茜色に影三つ
公園を駆け回る子どもたち
追いかけまわすハトの群れ
ハトはとってもへとへとで
つかまるもんかと首振って
ポッポポッポと鳴きながら
子どもたちと追いかけっこ
「ポッポつかまえた!」
元気で勇敢な子どもたちは
獲物を得て砂場へと向かう
キャッキャッと楽しそうだ
プリンカップにスコップに
道具を用いて砂の城が完成
歪な形が愛らしい
砂の付いた手で滑り台へと
次々に移動する子どもたち
滑ってくる子どもたちの足
ちょこんとしてて愛らしい
ちゃんと見ている
ちゃんと信じている
愛する我が子が手を取り合う姿を
見知らぬ子でも気軽に話しかける
その愛嬌の良さが素敵で危うくて
とっても大切なことであることに
大人はなかなか気づかない
「ママーパパー」
暑い秋も茜色になれば寒くなる
風邪を引かないうちに帰ろうか
よその子とバイバイまた明日ね
愛する我が子の身体はポカポカ
砂まみれの手が私の服をつかみ
ニカっと笑顔が眩しいよ
沁み込んだおひさまの匂いをハグで知る
キラキラのおめめに宿るのは神様の加護
今日の夜ご飯は何にしようか
なんていつも通りの言葉交え
手を繋いで我が家まで帰ろう
地面にはデコボコに繋がった影三つ
ながくながく伸びてた
「今日はおでんなんてどうかしら?」
「いいねー煮込むだけだもんな」
「……だけって」
「ちゃ、ちゃんと手伝うよ!」
「ぼくカレーがいい!」
『じゃあカレーにしよう!』