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episode13 大実験

---from yamabuki side---

「意外と大胆ですね!伊藤さん!」

僕は新たにレンジャーワンの司令官になった伊藤さんに声をかける。

前任者の黒滝教授はどちらかというと世話役っぽかったですが、伊藤さんは司令官っていうのがしっくりくる方です。


まあ、黒滝教授はあくまでの研究者ですからね。

立場が違うというのもあるのでしょうけど。


なんか彼女が来てから作戦会議とか初めて一気に司令部感が増しました。

僕の中の少年の心がワクワクしてます。


その伊藤さん、結構思い切りがいい性格のようです。


青の国が帝国に近いということを聞き、一気に帝国までのトンネルを開通させようと考えたようです。


確かに直通トンネルがあれば、魔石の洞窟を進むよりも早いですが、かえってトンネルを掘る方が時間がかかると思われたのですが・・・


「何言ってるの? あなたたちのヴァン・アースとかいう兵器。あのエネルギーは尋常ではないわ。今までのような運用ではなく一点に収束させれば可能性はある。試行する価値はあるわ。」

伊藤さんは手に持った資料をコンコンたたきながら言いました。


大胆です。

レッドドラゴンも一撃で倒すヴァン・アースの攻撃をトンネル掘削に使おうというのですから。


確かに威力は申し分ないと思われます。


「帝国への直通トンネルができたとしてその穴を通ってレッドドラゴンのような大型モンスターが地上へくる可能性は?」

「OK、質問ありがとう。それはトンネルの大きさの調整で解決できると考えてるわ。要するに山吹さんのスキーズが通れてレッドドラゴンが通れない直径を算出し、その直径の穴をあけることができるか実験してのトライになるわね。」

「おお。強大なるドラゴン対策はそれでよいとして、そのトンネルから偉大なる帝国兵が来る可能性が増える。つまり危険が増すのではあるまいか?」

「OK、質問ありがとう。角度の問題ね。30度を超えると壁のようになるわ。壁は登れないでしょう? ほぼ直角であればスキーズのような空飛ぶ手段がないと移動できなくなるわ。先程のドラゴン対策ではないけどあとで隔壁で塞ぐという対策も必要ね。」


「うむ。リサ姉がいる場所を誤って破壊する可能性は?」

「OK。大丈夫よ。測量計算はしてあるわ。洞窟内にある研究施設と赤石さんたちが発見した緑の大空洞。その周辺にリサ教授がいると予測しているんでしょ。そこを避ければいいわけよね。先程のトンネルの直径の話にもなるけど、その大きさと精度を調整できるならクリアできるわ。」


「あ、あ、あの。帝国まで届く攻撃でトンネルを掘るってことは帝国の街にも被害でますよね。あ、あ、あそこにはて、て、帝国兵だけでなく普通の人もいるので、被害でるのはちょっと・・・。」

「OK。さっきの測量計算の話になるけど着弾点をどこに設定するかの話になるわねよね。そこも計算済みよ。」


「守護者が出る可能性がある。」

「OK。守護者は確かに脅威よね。でもヴァン・アースの一撃を耐えきれる。またはあのエネルギーを吸収しきれると思う? 私は思わないわ。守護者の能力の内、厄介なのは生命や魔力を吸収する守護者の卵の存在。でも守護者の卵は魔法を当てると魔石になるんでしょう? 大量の魔石が生産されて終わりじゃないかしら?」


伊藤さんすごいです!。格好いいです。

次々と質問に対して明確な回答を出してます。


のらりくらりの答弁の政治家と全く違います!

「みんなあと質問はないわね? いきなり本番は危険だからね。まずは実験から進めるわよ。」


---from Ms. Ito – Diplomat side---

(よし・・・OK!)

私は心の中でガッツポーズをした。


トンネル案が可決されたわ。

これでいつ帝国が攻めてくるかわからないというスリルは回避できたわ。


とりあえず山吹さんの空飛ぶ船。スキーズがぎりぎり通れる通路を作っておけば、レンジャーワン全員が洞窟内に入ってもスキーズで戻ってこれるよね。


万が一、敵が攻めてきてもそれまでの時間稼ぎができる隔壁をつくって閉じちゃえばいいわけだし、スキーズ自体で塞ぐという方法もとれるよね。

みんなにはトンネルって言ったけど実質はスキーズを活用した疑似エレベーター。

スキーズというエレベーターに乗らなきゃ移動できない。

これで帝国も地上に来にくいはずよね。

それで魔石の洞窟の出入り口を塞いでしまえば完璧。


それにしても、みんな酷くない?


矢継ぎ早に質問してきて!


