業でしょうか?」

メンドーサが遠慮がちに意見を述べた。


帝国の女性。

カグヤ情報だとホノカとかいうマッドサイエンティストだ。


メンドーサも川の国の元の姿を知っている。

この緑に覆われた状態に私と同じく違和感を感じたわけだ。


そして・・・国を丸ごと変化させた現象を私たちは既に知っている

私の国・・青の国でだ。

私の国は国を覆うほどの巨大スライムでヘドロの国にされた。

汚ったなかったなー。


それを実行したのがホノカ。

だからメンドーサはこの怪現象もホノカの仕業ではと推測したわけだ。


んー。でもなー。

仮に急に森ができたのがホノカの所為として、青の国はヘドロで、川の国は森って随分、扱いが違うじゃない?

差別だ。差別。


まあ、文句はあるけどとりあえず、あのマッドなホノカが仮に作った森なら・・


「目の前の森も普通の樹じゃないと考えたほうがよいか。」

私はメンドーサの問いに答える。


「どういうことですか? アオイちゃん。」

山吹が質問してきた。

そうか、赤石と山吹はこの川の国の元の姿を知らないか。


「この川の国にあんなに樹木はなかった。つまり何者かの手によってこの国の姿を変えられたという可能性がある。青の国ようにね。そう考えて行動するのが安全って事。」


「なるほど。あの時はヘドロに見えたのが実はスライムでした。ということはあの木々もモンスターの可能性がありますね。ちょっと試してみます。」


そう言って山吹は金色のド派手な戦士に変身する。


その後、スキル「錬金」でバイクを生み出した。

なんでこいつが錬金でつくりだすのはバイクなんだろう?

たしかに移動にも使えるので剣よりは汎用性が高いがけどさ。


「錬金からの・・・炎!」

と言って山吹は手持ちの魔法剣から炎を出現させた。

その炎は人の形をしていた。


その人の形をした炎はバイクにまたがって、近くにある樹木にむかって疾走した。


「仮に木のモンスターであれば火に弱いかと思いまして。ただ、僕には炎を遠距離で飛ばす方法がないのでこのような方法をとらせていただきますね。」


・・・ヒト型の炎といい。バイク(錬金)といい。こいつスキル使いこなしてやがる。


炎の人を乗せたバイクは一番近い樹木に衝突する。


「GYAAAAAA!」

樹木は悲鳴を上げてもんどりうった。

同時に周囲の樹木が動き出す。


「ええっ!もしかしてこの木。全部モンスターですか!」

山吹は驚きの声を上げる。


アタシもある程度、想定してはいたが驚いた。

この国を覆う森すべてがモンスターとは。


どうする?


一体を倒すのはおそらく容易だ。

目の前に見える範囲でもヴァン・アースの権能で薙ぎ払えるだろう。


でも、それでも一部に過ぎない。


全てを一度には一掃できないだろう。

青の国の時のようにモンスターが一か所に集まらない限り。


「うむ。覚悟を決めようか。」

「おお! そうだな。一体一体倒せばよい。」

赤石とライオンマンの格闘バカふたりは総当たりする気らしい。


それしかないか。

幸い、ここは国の入り口。ダンジョンの出口。

スタミナ切れになったらダンジョンに逃げ込めば包囲されることはない。


「そうね。覚悟をきめるわ。」

私も頷く。


「では、最初は僕からやらせてください。」

山吹が立候補する。


山吹はスキルを発動する。

バイクにまたがる人型の炎の一団がずらりと現れた。

空飛ぶ船スキーズも出現し砲身を木のモンスターにむける。


「お願いします!」

山吹の合図とともに炎のバイク軍団が突撃を開始。

同時にスキーズの砲撃も開始された。


蠢く木型のモンスターは反撃することなく一方的に攻撃を受け、吹き飛んでいる。


なるほど山吹は赤石のような一対一の戦よりも、このような集団戦にむいているなー。

軍隊がいるようなもんだ。


「スキーズ! 大砲の出番です!」

『イエス、マイマスター』


山吹が空飛ぶ船に指示を飛ばします。


スキーズの大砲やバイクの一団がッコもうとしたとき

「ま、ま、待でや! あの木を攻撃すんなぁ!」

という声が聞こえました。


その声の方を見ると奇妙な生物の一団がいた。

人間は人間なのだが、いたるところに葉や花が生えている。半人半植物という風体で、見方によっては植物のゾンビに見えなくもない。


「あ、あ、あ、あれはゴセイ様」

メンドーサが知り合いを見つけたのか駆け出す。


するとゴセイ様と呼ばれた半人半植物のゾンビのような男も、気づいたらしく!

