45話 新たな装備
それからリアは忙しい1週間を送った。まずは何かあった時のためのMPを回復するためのポーション。HPや状態異常は魔法で回復することができるのでそれらのポーションは少しずつしか購入しなかった。
そして装備品も一部買い替えることにした。リアがゼリア皇国に出立するまであと3日である。
前に行ったことのある店以外ではツテもなく、あの店にそろっている装備では魔王の幹部相手ともなると心もとないと感じたリアは冒険者ギルドを訪れることにした。今回は受付ではなく、とある一人の人物のもとへまっすぐ向かっていった。
「おぉ、リア。何か用かな?」
そう声をかけてきたのはAランク冒険者パーティ『獅子の牙』のリーダーのカインだ。
「少し聞きたいことがありまして……」
「なんでも聞いてくれよ。君はこのギルドのエースなんだからほかの冒険者に遠慮しなくていいと思うよ。」
「では、この町で一番質のいい防具を売っている店を知りたいのですが、どこか知りませんか?」
「それならこのギルドに備え付けられてる装備品を取り扱う店が一番だと思うよ。初心者からランクの高い冒険者まで行きつけにしているとてもいい店だよ。この建物の裏側に入口があるから行ってみるといい。」
「分かりました。行ってみます。」
そういってリアはギルドから飛び出していった。
ギルドの裏に回ると本当に武器屋さんのマークを下げた店があった。そこには低級から上級のものまでさまざまな装備がそろっており、とても素晴らしい店だった。
そしてリアが店の中を見て回っていると
「何かお探しでしょうか?」
そう女性店員が話しかけてきた。
「かなり強い相手と戦うので念のため装備の質を上げておこうと思って……」
「強い相手というのは?」
「依頼者との契約でいえませんが私はSランク冒険者です。」
「Sランクですってぇぇぇぇぇぇ!!!」
どこに行ってもこんな反応をされる。
「それは失礼いたしました。それではこちらなどいかがでしょうか。今着用している装備の上からでも着用できますし、あらゆる状態異常に耐性を付けることができます。即死無効化の効果もあるので強敵相手にはとても役立つと思いますよ。」
そういって一つのスカーフを進められた。スキル{創造神}で見てみても説明と同じ効果があることが見て取れた。これほどの装備となるとAランク以上の冒険者でないと身に着けている者はいないだろう。
「これ、買います。」
「金貨10枚になります。」
「はい。」
「ちょうどですね。それではこちら商品になります。ありがとうございました。」
リアは状態異常耐性も身に着けてついにゼリア皇国へと向けて旅立つ日となった。




