表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/324

54話 決着

1時間後その業火が顕現していた場所では2人の人影が人の目には追えぬほどの速さで戦闘を繰り広げていた。


「何で人間であるはずのあんたみたいな小娘が禁呪なんてものを使えるのよ!おかげでのこりのHPが100になってしまったじゃないの!」


リアに襲い掛かりながらも激昂している魔王軍幹部のサリス。それに対してリアは答えることなく、常に小声で何かを言っている。

サリスは自分を無視するリアに余計に腹が立ったのかさらに速度を上げてリアに襲い掛かってきた。リアも魔法を駆使した最大速度で応戦する。支援系統の魔法をフル活用しても実はギリギリなのである。しかし、それでもリアはずっと何かを唱えている。サリスはそれを耳を澄まして聞き取ろうとした。

そして聞こえてきた内容は


「スキル{賭博}」


そう連呼していたのだ。サリスは知らないうちにリアに大量のスキルを使わせてしまっていたのだ。


「ふざけるな、小娘がぁぁぁぁぁ!!!」


サリスはさらに激昂する。しかし、その程度で怯むリアではない。今何度か使用したスキル{賭博}の効果で魔力量はさらに100倍、HPと魔力は全回復した。そして【プロテクションマジック】を発動させる。

そして物理戦闘をしながら、今度は残存している全ての魔力を込めて魔法の詠唱をする。それを聞いたサリスは顔を真っ青にする。


「貴様貴様キサマァァァァァァ。これ以上魔法は使わせんぞぉぉぉ!」


そう叫びながら襲い掛かってくる。もはや男なのか女なのかわからない。冷静さを欠いているようで単調な攻撃ばかりなのでとてもかわしやすい。

戦闘行為を行いながら魔力を練り上げるのは非常に難しく、20分もかかってしまった。逆に言えば、20分かけて敵にやられることなく魔法を完成させた。


「魔王軍幹部サリス!!これで終わりにします!!禁呪【地獄の業火(ヘル・フレア)】!!!!!!!!!!!!」


リアがそう唱えると同時にまたしても結界内で圧倒的な力を持つ業火が炸裂した。もはやサリスに挽回の術はなく10分もしないうちに焼き尽くされて消滅した。サリスが消滅したのを確認すると、リアは証拠品としてサリスの持っていた杖を回収し、【地獄の業火(ヘル・フレア)】と結界の魔法を解除し、外へ出ていった。そして城壁に向かって


「私たちの勝利です!!!!!!!!!!!!!」


そう宣言したのだった。

もちろん城壁にいた騎士たちは状況の理解さえほとんどできていなかったが、戦闘を見ているだけで疲弊していたようで、騎士たちの大半はその場に座り込んでしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