「おめぇ メンドーサか! 良かったっ生きてたのか! って良くねぇ。こっちに近づくなっ。あぶねぇ。くるなぁ。」


・・・・ん?

知り合い?

で、再開を喜んでる。

でも近づくな?

近づくな?

危ない?


危ない??


一瞬のことだった。


メンドーサの知り合いと思われるゴセイとかいう男の植物の部分から種のような。

胞子のようなものが飛び出した。


それに触れたメンドーサは、樹木になった。



---from yamabuki side---


「あっ・・・はぁ・・・あっ・・・あああああっ!」

メンドーサさんの悲鳴が響きます。


メンドーサさんの足から多数の根が生えてきて地面に、文字通りに根を張ります


メンドーサさんの髪にピンクの花が咲き乱れます。


メンドーサさんの腕から 体から無数の枝葉が生えてきました。


メンドーサさんの眼から一筋の雫が落ちます。

メンドーサさんは、モザイクのような形で半分体を残したまま樹木になってしまいました。


「ぬう。貴様ぁ!」

「おおっ!」

赤石くんとライオンマンさんがゴセイと呼ばれた男の一団を敵と認識したのでしょう。

臨戦態勢にはいります。


これはいけません。

「駄目だ!」「だめです!」

アオイちゃんと僕が同時に叫びます。


だめです。だめなんです。

メンドーサさんは近づいただけで樹木にされました。


「近づいてはいけません!」

僕は二人の前に立ち、レーヴァティンから炎を生み出し、炎の壁を作ります。

相手は樹木のモンスター。炎は苦手なはずです。


「メンドーサぁ ゴメンなぁ。注意が遅かったかぁ。」

ゴセイ様と呼ばれた男は、樹木になったメンドーサをいたわるように撫でます。

わずかに残るメンドーサの瞳から再び一筋の雫が落ちます。


ゴセイはひとしきりメンドーサをいたわった後、俺たちの方に向き直りました。

「おめらのおらに近づかない判断は正しい。 今のおらに近づくと全部、木になるだ。おらの意思に関係なくな。改めて言う。近づくな。」


「ぬう。」

難しい顔をする赤石。


赤石の言いたいことを代弁するかのようにアオイちゃんが口を開いた。

「その木にする能力。アンタでは制御できないの?」


「んだ。おらではどうにもなんねぇ。」


「解除もできない?」


「ああ、おらは歩く厄災になってしまっただ。」


「歩く厄災?」


「んだ。この国の森をみたか。」


「ええ。」


「あれは元々はこの川の国の国民だ。」


あの動く木のモンスター。あれすべてが国民??


「だから止めた。この国の国民を傷つけてほしくなかったし、アンタらも木にされるからな。」


「僕達が木にされるとはどういうことですか? まさかあの木にあなたと同じように、近づくものを木に変える能力があるとでもいうのですか。」

僕は慌てて話に割り込む。


もしそうであれば大変です。

大変ですが。

仮に国民全員がそうなったのだとしたら・・・

その可能性を否定できません。


「んだ。そのとおりだ。」

ゴセイはゆっくりと、しかし明確に顎をひきました。


僕はショックを覚えます。

例えば誰か一人が木になってしまったとしましょう。

その木は、近づくものを胞子のようなもので木に変えます。

そして木に変えられた人はまた近くにいるものを木に変えます。


・・・パンデミックです


この国の国民すべてが木になるものあっという間だったのでしょう。

「・・・それでアンタはどうして、その姿に変わっても元々の自我を持っているの?」


「おら達にもわからねぇ。ただ、共通点はわかっている。」


「共通点?」


「んだ。おら達は地の国のものだ。帝都崩壊を受けてレジスタンスを率いて祖国解放にむかった。地の国を開放し、ついでにその隣の石の国を開放し、その隣の川の国へきた。その時期が悪かった。帝国のモンスターの攻撃を受けて川の国の民が樹木に次々に変えられていっているところだった。」


「その帝国のモンスターにそのような姿に変えられたと。」


「んだ。理解が早くてたすかるわ。たんだ、おら達、地の国の人間は川の国の人間と違って完全には木にならなかっただ。」


「それが共通点・・・?」


「んだ。そのモンスターと一緒にいた帝国の女がその時に言ってたが、川の国用に調整してたらしい。んで、地の国の我々には中途半端な感じでしか効果が発揮できなかったといってた。」


「それで半分植物にされながら、そのように活動できる。・・・と?」


アオイちゃんはここで思案しました。

同じ人で効果が違うということがありえるのでしょうか?


