36話 冒険者
「リアちゃん、大変だったわね。」
「いえいえ。あのくらいは想定していたので。」
「私も想定はしていたけどあんなにたくさん襲い掛かってくるとは思ってなかったわよ。」
「アハハ……」
「まぁ、それは置いといて冒険者について説明するわね。まず冒険者というのはモンスターの討伐依頼や薬草やアイテムの採集依頼、環境の変化などを調査する調査依頼や承認などの護衛依頼など多岐にわたるわ。けど、Sランク冒険者にもなると大半が強力なモンスターの討伐依頼とほかの冒険者パーティを送り込んで帰ってこないときなどの調査や救助の依頼がほとんどになると思うわ。ほかの冒険者パーティといってもAランクが対処できなかった時くらいだろうけどね。」
ここで一度話を途切れさせると今話した内容を簡潔にまとめられた資料を取り出した。ランクによってどのような依頼を受けるのかがまとめられておりとても分かりやすい。
「基本的にはAランク相当以上の依頼を受けてもらうことになるんだけど、現状でAランク相当の依頼は十分にこなせてるのよね。だから基本的にはあまり仕事がないと思うわ。多分だけど仕事のほとんどがギルドマスターからの指名依頼になると思うから頑張ってね。10年前に1回だけSランク相当の依頼が張り出されたことがあったらしいんだけどそんなものないと思っていた方がいいわよ。あと基本的にAランク相当の依頼は手空きのAランク冒険者がいたらそちらに回してね。リアちゃんが全部やっちゃったら多分一人で全部こなしちゃうから。
依頼を受けたいときは掲示板に貼られてる紙を受付まで持ってくればいいから。」
ここでアンが一つ息をついた。
「依頼についてはこんな感じね。一気に話しちゃったけど何かわからないこととかない?」
「大丈夫です。」
「そう、じゃあ次に冒険者パーティについて話すわね。リアちゃんが冒険者パーティを組む場合、そのパーティは多分だけどDランクからのスタートになると思うわ。そこから規定数の依頼を受けるとランクを上げるための昇格試験を受けられるわ。昇格試験に合格すればランクが一つずつ上がっていくわ。でもリアちゃんは一人で戦った方が強いと思うな。仲間の心配をしなくていいから。パーティについてはこんな感じ。次はダンジョンについてね。」
「ダンジョンでは多くの素材やアイテムを手に入れることができるわ。ダンジョンに潜るときにはダンジョン専用の掲示板があるから、そこに張り出されているダンジョンを選んでそこにに潜ることをダンジョン受付で伝えて。そしたら許可証がもらえるからそれを持ってダンジョンに向かえば中に入れるわ。リアちゃんはあんまり依頼を受けられないから、お金が欲しいときとか戦闘訓練をしたいときにはダンジョンに潜ることをお勧めするわ。後リアちゃんの場合はダンジョンに向かう際には受付嬢にでいいからギルドマスターにその旨を伝えるように言っておいてね。緊急時にどこにいるかが分からないと困るから」
「はい、わかりました。」
「こんなところかな。またわからないことがあったら何でも聞いてね。いつでも力になるから!」
「はい!」
そう元気よく返事をしたリアは一度ギルドをあとにした。




