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78話 【魔力浄化】

「特殊魔法【魔力浄化】」


空から響いたその声と同時に自分たちの魔法の力が衰え、使用できなくなるのを感じるスケルトンたち、それもそのはず。上空から使用された魔法は広範囲に広がり、その範囲内の魔力を強制的に浄化するという、アンデッドや魔法を使うモンスターにとっては実質能力を封じられるのと変わらないことをされたのだ。魔法の使用はおろか、すでに発動していた魔法もその魔法を構成する魔力が浄化されてしまったためにすべて効果を失った。


そして空を見上げたスケルトンの中で知能のある者たちは恐怖のあまり身動きが取れない。

そこにいたのは空中に浮かび巨大な火球をこちらへ向けている一人の人間なのだから。

しかも、一部のアンデッドたちは先ほど死んだ冒険者と顔と雰囲気が同じだと気付く者もいたが、その気づきはあまりにも遅かった。先ほどの魔法を使用される前に気付くべきだっただろう。


そして全員の共通弱点である炎が軍勢の中央に打ち込まれる。



リアは上空からスケルトンたちを見下ろしていた。そして、相手の魔法を使用できなくすると同時に火属性の上位魔法を無詠唱で完成させた。


そしてそれをスケルトンたちに向かって放った。なすすべなく焼かれていくスケルトンたち。20分後にはそこに立っていたのはたった二体のスケルトンキングのみだった。


スケルトンキングの前に降り立ったリアに最初からいた方が話しかけてきた。


「キサマ、サキホドシンダハズデハ。ナゼイキテイル?ソシテナゼ、ニンゲンゴトキガアレホドノマホウヲアツカウコトガデキル」


「それは私が勇者だからです。」


「ソウカ、キサマガユウシャナノカ。サリスガヤラレタトキイタガ、ソレハワタシニハカンケイナイ。キサマヲコロス。コノタタカイハ、マオウサマモカンショウサレテイルノデ、ゼンリョクデキサマヲツブシニイク。」


「そうですかやれるものならやってみてください。もうあなたのHPはほとんど残っていませんよね?それなら私もそれがなくなるまで戦おうじゃないですか!」


そういって、リアは2体のスケルトンキングに突っ込んでいった。今回使うのは前回使ったような棍棒ではなく、メイスである。これなら属性を付与した攻撃を安定して相手に当てることができるだろう。


そして先ほど使用した魔法【インフェルノ】をメイスに込めて最初からいた方のスケルトンキングを攻撃した。見事に命中し、弱点攻撃2つを同時に受けたスケルトンキングはバラバラになって動かなくなった。


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