即興で回答して凌いだけど、やめてそういうの

心臓にわるいから。寿命縮むから。


こっちは、もう怖い目にあいたくなくて必死なんだから。


赤壁前に呉の家臣の質問攻めにあった諸葛孔明じゃないっつーの。


OK。大丈夫。問題ない。問題ない。クールになれ。


対帝国の戦力がレンジャーワンの3人+ライオン頭の変態+電気幼女の5名しかいないのだから、探索も攻めも守りもお願いするわよ。ほんと。


そのための通路なんだから。


そう考えると結構、マルチタスクを要求しているブラック企業みたいね。

レンジャーワンじゃなくてブラック戦隊に名前を変えたほうがよいかしら。


それはともかく、5名しか戦力が無いというのは致命的よね。

もっと増やせないかしら。


主に私の心の安寧のために。


増やすには魔石の専門家の知恵が必要よね


黒滝教授は・・・ショックでリタイアですし

りさ教授は・・・行方不明


あれ、もしかして今、残っている魔石の専門家って山吹さんになるの?

なら、彼を大切にしないと


主に私の心の安寧のために。


そういえば、前回は洞窟探索に加わらずに残ってくれたわよね。

彼なら優しいし、心配りもできるのでいいかもしれないわね。


よし、今の内に山吹さんを持ち上げておこう


主に私の心の安寧のために。



---from aoi side---


『なるほど・・・「地上」がなぜ、ここまで繁栄できたかわかるような気がしますわね。』

「そうね。」

アタシはカグヤの感想に素直に頷く。


一言でいえば「地上人」は勤勉なんだ。


あの伊藤女史のトンネル作戦。

突拍子もないと思ったけど、なかなかどうして。

一つ一つ堅実に作戦を実行するためのプロセスを考え実行していく。

しかも、その実行スピードが速い。


1、スキーズを呼び出しスキーズが移動できる大きさを測定

2、レッドドラゴンや他の大型モンスターの大きさを映像記録から算出

3、大型モンスターとスキーズの大きさを参考にスキーズだけが移動できるトンネルの直径を決定

4、私たちの移動記録から帝国と緑の大空洞、研究所の位置を算出

5、上記からトンネル位置を決定

6、想定の直径通りのトンネルを掘れるか試験実行


伊藤女史は一気にここまで作業を進めた。

しかも半日でだ。


いくらお国のバックがあるとはいえ、おっそろしい業務遂行力だわ。

彼女みたいなのを能吏っていうんだろうな。


おそらく事前準備をしてはいたとは思うんだけどね・・・


事前準備

現実に落とし込む実行力

どれをとっても恐ろしいくらい有能だ。


これがタイタンあたりだったら、ここまで勤勉に考えず

「やっちまえ!」

と言ってイチかバチかで実行して大惨事を引き起こしているだろうし、


宰相ユミルだったら

「そんなこと夢物語ですな。」

と批判してやりもしなかったろう。


ところが「地上人」は違う。

夢物語を批判せず、どうやれば実行できるかを考え、そのためのプロセスを整理し、一つ一つプロセスをこなし近づけていく。


「うーん、これは帝国がいくら地上侵攻しようとしても難しかったかもしれない。」

ここまで一つ一つのプロセスを着実に、そんで素早くやられたら手も足もでないよな。

『そうですわね。初見では制圧できるかもしれませんが、おろらく、その後、苦労しましたわね。研究を重ねて反撃に出るでしょうから。』

「そだね。かといって研究の隙を与えないように殲滅するには「地上」は広すぎる。」


珍しくカグヤと意見があった。

それだけ伊藤女史が進めている緻密なトンネル作戦は私たち地底の人間には衝撃だった。


さて、私たちは実験場所にきていた。

実験場所は山であった。


この山の端から端までが想定されるトンネルの深さと同じということらしい。

つまりこの山をヴァン・アースの一撃で貫通できれば実験は成功である。


この場にはアタシが呼び出した

フギちゃん ムニムニの機械仕掛けの鳥

ゲー フレキの機械仕掛けの狼

そして機械仕掛けの馬 スレイプ


山吹が呼び出した空飛ぶ船スキーズ


赤石が呼び出した赤い巨人 シアルフが既に呼び出され待機していた。


『制御はこちらで行います。レッド様は攻撃をあてることに集中ください。』

スキーズがアナウンスする。


「心得た!」

赤石がそれに応じる。


『収束』

スキーズが機械音を発するとスキーズが発光。

フギちゃん、ムニムニ、ゲーにフレキ スレイブも呼応するように発光する。


発光した6体が赤石と同化しているシアルフに収束する。


『ヴァン・アース権能収束・発射準備

セイズ解放。 ガント充填、三神解除。標的“山裾 地上50m目標位置”。

ガンド充填300% 対反動制御オールクリア。ヴァン・アース権能発射準備クリア』


スキーズが言葉通り制御をおこなっているのであろう。

アナウンスが流れる。


「吐ーッ!」

赤石の気合と同時に速射の掌底を目標にむけてくりだす。

『Gungnir』

機械音と同時に我が掌底から繰り出される力の奔流。


さあ、どう?


