朝食
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部屋の窓から日差しが差し込む。
その光で目が覚める。
食事を済ませたあと、まだ夜だったこともあり、俺は寝ていた部屋に戻って再び眠りについた。
「えぇーと、確か起きたら昨日と同じ場所に降りればよかったはず……」
寝起きでまだ少しぼんやりしている。
おぼつかない足取りで、昨晩食事をした部屋まで移動した。
食堂に入ると、そこには数人が食事をしていた。
「ああ、やっと起きてきた」
声のする方向を見ると、カタリヤが大量の食器を持って立っていた。
そのままの格好で、こちらに近づいてくる。
「おはよう!!」
「おはよう」
「今朝食持ってくるから、どこか空いてる席に座って待ってて」
「わかった」
そう言うと彼女は奥の部屋へ入っていった。
『席に座って待ってて』と言われたので、一番近くで皿のないテーブルの席に座り、彼女の戻りを待つ。
「おまたせ」
「はい、これ朝食」
戻ってきたカタリヤは、両手に一皿ずつ持っていた。
「一緒に食べよう。実は私も朝食まだなんだ」
隣に座り、二人で食べ始める。
俺も目の前の皿に手をつけた。
「……美味しい」
「美味しい!」
声が重なり、二人は思わず顔を見合わせて笑った。
「そういえば、名前は“ルーツ”って呼べばいいんだよね? ルーツオリジンまで言うと長いし」
「ああ、ルーツで大丈夫だ」
「じゃあ私のことも呼び捨てでいいよ。堅苦しいのは苦手だから」
「わかった。よろしく、カタリヤ」
「うん。それじゃ、早く食べて外に出る準備しよう。今日は冒険者ギルドに行く予定だから」
「冒険者ギルド……」
昨夜、ダンが言っていた場所だ。
“冒険者”になるための場所らしい。
軽い会話を交わしながら、二人で朝食を食べ終えた。
朝食を終えると、カタリヤは手際よく皿を片づける。
俺も手伝おうと立ち上がったが、彼女は笑って首を振った。
「いいよいいよ、お客さんなんだから座ってて」
「ありがとう。何から何まで」
「どういたしまして」
カタリヤは皿を持って奥の部屋に入り、すぐに両手を空にして戻ってきた。
「それじゃ、行こっか」
「ああ、案内頼む」
カタリヤは大きな声で奥の部屋に向かって呼びかけた。
「お父さん、私たちもう行くね」
奥の部屋からダンの顔が現れる。
「もう行くのか」
「うん」
「そうか。道中気をつけろよ。あとルーツ、あんまり目立つことはすんな」
「気をつける」
「よし、それでいい」
ダンは笑いながら手を振り、再び奥へ戻った。
「じゃ、行こっか」
宿の玄関へ向かう。
カタリヤが扉を押し開けると、まばゆい光が差し込む。
外の空気は少し暑いが、どこか清々しい。
鳥のさえずり、遠くの鐘の音、行き交う人々の声——
「ようこそ、聖都の一日へ」
カタリヤが笑いながらそう言い、振り返る。
俺はその笑顔に小さく頷き、共に歩き出した。
こうして俺たちは、癒しの真珠亭を後にした。