それとも地底の人は、見た目は同じ人型ですが、別グループとでも言うように違う生き物なのでしょうか?

今の話を聞くとそんなことを考えてしまいます。

川の国の人と地の国の人。何がちがうのでしょう?

さらに言えば同じ地の国出身であるはずのメンドーサさんが木にされてしまいました。

動けるゴセイさんと動けなくなったメンドーサさんとで何が違うのでしょう?


「その帝国のモンスターは今どこにいる? この国の住人を木に変えた後、去ったのか?」

アオイちゃんが思案顔のまま質問を重ねます。

「・・・そこだべ。」

ゴセイが指さしたのはこの国の王城ではないかと推測される場所です

そこには城を丸ごと浸食した大木がありました。

その大きさは眼科の城下町の空を樹冠で覆うほどです。


「・・・ん? 魔力を感じる。・・・leið tíðindi」

アオイちゃんが手を突き出し掌を広げ呪文を唱えました。

一瞬、魔法陣のようなものが顕れたかと思うと光り、小さな鳥になって消えました。


「・・・なるほど。ねぇ赤石。アンタ一人でヴァン・アースの権能であの巨大な樹木のモンスターをやれる?」


---from aoi side---


「ねぇ赤石。アンタ一人でヴァン・アースの権能であの巨大な樹木のモンスターをやれる?」

私の問いに目を見開き、こちらを見る赤石。


驚いてる。驚いてる。


最近、この寡黙な男が意外と表情豊かなのに気づいた。

ちょっと面白い。

寡黙なんだけど、ポーカーフェイスはむかないみたいな奇妙な感じ。


『はぁ。このお姫様ときたら・・・悪趣味ですわよ。』

「うっさい。カグヤ黙れ。」

『はいはい。それよりも彼、困ってますわよ。』

「ん?」

見ると確かに困っている。

一見、厳つい表情が変わらないように見えるけど、私にはわかる。


あれれ?? 何で困ってるんだろう?

前に確か一人でヴァンアース状態になって戦ってたと思ってたけど??

それともヴァン・アース使用の目的がわからない? 説明を端折り過ぎたか?


「あの帝国からきて川の国の国民を木に変えたモンスターは城に根を張り陣取っている。あそこにたどり着くためには木にされた国民の森を突破しなければならない。そうなると木にされた国民を山吹のバイク&炎で燃やすか、または接近戦で倒す必要がある。いずれにせよ川の国の国民を倒すという選択肢はとれない。ましてやこちらが接近戦の間に木にされたっていう結末はさすがに笑えない。」

「うむ。そのためのヴァン・アースだな。」

「そう、まずは超遠距離砲であの帝国のモンスターを倒す。できるでしょ。」

「うむ。・・・いつもどおり3人の力を合わせれば可能ではある。」


???  3人? あれ?


「初めてヴァン・アース状態になったとき・・・・。あのレッドドラゴン戦でアタシと山吹が戦線離脱したとき、一人でヴァン・アース状態になってレッドドラゴンを倒したって聞いてたけど??」


「・・・それは勘違いである。あの時も3人の力を合わせていた。」

「3人? 誰さ? あんときは情けないことに私も山吹も戦線離脱していた。アンタ一人だったはずだ。」

「ふむ。誤解があるな。」

「誤解?」

「我一人ではない。全体の制御演算はスキーズ殿。そして・・・カグヤ殿という方が魔力統合してくれた結果である。決して我一人のの力ではない。」


え! えっ?


カグヤ?? なんでそこでカグヤの名前が出てくるの?

