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312話 有利な状況

すべての世界を消した。そしてスキルも全て捧げた。ブラフマーとの戦いの代償は少なくない。それでも、倒すことができたのだからおつりがくるくらいだろう。あいつは自身の所有する世界をもてあそんでいた極悪人だ。生きている価値はない。

私が転移しようとしたその時、私は突然視力を失った。いや、五感のすべてを失った。それでも意識はある。これが究極の域にたどり着いたものの感覚なんだ。どれだけ肉体を壊されようと精神に攻撃されようと、精神が死んでさえいなければ死ぬことがない。

いくらなんでも油断しすぎだったかな。まさか仕留め切れていないなんて。


「見事だった。だが、貴様ではその状況からの再生など不可能だろう?」


ブラフマーめ。完全に再生してやがる。あの{次元断裂}から精神を守り切るなんて。それに今私に当てた攻撃、これは精神事切り刻むもの。そう、私はこれを知っている。究極の存在すら殺しうる最強のスキルだ。

まさか生き残って同じ技を喰らうなんて。ここから挽回する方法は何かないか?再生にはまだ時間がかかる。あと5分あれば一気に再生できるけど、それまでブラフマーが待ってくれるはずもない。ブラフマーもスキルをすべて消滅させたとはいえ、精神への攻撃はそれとは関係ない。

いや、リカに戦ってもらおうか。そして時間を稼いで私が戦線に復帰する。それならいけるんじゃない?銃はまだそこに転がっているし。


(〈神魔力銃〉の合体を解除。)


その指示を受け、〈神魔力銃〉が光を放ち、そこには〈神魔力首輪〉を装備しているリカと6つの神器が転がっていた。リカはそれらをすぐに次元収納に収納し、〈神魔力細剣〉のみ手に取り構える。


「ほう。もう復活したのか。いや、先ほどの分身体のようだな。神器の合体に巻き込むことで戦闘から身を守らせていたのか。だが分身程度で俺を止められると思うなよ!」


ブラフマーの放つ魔法の威力はかなりのものだ。それでも40のスキルが合体した権能を持つ{無限無法者}を持つリカは簡単に対処してしまう。ただ、戦闘知識はあっても経験は浅いし、体の動かし方もまだ少しぎこちない。


「これを防げるとは。スキルも所持せずによくこれを受け止められたな。これは{次元断裂}{魔力支配}の両方を所持していないと知覚することすらできない魔法なんだが。」


リカがいい感じに時間を稼いでくれている。まだ攻撃には転じれていないけれど、このままいけば私の復活が間に合う。それにしてもスキルと魔法の扱いだけは一級品だね。管理をさせていたんだしさすがというべきかな。さすが私だ。

もうちょっとだ。あと10秒で魔力が練りあがる。それの開放と同時に肉体の再構築の魔法術式を開放すれば肉体が復活するはず。

リカがブラフマーの攻撃を回避し、そこに追撃を加えるブラフマー。まずい!あれは精神生命体を存在ごと消滅させる魔法をまとわせている。リカも気づいてはいるだろうけど、回避できない。

命中する直前に肉体の再構築が完了する。それと同時に魔法を発動させ命令を下す。


(並列意志を体内に吸収)


命中する直前にリカの意志だけが肉体から抜け出す。そして分身体は砕かれる。何とか生き延びたリカが話しかけてきた。


(マジで危なかったよ。ありがとうリア!)


(いや、リカがいなくなったら勝てないし、それに時間稼ぎまでしてくれた。ありがとうね。追加の注文で悪いんだけど)


(スキルのコピーはもう完了しているよ。魔法の管理は私がやるからリアは体術に集中して。ここで確実に倒すよ!)


(さすがリカ!それじゃ行こうか)


「再生を完了させたか。それに分身に忍ばせていた並列意志も元の肉体に戻るのが間に合ったらしいな。それでも貴様ら2人の力で俺に勝てるものかよ。お前らはよくやった。今降伏するなら配下にしてやってもいいぞ。」


「私がその条件を呑むとお思いで?」


「呑まないだろうな。それではここで死ね。」

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