これでトンネルができなければ失敗

山が吹き飛んでも失敗

貫通しすぎても失敗

穴が大きすぎても失敗


結構、成功にはハードルが高い賭けだけど?


・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・


周りから歓声があがる。


山に奇麗に丸くりぬかれた穴が開いていた。


成功しちゃったよ。


「ふーっ、デタラメね。あなたたちの力って。」

当の立案者である伊藤女史が感心してるのか、呆れているのかわからないことをいう。

「・・・成功すると思って立案したんじゃないの?」

「穴をあける事、それ自体は今までの実績調査からできるとは考えていたわ。デタラメというのはちゃんとトンネルになったということよ。」

「?」

「トンネルってただ穴を開けただけじゃ崩落するの。奇麗な円かアーチじゃないと荷重が支えきれない。それをクリアしてるし、クリアしたとしても固めないといけない。特に高熱で穴を開ける場合、溶岩になるわ。ところが溶岩にならず奇麗にトンネル表面がガラス化して固まり崩落しないようになっている。地上の技術だとありえない。どんな化学反応がおきてるのかしら?」


伊藤女史は興奮気味に話す。

なるほど、トンネル掘りと言えば「土魔法」でと考えるアタシ達では気づきにくい失敗の可能性ね。

「土魔法」だと「掘る」というよりは「成型」してる感覚なので崩落はあまりない。


「デタラメと言えば山を貫通したエネルギーがちょうど貫通したところで終わってる。ここもデタラメなところだし重要なところね。貫通エネルギーがどこまでもの発生するのであれば極端な話。地球を破壊するかもしれないという意味で怖くて使えない。」


ははは。確かにこの星を貫通するような穴があいたら、この星にどんな影響がでるか怖いわな。


「あのスキーズという自立型思考をもった空飛ぶ船が演算した結果なのでしょうけど、それも私からすると神の奇跡だわ。」


ははは・・・あれ?

「ん? ちょっと待って、その失敗リスクを知って実行したってこと。」

「実行ではないわ。試行よ。いくら緻密に計算したってやってみなければわからないことはあるでしょう? 私たちにとって魔石や魔法。そしてあなたたちのドラウプニルはその『わからないこと』なのよね。だから試した。結果オーライね。」


ええーっ


地上の人って勤勉なのか、大雑把なのか、大胆なのか、緻密なのか。

わかんねー。


『・・・おそらく、その全部なのでしょう。』

「うおっ、急にカグヤはなしかけるなよ。びっくりするじゃんか。しかも、心を読むな! でも、急にどうした? 珍しく神妙じゃない?」

『おそらく、アンタが今、地上人に感じていることと同じことを感じてますわ。地上人は恐ろしいと。』

「・・・。」


確かに、恐ろしい。


それは剣技が恐ろしいとか。魔法が恐ろしいとか。モンスターが恐ろしいとか。竜や神が恐ろしいとか。そういう次元とはまったく違う恐ろしさだ。


地上人達はその勤勉さと、大胆さと、緻密さでトライアンドエラーを繰り返しありとあらゆる困難を超えてくる。


そういう類の恐ろしさだ。


「OK、この実験で懸念事項は解消されたわ。次は本番よ!」

伊藤女史は笑顔で言った。


---from yamabuki side---


伊藤女史立案の直通トンネル作戦。テストは成功しました。

さあ本番です。


『収束』

スキーズが再度、号令をかけます。

『ヴァン・アース権能収束』とスキーズからアナウンスがながれてきます。


僕の呼び出したスキーズ。

アオイちゃんの呼び出した機械仕掛けの鳥2体・狼2体・騎馬1体。

そして、赤石くんが同化しているシアルフの7体合体です!


格好いいです! 興奮します!


