305話 決戦~リアの戦い~
転移先の【リアの世界】には大量の創造神たちが隔離されていた。もちろん複数の結界で覆っているので脱出はできないと思うけれど、【創造神】が何かしらの方法で呼び戻したり、こいつら自身が抜け出して邪魔になるかもしれないし、全員殺して、もし世界を所持してるやつがいたら奪い取って魔法の糧にしてやろう。
「貴様、ブラフマー様とわれらを分断するとは何が目的だ!」
やけに威勢がいいのがいるな。話してる時間ももったいないし、さっさと倒そうかな。
「無駄話をするつもりはありません。皆さんにはここで死んでもらいます。」
「ここにいるのは全員が創造神だ。そんなことができるものか!」
「はいはい。じゃあそう思い込んだまま死んでください。想像魔法【神殺のオーラ】」
周囲に黒い瘴気が広がる。その瘴気は瞬く間に結界の初めでたどり着きそこで止まりさらに充満する。この瘴気に当てられた者が神であり、格下だった場合一定確率で死に至らしめる。しかし今回はその瘴気をあたり一帯にはなったことで瘴気が充満し、死ぬかどうかの確率の判定が無限に繰り返されることになる。つまり、確立など無視して殺すことができる。
1分ほどで創造神たち全員の死が確認できた。その死体はその場に放置せず、消滅させておいた。それを依り代に復活とか言われても厄介だし。
さて、ここにいた時間は長くて3分ってところかな。さすがに誰もやられてないと思うけど、急ごう。スキル{究極神}の転移能力を発動して【創造神】のいたあの場所、【究極【創造神】の間】に転移しようとする。
(リアだめだ。あの場所への干渉が禁止されてる。というよりあの場所のある世界自体が活動を停止してる。多分時間を止める魔法を使ってるんだと思う。ほかの世界に影響が出てないみたいだし、ほぼ確定。ただ、自分の世界だけで他の世界を巻き込まずに時間を止めるってなると条件が厳しいから多分みんなもその空間の中で動けてると思う。あくまでもリアを分断するための策って考えていいかな。)
(ありがとうリカ。あなたは例の魔法の準備をしてて。私がどうにかしてあの空間に侵入できるようにするから。)
(わかった。頑張って!)
さて、どうしようか。あの空間がある世界がどこなのかは把握できている。ただ、どこに入り口があるのかがわからない。時間の進みが止まってる以上私の体感時間と全く同じ時間を過ごしていると考えていい。別の世界にわたるにしても少しは時間に余裕を持てる。
以前『世界の狭間』に行ったときにはそれらしい世界は確認できなかった。その世界の名前は【ブラフマーの世界】間違いなくあいつが自分自身で作り出した最初の世界だ。『世界の狭間』という空間を作ったのがあいつとなると、自在に位置を入れ替えられる可能性がある。それにあいつの頭部は4つの頭がくっついたような形だった。もしかすると、並列意志×4の可能性もあり、こっちの動向を探っている可能性もある。
(リカ、やっぱり中断。今すぐに完全認識阻害の魔法をお願い。)
(できてるよ。私が魔法研究でそんなのも作ってないと思ってたの?)
(さすがだねありがとう。例の魔法はいつでも使えるようにしてもらえると助かる。)
さすがリカ。私なだけある。それじゃあ認識阻害をしたところで、『世界の狭間』に行ってみよう。
『世界の狭間』それは【創造神】たちによって作り出された世界が大量に保管されている場所であり、すべての世界がそこに入り口を有している。その中で起こっていることを覗き見ることもできるし、対象の魔力から世界を見つけ出すこともできる。
そう。私はみんなの魔力を知っている。そしてそのなかでも一番濃い魔力を有しているのは・・・・・・。
リーンだ!リーンの魔力を探っていこう!そうすれば入り口まではたどり着けるはず。
なんで?感じられない。いや、どこかにある感覚はある。でも、どこにも感じない。どの世界の入り口にもリーンの反応がない。
いや、今かすかに何か反応があった気がする。リーンが魔法を使ったんだ!それで少しではあるけれど反応があった。この反応は地下からだ!そういうことか。
ステータス限界を突破すると物理攻撃がどうなるのかはわからないけれど、今試せそうだね。
地面に向かって思いっきり殴りつける。地面の中だと魔力を探しづらいんだ。それで地上からの探知では反応がなかった。やばい。もう体感10分以上が経過してる。みんな無事かな。
地面が崩壊し、その下に地下が現れ、そこにひときわ大きな輝きを放つ入り口があった。その世界は【ブラフマーの世界】!やった当たりだ!でもかなりやばい。正直こっそり入っていって【創造神】を転移させるとかそういう次元じゃなさそう。
ルイ、オグレス、シャナが戦闘不能。ほかのみんなもかなりボロボロだ。しかも何か大技を放とうとしている。これは私が止めに入らないと確実に死ぬ。リカならブラフマーの管理する世界で生まれていない扱いだから、世界の外だろうが関係なく転移魔法を発動できるはず。
「分身。並列意志移植!」
速攻で分身を作りリカを移植して私は世界に飛び込む。それと同時にブラフマーの大技が繰り出され、防御障壁で守り切れずもろに食らってしまった。




