28話 カインとの会話
「{鑑定}が使えるんだろう?それはどんなアイテムなんだい?」
カインがそう尋ねてきた。
「アイテム名は〈創造神の指輪〉。効果はスキルや魔法を使うときに自分に不利益を与える効果をなくすというものです。」
この世界では、メリットやデメリットといった言葉は通じないのでこのように説明した。
「君の場合だと「ソニックムーブ」とかかな?それにしてもかなり強力なアイテムだね。」
カインがそんな風に話しかけてくる。ほかの3人はリアのことをあまりよく思っていないのか話始めるくらいに眠りについた。そんな3人を見ているとカインが、
「こいつらも悪い奴らじゃないんだけどね。君の力が圧倒的過ぎて君のことを妬んでいるんだよ。僕も君には少し嫉妬しているよ。魔法だけでなく、剣の腕さえも僕より上なんだからね。」
そんなことを言ってきた。この人はどんな人にも分け隔てなく接することができるのだとリアは感じた。前世とは決別してこんな人になりたいとも思った。
「ギルドからの指示もあるからそれに関することを質問してもいいかな?」
「はい。」
「まず、今回10層まで行ったわけだけど、手に入れたのはその指輪だけかい?本当は僕たちが目で見て報告しなければならないんだが、恥ずかしいことに気絶してしまったからね。」
「ええと、8層では、金貨50枚を手に入れました。」
「金貨50枚!!!!!?」
「はい。9層の宝箱はミミックだったので開けませんでした。で、10層の宝箱がこの指輪です。」
「1年は遊んで暮らせる金額に、ヤバいくらい強い装備品か……。わかった。
あと、ここからは個人的な質問なんだが、最後に使った魔法って何なんだ?」
「あれは極大魔法です。私のスキルを使って魔力量を上昇させて使ったんです。そうでもしないと魔力が全然足りないので。」
「極大魔法って言ったら、魔王でさえ行使できないとされている神の御業じゃないか。そんなものを扱えるなんて君は本当に異次元の存在だね。そのスキルってのはどんなものなんだい?」
「さすがにそれは秘密です。」
「そうか。まぁそうだよな。ここまで教えてくれてありがとう。そのお礼といっては何だが、魔王について教えてあげよう。冒険者の中でも勇者候補とまで言われないと知りえない話だよ。」
そういってカインは語り始めた。




