79話 勝利
1体目のスケルトンキングを倒したリアはすぐにもう1体に向き直った。
こちらのスケルトンキングは先ほどの1体とは比べ物にならない強さである。
まず、先ほどの【インフェルノ】がほとんど効いていない。そして神聖属性にも耐性がある。そしてようやくスキル{創造神}が発動したのだが、神聖魔法から暗黒魔法、各属性の攻撃魔法を使えるらしい。しかも魔力量が普通の人間の10倍以上もある。
しかし、それだけならリアの敵ではなかった。しかし、問題はその装備品だ。物理攻撃に対する耐性を向上させる効果が付与されているのだが、その効果が高すぎて、物理攻撃無効の状態になっている。
そしてスケルトンキングの固有能力で、弱点属性以外の魔法攻撃ではダメージを与えることができない。
今回の場合、火属性魔法しか効果がないのだ。それも装備品であり得ないほどに高い耐性が付与されている。
そして何より、先ほどの1体と違って何も言わないのでなんとなく気まずい空間になっているのが耐えがたい。
相手も同じだったのか、それともただ知能が低い個体なだけなのかは分からないが、魔法の詠唱を始めた。この詠唱は【ファイヤーボール】だ。リアのRSTならスケルトンキングの魔法くらいなら無効化できるので敢えて避けずに、スキルを発動させる。
「スキル{賭博}」
{エナジードレイン}
失敗ではあるが問題はない。装備品の効果でデメリットは無効化されるので、欲しいものが出るまで{賭博}を使い続ける。
そして目当てのものが出た頃に【ファイヤーボール】が飛んできた。
しかし、リアはそれを無視してスキル{賭博}で使用可能になった禁呪の詠唱を始めた。
そして【ファイヤーボール】が直撃し、スケルトンキングが勝利したように見えた、その瞬間、炎の中からリアが出てきてスケルトンキングに対して魔法を打ち出した。
この世界のすべての存在に等しくダメージを与えることができる唯一の魔法を。
「禁呪【地獄の業火】!!!!」
リアの総魔力量の7割を込めた魔法。この魔法に耐えられる存在はこの世界では【創造神】くらいだろう。
スケルトンキングも例外ではなく、その威力の強さにかけらも残すことなく消滅した。
一度死んで転生はしたものの、最後に勝ったのはやはり勇者だった。




