317話 リーンの世界の異変
世界の管理に関するシステム、というか魔法も完成したし、これをリーンにも共有しておこう。
(リーン、今から魔法術式の詳細を送るから発動させてみて。世界の管理に関して情報量がだいぶ制限されると思うから。)
(もう完成したのね。ありがとう。何となく分かったから発動させてみるわ。)
魔法術式というのは複雑で感覚的なものだ。その感覚でつかんで発動させられたみたいだ。私と同じように情報量が制限されてだいぶ楽になったと嬉しそうに報告までしてきた。
それにしてもあと20日間何しようかな。西方諸国連合に攻め込むのが20日後の予定だからそれまでこれといってすることがないんだよね。
やりたいこととか試したいことはたくさんあるけど、それは今しなきゃいけないことでもないし、後でもできるんだよね。というか、戦争中にすることじゃない。
南北方向の国をめぐるアンチデューン、ディア、ハンゾウそしてお父さん。みんな 今のところつつがなく巡れてるみたいだし。それにしても組み分け違ったかな?ハンゾウとお父さんだと、ハンゾウは瞬間移動できてもお父さんが自力での移動しかできないからちょっと時間がかかっちゃうね。南北の国はそれぞれ50か国くらいはあるから、それなりに時間がかかるかも。
まぁ、頑張ってくれるでしょ。それに私は戦いたいから西方諸国に派遣するわけにもいかないしね。
四天王に行かせれば転移もできただろうけど、四天王には軍の管理をしてもらわないといけないし、ほかに転移系の力を使えるカインとリーンにはクヌム王国に行ってほしかったから仕方ないよね。まぁ、あの2人に行ってもらうのは私が出撃するのと同時だからまだ先のことにはなるんだけどね。
スキルも魔法も、すべてが自由自在になった今、できないこともないし、やりたいことも限られてしまった。みんなで楽しく過ごせればそれでいいんだけど、世界がそれを許さないかもしれないし、全能であるがゆえにつまらないこともある。
って、だめだだめだ。こんなことを考えてると余計よくない方に考えちゃうからね。今はみんなが無事で私たちが生きやすい世界を創るために頑張ってくれている。そして私はそれをまとめて自分自身も動く。それができていれば十分なんだから。それでも足りないなら、ちょっとした娯楽を求めてもいいかもしれない。
みんなが楽しく生きていくためにも娯楽は必要かな。まぁ、それは今考えなくてもいいかな。また今度考えよう。それよりも今は戦争についてが最優先だ。
現状としては宣戦布告から25日が経過し、こちらが宣告した1か月半まではあと20日ちょうど。そして敵軍はこちらの結界を破壊しようと魔法で攻撃を続けている。こちらとしては転移以外の方法で外に出られないというのはとても厄介だ。転移がある以上物資が枯渇することはないが、不便であることに違いはない。一度脅して退散させてみようかな。いや、こっちから仕掛けるのは1か月半後って言ったし、相手にもそれまでに落とせればっていう条件言ったわけだし、それはさすがにダメか。
現状の確認は大体できたけど、暇なんだよな。誰かに模擬戦の相手でもしてもらおうかな。今残ってるメンバーで四天王以上だとリーン、カイン、オグレス、エレン、ルイ、シャナか。カインは正直相手にならないし、シャナ、オグレス、エレンも同様かな。ルイはこっちが魔法を使わないって条件なら結構いい戦いできるかもだけど、ステータス限界を突破してから身体能力も向上してるから前とは違うかも。
まぁ、リーンと戦って見ようかな。お互いに情報も流れてこなくなって楽になったことだし。
(リーン。さっきの今で悪いんだけど、暇?)
(ごめんねリア。ちょっと私の世界の方でトラブルが起こってそっちの対処をしてるから今は無理かも。)
(何か起こった?)
(ざっくりいうと、魔王が生まれて、創造神の力を得て、世界を破壊して作り直すとか言ってる。)
(それはなかなかだね。私が行こうか?誰かと戦いたくてうずうずしてたんだよね。)
(そんなに戦いたいなら行ってもらってもいいけど、多分大したことないと思うわよ。)
(大丈夫。その世界のステータス制限ってどうなってる?)
(外部からだとこの世界と同じにしてあるけど?)
(それじゃ、外部の存在に対して∞までの制限つけといて。戦いを楽しみたいからね。)
(相手のステータスには概念突破してるものもあるけどそれでいいの?)
(いいよ。それじゃ設定しといてね。時間の加速は止めてあるんでしょ?少しは猶予あると思うから設定とか終わってから私をその世界に転送して。リーンの部屋に向かえばいい?)
(そうしてくれると助かるわ。終わり次第こっちにあなたを引き戻すから終わったらそのまま待っててね。)
なんか面白そうなことだったし首突っ込んだけど、これは楽しめそうだね。




