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35話 返り討ち

「おかえり、リアちゃん。ランクはどうなったの?」


「Sランクです。」


「Sランクですってぇぇぇぇぇ!!!!!!!」


アンがそう大声で叫んだことによってギルド中にいたすべての冒険者がこちらを見た。それも当然のことだ。彼らはSランク冒険者というものを見ること自体初めての者しかいないのだから。


「すみませんリアさん、取り乱してしまいました。」


少し顔を赤くしながらアンが続ける。


「それでは我がギルドで唯一のSランク冒険者として登録いたします。」


(周囲の視線が痛いが気にしないでおこう)


リアがそんなことを考えながら話を聞いていると、


「おいおいおい、まてよ!そんなガキがSランクなわけねぇだろうがよ!」


「そうだそうだ!」


「それなら俺たち全員を相手にしても余裕で勝てるってことだろ!やってみろよ!」


そんなことを叫びながら10人くらいの冒険者が襲い掛かってきた。そこでリアが一言つぶやいた。


「パラライズ」


リアがそう唱えた直後1人を除いて襲い掛かってきたものの全員が倒れた。


「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」」」


ギルド中からそんな叫び声が聞こえた。それも当然だ。一人の少女に襲い掛かった10人もの冒険者たちが一瞬にしてほぼ全滅したのである。


何が起こったのかというとリアが想像魔法で作った麻痺の魔法を使用したのである。ほかの冒険者やギルド職員に犠牲が出ないように範囲内から対象を選んで発動させる仕組みになっている。

しかし、1人が何事もないように立っている。


「お前、剣を持ってるくせに魔法使うのかよ!しかし残念だったな。俺が装備してる鎧は魔法を無効化できるんだよ。そして俺の剣の腕はあのアランにも劣らないと評判なんだぜ。今泣いて許しを請うなら許してやるがどうする?」


「父にも劣らない程度の剣技なら私の敵ではありません。来るならどうぞかかってきてください。」


「父?あぁ、お前アランの娘なのか。リリスの魔法の才を受け継いでるお前ごときが俺の剣を受けられるものかよ。」


「来ないんですか?その程度のことでビビっていてよく冒険者なんてやっていられますね。」


「なんだとこのクソガキがぁぁぁぁ!!!」


そう叫びながら切りかかってきた。しかしリアからしたらそれはあまりにも遅い一撃だった。


「ソニックムーブ」


そう唱えたリア。周囲が切られたと思った次の瞬間その斬撃は空を切っていた。


「てめぇソニックムーブで速度を上げやがったな!どこまでも生意気な。だがその状態では物理攻撃はできないだろう。それに俺に魔法は通じない。いい加減あきらめて切られやがれ!!」


そういいながら切りかかってくる冒険者の斬撃を交わしながらリアはこう語りかけた。


「私の装備している指輪はあらゆる魔法やスキルの自分に不利益な効果を打ち消すことができるんですよ。」


「だからどうした」


「勘が悪いですね。つまりソニックムーブを使った状態でも物理攻撃ができるんですよっ」


そういいながらリアは軽く相手の腹部を殴りつけた。加減をしたので気絶することもないだろう。


「ぐはっ」


そういいながら腹部を抑えながらうめいている。


「これで分かりましたか?私とあなたには大きな開きがある。本気で私に勝とうと思うなら単独でアダマンタイトゴーレムくらい倒してきてください。」


「アダマンタイトゴーレムだと、ふざけるなそんなどこにいるかもわからないような化け物人間が単独で倒せるはずがないだろぉが。」


「私は単独で倒しました。ですよね、カインさん?」


そういいながらギルドの隅にいたカインに声をかける。


「あぁそうだ。俺もそうだが、このギルドに彼女より強い人物は存在しないよ。」


「あのカインが認めるなんて……」

「ということは本当にアダマンタイトゴーレムを……」

「実際に目の前で黒狼のドラルがこうもあっさりとやられてるし……」


周囲で傍観していた人たちがひそひそと話し始めた。目の前でうめいている人物はAランク冒険者パーティ黒狼のリーダー、ドラル。そんな人物をあっさりと倒し、Aランク冒険者パーティ獅子の牙のリーダーであるカインまでもが認めているとなると周囲もリアを認めるしかない。


「こほん、それではリアさんをSランク冒険者として当ギルドに登録いたします。これからはこのギルドのエースとして頑張ってください。」


アンがそう宣言した。こういった乱闘騒ぎはやはり珍しくないのだろう。


「ではリアさん、ここでは周りの目もあるのであちらの個室で依頼の受け方や冒険者についてお教えいたしますのでどうぞこちらに」


そうアンに誘導されて近くの個室に入ったのだった。

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