表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】転生チート少女、チートスキルを得て勇者になる  作者: 雲英侑李
第1部 4章 キルス 編 II

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/324

69話 魔王

リアが考えていたことは他の人間から言わせてみれば「悪」の一言だった。

この話を聞いて彼女が考えたことそれは力を手に入れる方法である。スキル{創造神}を自分から引きはがすための力である。人間であるリアにはこの世界最高ともいえるスキルに干渉することなど不可能だと思っていた。

しかし、【創造神】の意に反さずに力を手に入れる手段が分かったのだ。いや、思い出したといった方が正しいかもしれない。過去にカインから聞いた魔王についての話である。


3000年間、勇者が生まれて魔王を倒し魔王になるといった負の循環が繰り返されている


という話を。

勇者が魔王になる。それは魔の力を勇者が得るということではないのかとリアはずっと考えていた。それまでの力をすべて失い、魔族として生まれ変わる。それが勇者が魔王になったにもかかわらず、次代の勇者に負けてしまう理由なのではないかと。おそらく魔族の力に対して強い能力を持って勇者は生まれてくる。だから魔王は必ず倒される。

勇者は元から強く生まれており、魔力も多いはずである。つまり、カインの話にあった、


3000年前、魔王を名乗る魔族が現れた。そいつは、元は多くの魔力を持って生まれてきた人間だったが、奴隷として強制労働をさせられていた。そんなある日彼の主人であった男が1冊の本を落とした。その本には魔族として転生するという恐ろしい禁呪が記されていた。通常、人間の魔力では行使できない魔法だが、彼は生まれ持った魔力で転生を果たしてしまう。


というもの。

その本が保管されていて、魔王を倒した勇者がその魔法を使用し転生していると考えてはどうだろうか。自然と勇者が魔王になる辻褄は合う。


しかし、なぜそんな魔法を使用するのか、リアにはそれだけが見当もつかなかった。

その本に何かしらの呪いがかけられていて魔王を倒すと勝手に使うようになっていたというのも考えたが、それだと、魔王を倒して1週間くらいしてから新たな魔王が誕生したことに説明がつかない。

【創造神】が何かしらの方法で操っているというのも考えにくい。おそらく【創造神】は特定のスキルや能力を持った人物しか操れないし、この世界の秩序を乱すものがいない限り手出しをするとは思えないからだ。

そうなるとなぜその魔法を使うのかがわからないが、おそらく勇者が魔に落ちるプロセスは大体これで合っているだろう。

そしてこの世界が滅んでいないのも、おそらく勇者たちの自我が少しは残っているから、魔王が人間を積極的に襲っているわけではないからだと考えられる。

ここまではあくまでも仮設ではあるが、おおよそあっているだろう。しかし、リアにとって大事なのはこの次だ。

魔王に転生すると勇者のときの力は失われ魔王としての力が備わる、おそらくこれは確実だ。


もしそうならば、その魔法に「前世の自我と力を失わない」という細工を施したものを発動させれば、今の自分をそのまま強化することができるのではないだろうか。


この細工も決して簡単なことではないだろうし、それをすることでスキル{創造神}に干渉できるようになるかはわからない。しかし、大いなる力を得ることができるのはほとんど確定しているため、試してみる価値はあるだろう。


リーンと話しながらそんなもはや人間の敵ともとれる思考を巡らせていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