301話 リアとリカ
〈個人世界〉を出て目を覚ますとすでに1週間が経過していた。
(リカ、ありがとうね。これからも戦いのときとか頼ると思うからこっちの思考を共有できるようにしといて。)
(オッケー。私は魔法を担当すればいい?)
(そうだね。魔法を全般担当してほしい。苦戦しそうだったら分身体にリカの意識を移すからそのつもりでね。)
(じゃあ、私も自由に動けるようになるの?)
(そうだね。ただ、【創造神】との戦いの最後の手として使いたいから、早くてもその戦いまでは私の中にいてね。そのあとは私の分身の体を物質として想像してあなたのものとして使っていいから。)
(分身体には通常スキルは引き継げないけど、構造を理解してる私がいればすぐに使用可能になるだろうし、いいね!)
(戦いが終わったらアランにどっちが私かクイズ出してみたいよね。)
(確かに!それ面白そうだね。そのためにも2人そろって生き残らないとね。)
(うん。それでリカ、さっき言った分身創造してリカをそっちに移す魔法を条件発動式でつくって発動させておいてほしいんだけどいい?)
(オッケー。すぐに創るね。合言葉設定できるけど何がいい?)
(そのまま「分身創造」でいいんじゃない?それが一番わかりやすいでしょ。)
(じゃあ「分身創造リカ」って言ったら発動するようにしといたからこれでいつでも発動できるよ。分身創造はもしかしたら何かで言っちゃう可能性もあるから、後にリカってつけてね。)
(ありがとう、リカ。それじゃ聞きたいんだけど、【創造神】との戦いについてどう思う?)
(それなんだけど、昨日起こった急激な力の上昇、そして魔法に関してのラグとか不便さの解消の監視からすると勝率自体は相当高いと思う。ただ、相手がこの域まで来てるなら何か対策を考えておいた方がいいかも。この世界で得られることはもう何もないからほかの世界で何か得られないかは探してみてもいいかも。それこそ今のリアなら日本にも行けるからどうにかして現代兵器を奪ってくるとかしてみてもいいんじゃない?)
(それはさすがにやりすぎじゃないかな?日本で罰せられなくても相当大きな問題になっちゃうよ。)
(それじゃあさ、まだ作ってない最後の神器あるでしょ?それについて一つ提案があるんだけどいい?)
(うん。【創造神】の方の神器のうち3つは相手が持ってて、3つは私たちが持ってる。そして残りの一つは所在が不明。何かしらの方法で隠されてるんだろうね。ステータス限界を突破してこの世界に関することは手に取るようにわかるけど、それだけは分からないんだけどね。)
(それも相手が隠し持ってると信じるしかないでしょ。そうじゃなくて今回はこっち側、リアが作った神器について。敵の神器でいうところのエクスカリバーの枠のものだけ作ってないでしょ?それの合体型をどうするかってこと。)
(確かにそれは大事だね。相手の方は体に纏うオーラでしょ?それならこっちは攻撃系の方がいいのかな?)
(そうだね。っていうかあなたも私と同じ意見でしょ。あなたは私で私はあなたなんだから。)
(そうみたいだね。守りに関してはもう一つの神器でできる。すべての神器の効果を取り込み、肉弾戦にもかなりの補正が入るらしいしね。そうなるとこっちが作るべきは・・・・・・)
((銃だね))
(それじゃ制作に入るから、リカはもう少し魔法について研究と、新しい力への適応を進めておいて。)
(適応しきってないのバレた?)
(バレバレだよ。もっと頑張って適応してみて。それじゃ頼りにしてるよリカ!)
(任せてよりア!)
私とリカはまさに一心同体。その記憶、意識をも共有できる。それに私はリカであり、リカは私なのだ。人格は別にあるけれど、どちらも私だ。ただでさえ強い私が2人。これは【創造神】に対するいい切り札になるだろうね。