「っていうかカグヤあんた。赤石の前に出ることできたの!」

『そういえば、一度、赤石様にご挨拶させていただきましたわね。』

「なにそれ! アンタ。私に倒されて、私のスキルになってるんじゃないの?」

『ええ、そのようですね。』

「スキルになってもカグヤ自身の意識があるってことに驚きなのに、実体化もできるってことっ??」

『実体化ではないですわね。あの時、アンタはレッドドラゴンの攻撃を受けて意識を失っていましたわ。その時にちょっと体をお借りしただけですわ。』

「ちょ、ちょっと待って。アンタ。私が意識が無いときに私の体を自由にできるってこと?」

『あら。それは考えたことなかったですわ。今度、アンタが寝ているときに試してみようかしら。』

「なっ!」

『と、まあ。お姫様をからかうのはここまでにしまして、あの赤き竜との戦いの時には確かに赤石様にお力をお貸ししましたわ。あの三神の力を一人で制御は、いくら赤石様でも大変だと思いますわ。』

「うーん。じゃあ、この作戦はできないか・・・。どうしようか。」

『お待ちなさいな。せっかちなお姫様。』

「あんだって?」

『私にかみつくのは後にしていただけます? それよりもアンタの作戦では赤石様が一人でヴァンアースによる遠距離攻撃を行うのが前提ということでよろしかったかしら。』

「そうね。それができれば安全。」

『つまりはアンタと山吹様が自由に動けるようにしておきたい。そういうことでよろしかったでしょうか?』

「そういう察しの良いところは昔から助かる。」

『で、あれば簡単な事ですわ。』

「え?」


---from akaishi side---


「ぬう。」

我はアオイの提案に逡巡する。

アオイは我に一人でヴァン・アース状態となりあの城に根を張る巨木のモンスターを倒してくれと要求している。


おそらくだが、手分けしなければならぬ何かがあるのであろう。

そのためにはアオイと山吹が通常どおりヴァン・アースの制御に加わるのはまずいと判断してのことであろう。


我はアオイの知恵には信頼を置いている。

だからこそアオイの要望を叶えたいところではあるが・・・


正直、あのヴァン・アースの力の奔流の中、制御なしに技に集中することは我には到底かなわぬ。


む。

突如「An armor changes Wodan」の機械音が鳴り響く。


アオイのからだが青い全身スーツにつつまれる。そしてマントのような青藍のパーカーとフレアスカート。鍔の広いとんがり帽子を被り。杖を持った。魔法使い然とした姿と変わる。


「Completion! The magicians・blue」

変身完了の音声がなる。


変身と同時にアオイは5体の機械獣を呼び出した。

「ぬ。」

そのうちの一体。

機会仕掛けの馬のフォルムが変わっている。

大きな翼を背負っていた。

我はアオイの呼び出す機械獣をじっくり見たことはないが、それでもあのような翼はなかったはずである。


『お久しぶりです。赤石様。』

「ぬう。その声はカグヤ殿か。」

『あら、一度きりの逢瀬でしたのに覚えていらっしゃるのですか。嬉しいですわ。』

「当然だ。命の恩人である。」

『それは、大げさですわ。私にも利があったからこそ手を組んだだけですのに。それよりも赤石様。そこの小娘に無理難題を要求されてさぞお困りでしょう。』

「・・・。」

これはどう返事したものか。正直返答に困る。

何故かは分らぬアオイはカグヤ顕現後、機嫌が悪い。

正直、モンスター相手よりも困る、問答である


『そこでまた、わたくしがあの時と同じようにお力添えをと思いまして・・・ご迷惑でしたかしら?』

「いや、助かる。しかしどうやって?」

『前回はあの小娘の体をお借りしましたが、今回はこの仔馬の体をお借りしたいと思います。』

「仔馬・・・。」

巨大な機械獣を見て仔馬という言葉は我には出にくいが、カグヤとやらからすると仔馬扱いらしい。そしてカグヤの言う仔馬の姿が変わったのも、その影響なのだろうか?

