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ウロボロク  作者: 黒黰黎
ファースト・ステップ

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5/11

朝食

読みにくい所や誤字の報告などしてくれるとありがたいです。



感想または質問にはできる限りお答えするので書いてくれると嬉しいです。

部屋の窓から日差しが差し込む。

その光で目が覚める。


食事を済ませたあと、まだ夜だったこともあり、俺は寝ていた部屋に戻って再び眠りについた。


「えぇーと、確か起きたら昨日と同じ場所に降りればよかったはず……」


寝起きでまだ少しぼんやりしている。

おぼつかない足取りで、昨晩食事をした部屋まで移動した。


食堂に入ると、そこには数人が食事をしていた。


「ああ、やっと起きてきた」


声のする方向を見ると、カタリヤが大量の食器を持って立っていた。

そのままの格好で、こちらに近づいてくる。


「おはよう!!」


「おはよう」


「今朝食持ってくるから、どこか空いてる席に座って待ってて」


「わかった」


そう言うと彼女は奥の部屋へ入っていった。

『席に座って待ってて』と言われたので、一番近くで皿のないテーブルの席に座り、彼女の戻りを待つ。


「おまたせ」

「はい、これ朝食」


戻ってきたカタリヤは、両手に一皿ずつ持っていた。


「一緒に食べよう。実は私も朝食まだなんだ」


隣に座り、二人で食べ始める。

俺も目の前の皿に手をつけた。


「……美味しい」


「美味しい!」


声が重なり、二人は思わず顔を見合わせて笑った。


「そういえば、名前は“ルーツ”って呼べばいいんだよね? ルーツオリジンまで言うと長いし」


「ああ、ルーツで大丈夫だ」


「じゃあ私のことも呼び捨てでいいよ。堅苦しいのは苦手だから」


「わかった。よろしく、カタリヤ」


「うん。それじゃ、早く食べて外に出る準備しよう。今日は冒険者ギルドに行く予定だから」


「冒険者ギルド……」


昨夜、ダンが言っていた場所だ。

“冒険者”になるための場所らしい。


軽い会話を交わしながら、二人で朝食を食べ終えた。


朝食を終えると、カタリヤは手際よく皿を片づける。

俺も手伝おうと立ち上がったが、彼女は笑って首を振った。


「いいよいいよ、お客さんなんだから座ってて」


「ありがとう。何から何まで」


「どういたしまして」


カタリヤは皿を持って奥の部屋に入り、すぐに両手を空にして戻ってきた。


「それじゃ、行こっか」


「ああ、案内頼む」


カタリヤは大きな声で奥の部屋に向かって呼びかけた。


「お父さん、私たちもう行くね」


奥の部屋からダンの顔が現れる。


「もう行くのか」


「うん」


「そうか。道中気をつけろよ。あとルーツ、あんまり目立つことはすんな」


「気をつける」


「よし、それでいい」


ダンは笑いながら手を振り、再び奥へ戻った。


「じゃ、行こっか」


宿の玄関へ向かう。

カタリヤが扉を押し開けると、まばゆい光が差し込む。


外の空気は少し暑いが、どこか清々しい。

鳥のさえずり、遠くの鐘の音、行き交う人々の声——


「ようこそ、聖都の一日へ」


カタリヤが笑いながらそう言い、振り返る。

俺はその笑顔に小さく頷き、共に歩き出した。


こうして俺たちは、癒しの真珠亭を後にした。







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