初合体の時に見れなかったのが今でも悔やまれます。


余談ですが、なぜ伊藤さんは作戦名を考えないのでしょう。

こういう時こそ格好いい作戦名でテンション上げたいのですが、伊藤さんはそういうことに無頓着なのが残念です。



『・・・発射準備 セイズ解放。 ガント充填、三神解除・・・』

スキーズのアナウンスが続きます。


『・・・標的“地表 目標位置・・・』

スキーズのアナウンスがここまで来た時、異変が起こりました。


どこからともなく

「fjölmennr sannr・・・」

という声が聞こえます。


「この詠唱は!」

アオイちゃんがすぐに反応。


アオイちゃんがドラウプニルを起動し空間に出現したタッチパネルを操作する

「An armor changes Wodan」の機械音が鳴り響きます。

アオイちゃんの体が青い全身スーツにつつまれます。そしてマントのような青藍のパーカーとフレアスカート。鍔の広いとんがり帽子を被り。杖を持った。魔法使い然とした姿と変わります。

「Completion! The magicians・blue」

アオイちゃんの変身が完了しました。異常事態に対する臨戦準備ですね。


僕も慌ててドラウプニルを起動する。

「An armor changes Frey」の機械音が鳴り響きます。

僕の体がド派手な黄色の全身スーツと軽鎧に覆われます。

フルマスクのようなヘルメットに頭部が全て隠され、腰に大剣、背にはマントが装備されました。

「Completion! The Commander・yellow」

僕も変身を終えました。


メンドーサさんも雷獣を召び臨戦態勢。


ライオンマンさんは・・裸になって。うん、見なかったことにしましょう。


攻撃地点に魔法陣が浮き上がります。

これはもう地底の誰かの妨害工作で確定しょう。


でも、いったい誰でしょう?


帝王率いる帝国軍でしょうか?

タイタン率いるレジスタンスでしょうか?


どちらにしろ疑問です。

僕たちがこの場所で、この作戦を行っていることは両軍ともわからないはずですが・・・。


魔法陣から顕れたのは一体の守護者。

そして多数の守護者の卵


『チジョウジンにツグ。』

! 守護者が言葉を発しました。


『アキラメロ』


何を? 何をあきらめろと言っているのでしょう?

何らかの警告を発しているのだとは思いますが?


即座に反応したのは、赤石クンです。

「その願いは聞けぬ。」

その反応。

赤石クンは姉の救出を諦めろと言っていると判断したようです。


「アタシも断るわ。」

アオイちゃんも拒否しました。

当然でしょう。祖国を諦めることはできません。


「お、お、お、同じくです。ハイ。」

メンドーサも断りました。アオイちゃんと同様の理由でしょう。


「スキーズ殿! 急げ!」

赤石クンが強行突破しようとしているのでしょうか、スキーズを急かします。

『承知しました・・・ガンド充填50%・・・75%・・・』

スキーズが応じます。


「駄目だ!」

僕とアオイちゃんの声が重なります。


攻撃地点にあるのは守護者の卵。

魔法を含むあらゆるものを吸収します。

このままではトンネルを掘るエネルギーを吸収されるおそれがあります。


「berg-nos  berja  bellr」

アオイちゃんがストーンバレッドの魔法を唱えます。


守護者の卵は生命体や魔力を吸収します。

そして吸収後、魔石に変化します。

魔石に変化したら吸収能力は失われます。


あえて土魔法を吸収させることで守護者の卵の脅威を除く作戦ですね。


対する守護者は守護者の卵を守るために土壁の魔法で対抗します。


・・・まるで周囲に壁を作って引きこもっているよう・・・


メンドーサさんがぽつりと言いました。


アオイちゃんのストーンバレッドは土壁で防がれています。

土壁なので今までの経験から接近して攻撃すれば壊れるというのは分ってはいるのですが守護者の卵や守護者に近づくことはできません。

吸い込まれてしまうからです。


彼らを倒すにはヘドリアさんの部下のダルさんが行ったように遠距離からの物理攻撃が必要です。


となると・・・


「僕の出番ですね! 【錬金】!」


僕はダルさんから承継されたスキルを発動します。


バイクがずらりと並びました。


・・・なぜでしょう? ダルさんと同じスキルなんですが・・・

ダルさんは無数の剣を生み出し、それを射出して攻撃するという、とても格好よい攻撃してたんですが・・・僕の場合は同じスキルを使用してもなぜか無数のバイクなんですよね。


まあ、帝国からの脱出の時はそれで助かったのですが・・・


ふと肩に手をのせた人がいます。

振り向くとライオンマンさんでした。


「ドンマイ。」


なぜか慰められました!


「ええいっ!」

気を取り直して、錬金スキルで作り出した無数のバイクを射出?? いやこの場合は突貫でしょうか? 守護者の卵や守護者にむけて走らせます。


うーん。暴走族にみえなくもないです。人は乗っていないですが。


守護者は同じように土の魔法で壁を生み出し防ごうとしましたが物量で押し切り壁を破壊しました。


そのまま物量で押し切ります。


バイクの大半は守護者の卵に吸い込まれましたが、同時に魔石と化しました。

もう脅威ではありません。


ふと思いましたが、守護者の卵は火魔法を吸い込むと火の魔石に土魔法を吸い込むと土の魔石になります。


バイクを吸い込んだら何の魔石になるのでしょう?