その質問をカグヤにぶつけてみると。

『ええ、アタクシにふさわしい姿になっていただきました。』

との回答。


ふむ。

なんというか。

カグヤ殿がどれほどの方はいまだ判別つかぬが。

カグヤ殿の都合で姿を変えられるとは、機械獣の身からするとなんと理不尽なことかと思わざるを得ない。


『スキーズ。これで赤石様一人でもやれますわよね。』

『イエス。』

カグヤが空飛ぶ魔法の船スキーズに呼びかけ、スキーズが応と答える。

ふむ。

スキーズとカグヤ殿のサポートがあるのらば我は技だけに集中できる。

やれる算段はついた。

メンドーサ殿も気になる。早めに勝負をつけねばなるまい。

覚悟を決めよう。


頭の中に入っている情報に従いガンドレッドを慣れぬ手つきで操作する。

「An armor changes Tor」の機械音が鳴り響く。


我の体が派手な真紅の西洋甲冑のようなものに覆われる。

腰回りは大きなスカート装甲。

肩の倍はある巨大な肩当に、膝から下もフレア装甲。右腕には二回りも大きな円筒形の腕あて。左手には腕には炎をデザインしたようなシールドが装着される。


「Completion! The Fighter ・RED」

我は機械音と共に真紅の重装戦士に変身した。


「来い! 我が眷属。シアルフ!」

同時に深紅の巨人シアルフを喚ぶ


我が足元に巨大な魔法陣が展開される。

その魔法陣からせりあげるのは30mもある巨大な真紅のフルアーマー

その巨大なフルアーマーと我は同化した。


『さあ、お姫様。おぜん立ては整いましたわ。あとはあなたの必勝の策通りに。戦術姫。』

天馬姿のカグヤ殿がアオイに発破をかける

「ふん。今回は素直に礼をいうわ。」

『あら、礼を言われるなんて、今度は毎回出てみようかしら。』

コロコロ笑うカグヤ殿に対して、中指を立て応じるアオイ。

この二人はどのような関係なのであろう?

元は同じ体のようだが??

まあ、よい。

我は我の成すべきことをやるだけだ。

木にされたメンドーサ殿を救うためにも


標的をとらえた我にスキーズが今後の流れを説明する。

『力を合わせる制御はこちらで行います。レッド様は攻撃をあてることに集中ください。』

「心得た!」


大きく股を開き、肩から背中にかけて力を入れる。腰を捻転。腕が鞭のように広げる。


『収束』

スキーズが機械音を発するとスキーズが発光。

ブルーの眷属である機械仕掛けの鳥2体。機械仕掛けの狼2体 そしてカグヤが憑依している機械仕掛けの騎馬1体が同時に発光する。


発光した6体が我の体に文字通り収束する。

シアルフの力をかりて巨大化した我の体が、さらなる力に覆われる。

力が増すのを感じる。我が体を一瞬で破壊するくらいの力を


『ヴァン・アース権能収束・発射準備

セイズ解放。 ガント充填、三神解除。標的レッドドラゴン。

ガンド充填300% 対反動制御オールクリア。ヴァン・アース権能発射準備クリア』


スキーズが言葉通り制御をおこなっているのであろう。

アナウンスが流れる。


「吐ーッ!」

捻転を戻すと同時に速射の掌底を川の国の城に根を張る帝国のモンスターにむけてくりだす。

『Gungnir』

機械音と同時に我が掌底から繰り出される力の奔流。


川の国に根を張る帝国のモンスターは我が力の奔流に飲み込まれ断末魔の咆哮とともに消滅した。


『スキル:呪いの種子を獲得しました。』

『アテンション:呪いの種子は予期せぬ戦闘手段により獲得したためエラーが発生しました。スキル獲得は無効です。』


スキルは取得できなかったが、これはすでに分かっていたこと。ヴァン・アースの状態で敵を倒してもスキルは増えぬ。


さて我は無事役目を果たせたようだ。


アオイは目的があって我を一人でヴァン・アース状態にさせたはずである。

その目的は達成されたであろうか?


