300話 究極神
アンチデューンたちとの模擬戦を終え、私は一人玉座の間にこもっていた。ステータス限界の突破。これこそが私が求めていたこの世界の極致。あの2人は単独でその域に至っていないからこの世界の核心にたどり着いていないのかな?でもこれで初めてステータス限界を突破した対象の鑑定に成功した!つまり{世界の理}が役に立つ。
ステータス限界
【基軸世界】に存在するすべての存在が超えることができないとされているステータス上の限界値の事。概念突破状態を最大値としてそれ以上の成長が不可能になる。
なるほど?それを突破するにはどうしたらいいんだ?やっぱりこの世界以外の世界じゃないと開花はさせられないっぽいけど、これって〈個人世界〉なら開花させることができるのかな。一度開花させたステータスやスキルはどの世界に行っても基本的に引き継がれる。それはおそらく精神世界でも適応されるだろう。
(リカ、これからまた〈個人世界〉に入るけど、私が声をかけるか2週間たつかしたら起こして。)
(オッケー。あと、いろいろと魔法が完成したから想像魔法に組み込んじゃうね。)
(その辺は好きにしてもらっていいよ。)
そして私は再び〈個人世界〉へと没入した。さて、どうすればいいかな。前回強制的に起こされたとき同様あたり一面には草原が広がっていた。空も再現されている。この中に相手を引き込む特殊な結界術とか作れないかな?何かデメリットをつければ精神ダメージの軽減の補正を付けられるかも。相手が空気に触れただけでダメージ受けるとか正直意味わかんないし。それは後でいいか。
今はステータス限界だ。これ以上この精神世界に変化はない。現状の私の心はどろどろとしたどす黒い感情に加えて、その先の未来を創造したことによる明るい未来。その後者が勝利したことによってこの景色が広がっている。つまりこの世界は私の思い通りに動かすことができるはず。ステータス限界を突破する領域というものを強引に作り出せばいい。もし魔力が尽きたとしても意地でも作り出す。それで【創造神】を倒せるのなら安いもんだ。
その瞬間、周囲の景色が一変した。草原だったはずの周囲はステータスという文字が大量に並ぶことで壁を作りそれが球をなして私を閉じ込めている。最初は余裕のあった球が少しずつ狭まっていき、ついに私の体を抑え込み始めた。さすがにこのままじゃいけない。壊さないと。
どれだけ攻撃しても壊せない。もうつぶされそうだ。つぶされても死にはしないけれど、ここでの攻撃はすべて精神への攻撃。何が起こるかわからないことは避けたい。
もうどうなってもいい!
魔法の開発と出力を同時に行う。もしこれが失敗したら私は死ぬかもしれない。それでもするしかない。これまで溜めてきた約3万の世界のうち1万を生贄にして魔法を創ると同時に開放する
「概念破壊魔法{自己内部破壊}」
これはもし創造に成功していれば自身の内部からすべてを破壊することでステータスの限界自体も壊してしまう。といったものだ。つまりスキルも消滅してしまう。けれど、今hそれは問題ではない。私の予想ではそんなことは些細なことだ。
そして魔法の力が解放された瞬間周囲にあった球が粉々に砕け散った。
これは成功したってことでいいのかな?
まぁ失敗したなら押しつぶされてただろうし、とりあえず成功と考えていいかな。とりあえず鑑定してみようかな。
究極神リア
スキル{究極神}
魔法:想像魔法
うん!やっぱり成功してる。ステータス限界を突破できてる。それに究極神っていう新しい神の分類にスキル。これは全部が予想通りだったけど、ものすごくいい!
{究極神}は悪魔神のと全く同じ、ただ使用にラグが発生しない。そもそも究極神に至ったものが使用するスキル、魔法はすべて自動発動になるらしい。何をどうしたいか。そういったことを思い浮かべると同時にそれを具現化することができる。それが究極神、そしてステータス限界の突破に至った者だけに与えられる特権なのだろう。
これなら【創造神】とも十二分にやりあえるかな。




