60話 VSブレイズ
創造神を名乗ったリアは時間が停止している中、剣を片手にブレイズに向かってとびかかった。その速度は、これまでリアどれだけ支援魔法を使用しても到達することが出来なかった、いうなれば“音速”の攻撃だ。
ブレイズもこれには対応することができず、斬撃を受けてしまう。一瞬膝を地面につくブレイズ。
おそらく致命傷になるであろう一撃。しかし数秒後、ブレイズはまるで全くダメージがないかの様子で立ち上がった。
「言っただろう?俺はこの世界の存在ではない。だからこの世界では魔法も物理攻撃も受けることがない。逆に俺のスキルは発動するからお前が万が一俺にダメージを与えることができても俺のスキルですぐに回復する。どうして話の途中で急に襲い掛かってきたのかはわからねぇがお前じゃ俺には勝てないんだよ。いい加減にしろよ。俺だってお前を殺したかぁねぇんだよ!」
ブレイズがそうリアに語り掛ける。リアだってブレイズを殺したいわけではない。しかし、今のリアはスキルや魔法も使用できず、意識があるだけの状態なのだ。すなわち何もできない。このまま、今自分を動かしている何者かの気が済むまではどうすることもできないのだ。
そんなことをようやく理解し始めたリアは、またもブレイズにとびかかった。
リアが知らないうちに何かしらの魔法を使用したのか剣が薄く光を放っている。
そしてまたもブレイズは反応できずに攻撃を受けた。
「だから何回攻撃しても…………グハッ」
ブレイズがリアに語り掛け始めたその時、ブレイズの口から血があふれ出した。そしてブレイズア自分の視界が地面に限りなく近くなるのを感じた。
ブレイズの体は真っ二つにされていたのだ。
「まさか、{次元断裂}だと!?なぜ俺の故郷以外の世界でそれを使えるやつが居るのだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
そう叫びながらもブレイズは自身のスキルで体を再生していく。致命傷からの再生ができるほど彼の回復スキルは高いようだ。
「次で確実に殺します。」
「そう簡単にやられてやるかよ!こっちも殺すつもりでいかせてもらうぞ!!!!」
そういうと、ブレイズは剣を構えた。それに対してリアは先ほどまでと同じ音速攻撃の構えだ。ブレイズにこれを防ぐ手段はない。そのためブレイズの構えはそれを考慮し、リアの攻撃の軌道に剣を置き、受け流す体制だ。
しかしブレイズはまだ知らなかった。このリアの攻撃がその程度の事では一切歯が立たず、すべての世界を含めても敵うものがないであろう圧倒的な攻撃であることに




