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318話 魔王ファミス

すぐにリーンのところに行って転移させてもらった。その世界はブラフマーとの戦い以前に所有していた世界をコピーしたもので、〈基軸世界〉とほとんど変わらない。

ご丁寧に魔王城に位置まで同じだ。この座標というのは何か因果でもあるのだろうか?

まぁそんなことはどうでもいい。今はこの世界の魔王とやらを倒さないとね。

この世界を壊されて世界のバランスが崩れても困るし、せっかく相手と同格にまで下がって戦えるんだから、楽しまないと!

あいつかな。明らかに魔王っぽい衣装と風格を醸し出してる。リーンは配下がいないって言ってたし、似たような奴もいないでしょ。


「あなたが魔王ファミスですね?」


「いかにも。我こそが魔王ファミスである。貴様何者だ?人間ごときが我に何の用だ。」


「すみません。人間に擬態してたの忘れてました。これでも人間に見えますか?」


私は本来の姿へと姿を変える。基本的に人間の姿でいるけれど、本気で戦うならこっちの方が戦いやすいかな。翼が生えているから魔法を使わなくても自在に飛ぶことができる。


「なんだ木っ端物のサキュバスか。それにしても貧相な肉体だな。」


「あら、サキュバスに見えるのですか。確かに私はサキュバスの力も持っていますが、本質は違います。魔族、さらにその上の位置に存在する最強の種族の一つ魔王です。」


「魔王だと?ふざけるのも大概にしろ。俺の鑑定では貴様のステータスはすべて無限。その程度で俺に勝てると思っているのか?」


「あなたのステータスの中には概念突破してるものがあるから自分の方が有利といいたいんでしょう?そんなことは問題になりません。今の私はあくまでもステータスを制限した仮の姿。本来ならあなたなど瞬殺できるのですから。」


「でかい口叩くじゃねぇか。この世界で最強たるこの魔王ファミス様の力を思い知れ!【隕石投下(メテオ・フォール)】」


なるほど。隕石を落下させる魔法。これなら物理法則を無視できない限り、VITに関係なくつぶされて死んでしまうか。まぁ私にその法則は無効だけどね。


「スキル{無限無法者(インフィニティレイジ)}」


ブラフマーとの戦いを経てスキル効果自体が進化し、自身が望んだことを実現することができるようになった。ただし、これに条件が加えられ、魔力を使用しないものに限る。ただ、魔力を使用する者は魔法で再現できるため、実際は何でもできるようになった。

今回したのは隕石に原子レベルで干渉し、原子単位に破壊、そして再構築してすべてを100g程度の石に変えた。その程度の重さの石の自由落下程度ではお互いにダメージを受けない。


「貴様今何をした?隕石を攻撃せずに石に変えるなどできるものか!」


「今のは内部から干渉して破壊したにすぎませんよ。ステータス差以外にもう一つだけハンデを差し上げましょう。私は攻撃魔法を一切使いません。」


「物理攻撃の効かない俺にそれで勝てると思っているのか?しかも素手だろ?」


「えぇ、武器を使う必要もないので。」


「そうかよ、そうやって舐めてると痛い目見るぜ。双極大魔法【加重無重力化(グラビティドミネイト)】」


「スキル{無限無法者(インフィニティレイジ)}」


発動する効果は重力による干渉の無効化。

これは危なかった。結界内における重力の圧を追加する極大魔法【加重(グラビティ)】と結界内の重力をなくし無重力空間を作り出す極大魔法【無重力化(ウェイトレスネス)】。この2つを掛け合わせることで過度な重力がかかっているのにもかかわらず無重力な状態が作られているという矛盾した状態を作ることができる。重力に関する矛盾状態では時間が経てば心臓を中心に新たな重力システムが完成し、内臓など、すべてが圧縮されて死に至る。

さすがに凶悪だね。私も試そうとしたことあるけど、失敗したときのリスクがでかすぎてできなかったんだよね。

今の私はスキルによって重力の恩恵を受けられない状態にある。つまり無重力状態、宙に浮いている。まぁ、結界を解除してしまえば魔法自体の効力も消えるしそれでいいか。


「【結界破壊(バリアブレイク)】」


「重力による影響を回避し、さらに結界を破壊したか。これで倒せなかったのは初めてだよ。」


「それはうれしいですね。それではそろそろこちらも攻めていきます。」


ファミスのAGIは無限に至っていない。つまり私の方が速い。それならやることは一つだ。

最高速まで加速してスキルによる攻撃を叩き込む。


「ちっ、無駄に早いな。だが俺に物理攻撃は効かないぞ。」


そんなものは意味をなさない。そろそろいいかな。あと5m射程圏内だ。


「{空間断裂}」


狙ったのは左わき腹。そこなら即死することはない。ただ、回復魔法以外での修復はできないのでこいつが回復魔法を使えなければこれで終わりだ。


「ぐはっ、なんなんだ貴様は。」


「この世界を創り出した神。その親友です。まぁ私も世界を創り出している神ですが。」


「なるほど、それならその強さも納得がいく。この俺に手傷を負わせることができるのにも説明がつく。」


「理由とか聞きたかったですけどもういいです。なんだか面倒になってきましたし。殺しますね。」


「さっきのが奥義なんだろ?もう俺にダメージを与えられるスキルはない。違うか?俺には2度目以降の攻撃は効かないぞ。」


「そのくらいわかっててやってるんですけどね。まぁいいや。{次元断裂}」


もちろん結界の展開も忘れない。そうでもしないとほかの世界を巻き込んでしまう。今回の対象はファミスの肉体すべて。つまり木端微塵だ。このくらいしないと魂まで壊せないかもだし仕方ないよね。

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