---from yamabuki side---


「イエロー! バイク部隊をあそこに突撃させて!」

「! はい!」

アオイちゃんの指示にしたがい、速やかにスキル「錬金」とレーヴァティンの炎でつくった暴走族にしかみえないバイク部隊を突撃させる。


それからアオイちゃんの元へ駆け寄る。

「そろそろこの作戦の意図教えてくださいよ。参謀長」

とおどけた。

「あれ? 理由分ってなかったの?」

「? もちろんです!」

「いや、理由分ってなかったのにバイク部隊をあそこにツッコませたの?」

アオイちゃんは指をさしました。

そこにはバイク部隊に突っ込まれ、炎のライダーに体を燃やされて断末魔の悲鳴をあげるゴセイ達、地の国の部隊がいました。

それを横にみながら僕はニッコリ笑い

「それはもう。アオイちゃんを信頼してますから。」

と言いいました。

「いい性格してるわ。」

アオイちゃんは苦笑いしている。

僕自身もそう思ったので笑いでかえしておきます。

なにしろ理由もわからず味方かもしれない相手を攻撃したのですから。

「それはそうとして理由を教えてくださいよ。あの手をかざした魔法が何か干渉してるんですよね。」

「察しがいいわね。あれは探し物をを調べる魔法を使ったの。探し物を調べるのは魔術の初歩。簡単に探し物は分った。」

「へー。便利ですね。何を探したんです?」

「あの木になる原因。病原菌? 寄生? 魔法? 呪い? それが気になった。」

「それで分かったのですか?」

「あたりまえじゃない。私を誰だと思ってんのよ。」

アオイちゃんは胸を逸らし、咳ばらいをしてから言葉をつづける

「僅かながらこの現象に魔力を感じた。となれば病原菌。寄生の可能性は消えた。この場合は魔力を必要としないし、メンドーサのように急激な変化はない。よかったよパンデミックじゃなくて。」

「となると魔法と呪い?ですか? この二つは違うのですね。」

「線引きは難しいけどね。例えばこの現象をつくる魔法ならいくつかある。姿を変える魔法が代表かな。アヒルになーれ。みたいな魔法。他には幻視の魔法もある。実際には姿は変わっていないけどそのように見える魔法。」

「それで、どうしでした?」

「違った。探し物が見つかったんだ。」

「それはなんですか?」

「呪物。人を呪う時に使うアイテム。それが見つかった。」

「うわーっ。」

人を呪うアイテムとは物騒ですね。

いわゆる藁人形とかそんな類のものでしょうか?

「それがあのモンスターですか?」

僕は赤石クンが標的にしたお城に根を張る巨大な樹木のモンスターを指さした。

「いや、調べたらちょっと違ってた。あれはどちらかと言えば呪いを国中に拡散させるための触媒みたいなもん。だから巨大である必要があったし、国の中心にある必要がある。」

うーん。ネットの中継器やブースターみたいなものでしょうか?

「では、呪いそのものを発生させている・・・その呪物とやらは別にあるということですね。」

「お! さすがイエロー。理解が早い! それがアイツらさ。」


アオイちゃんは地の国から来たというゴセイさん達を指さす。


「そう、あの地の国の兵やゴセイに化けていた奴らが呪物であり、あの川の国の城に根を張った巨大植物モンスターの正体。カグヤ! 正体を暴きな。」


『やれやれ、人使いの荒いお姫様です事。それにお姫様がその口調。はしたないですわ。』

先程、ヴァン・アース状態になっていた機械仕掛けの天馬が飽きれた口調でアオイちゃんへ軽く抗議する。

この人って僕がスキーズで吹き飛ばした人だよね。なんで意識だけで生きてるんだろう?

「うっさい。早くヤって。」

その僕の思案にかまわず、アオイちゃんがカグヤを催促する。

『しょうがないですわね。』

そういうと機械仕掛けの天馬から魔法の蝶の大群がカーテンの様に広がった。

アンチマジックスキル「胡蝶の舞」ですね。


その蝶の大軍を浴びた自称ゴセイ率いる地の国の兵たちは、魔法が解けたのか正体を現した。

つまり、ただの樹木のモンスターになった。


そしてその樹木のモンスターは僕の作りだした炎のライダーに飲み込まれて炭となり倒された。


「あ、あ、ああああっー。.も、も、元に戻った。」

メンドーサさんの姿が元に戻ってます。

呪物である自称ゴセイを名乗った樹木のモンスターが倒されて呪いが解けたのでしょう。

急に戻ったためバランスを崩しそうになりましたがライオンマンさんがやさしくキャッチしました。

ライオンマンさん顔は怖くて裸の変態ですが紳士です。


振り向くと木にされた川の国の国民でしょうか?

