9話 驚愕
その後、アランはリリスに回復魔法をかけられて起き上がった。
「リア、お前すげぇなぁ」
アランはリアの強さに感心している。
こうして、アランに剣の修業をつけられることなく、リアは冒険者になることを認められたのだった。
その日の夜は、リアがアランを倒したことを記念してパーティーが開かれた。家族そろっての楽しい食事の席だったが、それも落ち着き、アランが風呂に入ると席を外した際、リリスからこんな質問が投げかけられた。
「子供ができる動きじゃなかったけれど、どうやって、パパを倒したの?」
「最初の方は、魔法で体を強化して受け流してたんだけどそれじゃ意味がないと思って、ソニックムーブを使ったんだ。ソニックムーブの物理攻撃できなくなるのって、自分だけだからパパに当たる直前に剣をはなしたんだ!」
それを聞いたリリスは驚いていた。魔法の才能があるのは分かっていたが、ここまでの戦闘センスを持っているとは思わなかったのである。
「リアはどんなスキルを持っているのか今から楽しみね!」
「スキルならわかってるよ?」
「えっ?」
「{鑑定}スキルを持ってるよ。」
「それで自分を鑑定したのね!やっぱりリアはすごいわね!」
ここでアランが風呂から上がってきて、
「何をそんなにはしゃいでいるんだ?」
「聞いてあなた。リアがね{鑑定}スキルを持っているんですって!」
「ほぅ、それはすごいな。ほかに何かスキルを持っていたりしないのかい?」
そんな質問をされてリアは少し悩んだ。{賭博}スキルなんて言うギャンブル性の高いスキルを知られたらどんな風に思われるのだろうか?と。
しかし、あんまり悩んでいるとバレてしまうのでここは言ってしまうことにした。
「あと、{賭博}スキルっていうの持ってる。」
「「{賭博}?」」
両親の声がハモった。
少し面倒ではあったが、軽く説明をすることにした。説明を終えると、アランが
「なにか、運気を上げるアイテムやスキルを獲得するまで使わないようにしとけよ。モンスターの前で動けなくなったらとんでもないことになるぞ。」
「うん、わかってる。」
リリスも隣で頷いている。
「鑑定が使えるならステータスも見れるんだよな?リアのステータスを教えてくれよ。」