「好機! berg-nos  berja  bellr」

アオイちゃんもストーンバレッドの魔法を連打します。

守護者の卵は土魔法であるストーンバレッドを吸い込み、土の魔石に変化していきます。


守護者の卵はすべて魔石と化し消滅しました。


そのまま、錬金スキルを発動し続け、大量のバイクを守護者に突貫しつづけます。


一部は守護者に吸い込まれましたが、限度があるらしく・・・

「ガアアアアアアアアアアアッ!」

断末魔とともに守護者は倒れました。


『LEVELUP!』

脳内に機械音が響き自動的に空間タッチパネルが開きました。


なんか久しぶりのLEVELUPです。

そういえば最近は雑魚モンスターを倒してもLEVELUPしませんし、かといって強いモンスターを倒していないような気がします。


―ステータス―――

名前:山吹智

年齢:19

職業:大学生・研究者(専門魔石)

LV:48⇒49


スキル:直観LV5 強運LV5 演算LV1⇒LV2 錬金


装備:ドラウプニル(黄) レーヴァティン 

眷属:スキーズ

称号:守護者を倒したもの(NEW)

――――――――


おや、なんでしょう?

称号なんて新しいものがついています。


そう思っていると称号の詳しい解説が顕れました。


称号:守護者を倒したもの

守護者を倒したものに贈られる称号

この称号を持つものは守護者に吸収されない。

これはありがたい称号です。

守護者に対して吸収されることを気にすることなく接近戦を挑めるということでしょうか?

しかし、ちょっと注意が必要そうですね。

僕が扱うレーヴァティンの炎も吸収されないのか?

吸収されないのは守護者だけであって守護者の卵には変わらず吸収されるのか?

そのあたりが不明なので過信はできませんね。


「赤石クン! 今よ。」

伊藤さんの声が響きます。

「心得た! 吐ーッ!」

赤石の気合と同時にヴァン・アースが速射の掌底を目標にむけてくりだす。

『Gungnir』

目標に力の奔流が収束された状態で目標地点を貫きました。



---from Ms. Ito – Diplomat side---


はーっ怖かった。


守護者っていうの。何アレ? 突然顕れてびっくりしたわ。

足竦んじゃったわよ。


レンジャーワン達、よくあんなのと戦ってるわよね。


正直、腰抜けちゃってたけど、ばれてないよね。

OK、私、クールよ。クールになるのよ。


結果は良好。


直通トンネルはできたし、その後も崩れる心配はなさそうね。


怖かった守護者も結果的には大量の魔石を入手できたわ。

OK、結果オーライよ。

予算もオーライよ。


好奇心から試しにバイクを吸い込んだ仮称、バイクの魔石をつかってみたら大爆発をおこして、ビックリして、また腰を抜かしたけど、周りにバレてないわよね。


さあ、急いで隔壁の工事にとりかかるわね。

あんな怖いのが出てくるトンネルは早めに封鎖しないとね。

余裕をもって10層の隔壁にしましょう。


もう怖い目にあいませんように!



---from Titan side---


「なんだぁ?」

俺はブルーフェイスの報告を聞いて驚いた。さっき大地震があって原因を調べさせたんだが、その原因が帝都の辺境にものすごいエネルギーの波動が発生したという訳のわからん理由だった。。


「おい、ライト。」

「・・・はっ。」


「謎のエネルギーが地上側の洞窟に近いところに発生したらしいぜ。ちょいとブルーフェイスの野郎と一緒に見てきてくんねぇかな?」

「・・・承知しました!」


ふと、ここで俺は嫌な予感がしてライトに声をかける。

「見に行くだけだかんな。焦って危ないことすんなよ。テメェは大事な戦力だ。」

「・・・当然です。二の轍は踏みませぬ。」


なるほどな。

一度、俺の言う事聞かねぇで失敗したのを引きずってるわけか。なら大丈夫か?

無鉄砲なことはしねえだろ。


「おし、頼んだ!」

俺はライトを見送った。


【次回予告】

直通トンネル開通を成功させ、ダンジョン攻略不要で地底国家群に移動できるようになったレンジャーワン。その直通トンネル開通を異変を受け、ライトを向かわせるタイタン。

両者が邂逅する。


次週、episode14  運命は偶然よりも悪縁である


毎週 日曜日 9時30分 更新


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