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【完結】転生チート少女、チートスキルを得て勇者になる  作者: 雲英侑李
第2部 1章 魔王軍大戦 編

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75話 走馬灯と諦めない心

闇に飲まれてゆく意識の中で、リアは声を聞いた気がした。

やがてそれは鮮明になっていき、それが声ではなく、街中の喧騒であることに気づく。それぞれの音が混ざり合って意味のない音を生み出している。

そしてリアの目に映ったそこは、前世の自分の生きていた世界、日本だった。時間は夜中だろうか、空は暗く、街中の明かりも少ない。

そんなあり得ない状況を眺めるリアの前には道路があり、そこでは工事が行われていた。

そこを通行する車の誘導をする1人の男がいた。年齢は40代といったところだろうか。太ってはいないが、年齢を感じさせる顔をしていた。

リアはその男に見覚えがあった。というよりその男について誰よりも知っていた。なぜならばその男は彼女の前世の男だったからだ。


その男に一台のバイクが突っ込んでいく。その光景はリアも見覚えがあった、というより実際に体験している。その記憶通りことが運ぶとすれば、彼はこの後あのバイクに轢かれるのだろう。魔法を使うことができるなら彼を救うことができるだろうが、今は魔法を使うことどころか動くことすらできない。言うなれば映像を見せられているような状態なのだ。

しかし轢かれそうなそんな状態でも彼は諦めずにバイクに止まるように呼びかけている。そして彼とバイクが接触する瞬間、リアの意識は自身の体に戻ってきた。


いわゆる走馬灯というやつなのだろうか?しかしこれを見たリアは諦められなくなった。そんなことできるはずがない。

前世の何の力も持たない自分だって死に際にあきらめることはしなかったのである。力を得て、人を守る側の人間である自分が諦めて、敵に殺されるなんてことが許されるわけがないのだ。


全身に走る痛みをはねのけてリアは立ち上がった。そして収納魔法にしまっているポーションを取り出そうとして気が付いた。魔法を一切封じられているので収納魔法の中にしまっているものは使えない。

リアは慌てたが、すぐに使えるように一つだけ常備していたポーションを飲んで体の傷を癒す。


そして状況を見極めていく。こういった大規模な戦闘では冷静でいないと負けてしまう可能性が上がってしまう。

まず敵の布陣だが、リアが起きたことで対象のスケルトンキングは後方に退避している。おそらくだがやつを倒せば軍勢は消滅するだろう。逆に言えばやつを倒さないといくらでも召喚されてしまうので勝ち目はないだろう。

そして魔法の使用は封じられている。この効果は敵にも適用されるだろうが、ユニークスケルトンナイトには影響がない。

とにかく敵と最低限渡り合うためにスキル{創造神}の効果で武器を作り出す。

その武器は巨大な棍棒。リアの体とほぼ同じくらいの大きさがある。これを極限まで軽くし、極限まで硬く、耐久性を持たせた最高の物質を作りそれで作られている。

剣ではスケルトンに通用しないのでこのような形の武器になったのだが、これを使っても敵の数が多すぎてじり貧になることは目に見えていた。しかし、それでもやるしかなかったのでリアは目の前にいるスケルトンとユニークスケルトンナイトたちに向かって殴り掛かった。


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