次々に木が人に戻り、喜びの歓声をあげています。


「そ・れ・よ・り・も。山吹、アンタ、私より先にゴセイの正体知ってたはずよね。」

「え? なんでそう思うのですか?」

「アンタ、他人のステータス見れるよね。」

「ああ、そのことですか。見れますよ。」


確かにステータスにはこのように書かれていた。


―ステータス―――

名前:ゴセイ(偽)

年齢:16

職業: ERROR-レジストされました-

LV:19

スキル:ERROR-レジストされました-

装備:皮の鎧 銅の剣

――――――――


「いやあ。ステータスだと名前は分ってもモンスターかどうかまでわからないんです。」

「そういうこと。私はわかっていて攻撃したのだと思ってたわ。」

「いやあ、どうでしょう。たとえモンスターだと分かったとしても、僕だけでは判断難しかったですよ。メンドーサさんが知り合いに会えたって雰囲気出してましたから、僕は地底の文化わからないですからね。モンスターの知り合いもいるかもしれないですし。」

「そんなわけあるかい。」

アオイちゃんからツッコミ受けました。

えー、だって帝国のみなさんもレッドドラゴンとか普通に騎乗してたじゃないですか。

なんか理不尽です。


それにしても・・・

「ただの樹木のモンスターが化けたにしては演技がうますぎるように感じましたが。メンドーサさんのことも知っていたようですし。」

「そこにいやらしいカラクリがあるんだろうさ。少なくとも地の国のゴセイは敵の手に落ちて記憶やら、なにやらを盗まれている状態らしい。」

アオイちゃんは口をへの字に曲げて難しい顔をした後、逆にニカッと笑い、

「まあ、それでも川の国の人やメンドーサは救えたし、このやっかいな呪いを仕掛けた奴には相応の報いがいってるだろうし、まあ結果オーラーでいんじゃね?」

と言いました。


「相応の報い?ですか?」

「そう、呪いの厄介なところは、呪いが破られると呪った本人に呪いがいっちゃうのさ。今頃、木になってたりしてね。」


---from Miscrow side--


「GAAAAAAAっつ! こっ、このアタシがっ こ、こんなことでっ!」

ホノカの体から無数の枝葉が生えてきていた。

やがて、ホノカは木と化した。


「・・・彼女はここまでのようですね。」

私はその様子を見てつぶやく。

なかなか、私たちでは思いもよらない奇策を考えてくれる貴重な人材ではあるがしかたがない。

「ふん。それはいいが、この研究材料がこのまま放置されるのはもったいないな。」

私の隣にいるメガネをかけた細マッチョな男性がつぶやく。

彼の目の前には木となったホノカと研究材料になった男たちがそれぞれのカプセルにいれられていた。

その中には地の国の将軍であり、四天王ヘドリアの弟、ゴセイや地上の外交官 ゴトウといった高官もいた。帝国に逆らった人間の慣れの果てである。


「・・・研究材料ですか、かつてのお仲間でしょうに。」

私は隣の男を見る。

この男の思考がわからない。かつての仲間をモノでも見るかのような彼の思考が。


思えば私の周りの男・・・例えば上司のデビルフィッシュや同僚のライオンマンなどは根っからの格闘家であり、強さを求めるにしても良き強敵を求めて、良き戦いを求めて、そのために強さを求めているといった類の男たちだ。


そういった私の周りにいる男とは、まったく思考が違っていた。

異質だ。


隣にいる男は強さを求めて帝国に鞍替えをした

同じく強さを求めていても、その強さの質が違うように感じられた。


「奴らは地の国へ向かっているのだったな。」

「・・・ええ、次は石の国あたりでしょうか。」

「ホノカ様はここまでだな。次は私がいこう。」

「・・・あなたはタイタンとの戦いを命じられていたのでは?」

「最近、膠着状態なんだよ。いささか物足りない。それよりもこちらの方が面白そうだ。」

「・・・かつてのお仲間でしょうに。」

「ええ、だから猶更だ。彼らは強い。地上を攻めてきた帝国相手に一歩も引かず、たった3名で防いだ。驚異の力だ。焦がれるほどに。しかし、今、私にもその力がある。試してみたい。」

そういう彼・・・サトウの手には帝王から下賜されたドラウプニルが握られていた。


【次回予告】

レベル50を超えたレンジャーワンに新たな力が

そしてゴーレム軍団がレンジャーワンに襲い掛かる


次週、episode18 石の国と白い戦士

毎週 日曜日 9時30分 更新

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