291話 仲間
「ルイの神器はこんな感じかな。」
さっと魔力を練って作り上げる。
「これはとてつもない力を秘めていますね。」
「うん。名前は〈神魔力槍〉。伸縮自在で好きなように長さを変えることができて、魔力を込めなくても魔力が必要な技を繰り出すことができる。そして所持者へのダメージをある程度肩代わりしてくれるから、ルイの防御力でも十分戦えると思うよ。」
「ありがとうございます。」
「ルイなら鍛錬を積まないでも使いこなしちゃいそうだね。それじゃそのままちょっと待っててね。みんなを呼ぶから。」
「かしこまりました。」
(四天王、三魔将、アラン、リーン。玉座の間に集まって頂戴!)
5分ほどで全員が集合した。ついに最終決戦の作戦について最低限の共有をするのだ。
「みんな、ついに【創造神】に挑む用意ができた。みんなの鍛錬の時間は足りてないからすぐに殴り込みに行くとは言わないけど、今のうちに作戦に関して最低限必要なことだけ共有しておくね。」
みんなの顔を見渡すとみんな頷いてくれた。
「決行日は後日連絡するね。万が一洗脳とかで作戦が漏れることを防ぐためにみんなに伝えておくのはたった1つだけ。すでに聞いてる子もいると思うけど、みんなの担当だけを伝えておこうと思う。誰が誰を相手にするのか。敵の戦力は私たちの標的である【創造神】、そしてその配下の【創造神】は数が不明。千以上いるかもしれない。ほかの配下はいないもしくは雑魚だと考えてもらってもいいけど、配下の【創造神】はリーンくらいの強さがあると思ってもらっていい。そして分担は私が配下の【創造神】全部を相手にして、ボスの【創造神】をあなたたち9人で相手してもらいたい。」
「それは少し無謀ではありませんか?」
ルイがそういうのもわかるけれど、こうでもしないと勝率はさらに下がってしまう。
「もちろん、雑魚を倒し終えたら私も合流する。それまで誰も死なずに堪えてほしいの。相手がさらに追加の戦力を用意できるかもしれないけど、そんなことはどうでもいい。とにかく私が配下の【創造神】たちを全部倒すまでの時間を頂戴。そしたら、【創造神】本体は私が倒す。もちろんみんなの手も借りると思うけど。あと、魔法通話は盗み聞きのリスクを考えて禁止。そして最後に。相手はこの世界を創った【創造神】それでも私たちはあいつを倒さなきゃいけない。だからといって絶対に死なないでね。みんなでカバーしあってうまく【創造神】の注意をひきつけ続けてちょうだい。それがうまくいきさえすればきっと勝てるよ。」
みんなは静かに私の話を聞いている。相手はあの【創造神】だ。たった9人で挑むなんて正直荷が重いだろう。それでもそれをやってもらうしかない。私たちが勝利するためにも。みんなのステータスは限界まで育てた。神器も装備させた。あとはみんなを信じるしかない。
「それじゃみんな今日から決戦の日までしっかり鍛錬を積んでさらに強くなれるよう精進してね。」
私の呼びかけに各々返事をするので聞き取れなかったが、みんな気合は十分みたいだ。みんなが武器を使いこなして【創造神】と戦える時まで私も力を蓄えないと。




