278話 進化のための世界
悪魔神への進化に関しては、準備に少し時間がかかりそうだったのであとでこちらから連絡するといってアンチデューンとディアは帰した。そもそも悪魔神というのが【創造神】や闘鬼神と同格かどうかもわからない。もちろん素のステータスで考えるならば人間よりも悪魔の方が上の存在にはなる。悪魔は他種族から得た悪感情を糧とする。得た悪感情の量が多ければ多いほど強くなり、進化していく。人間は他の種族に比べて放つ悪感情の質も量も一級品であるため、悪魔たちはこぞって人間にちょっかいを出すらしい。悪感情を得るのに最も効果的な方法は、世界を創り出す時点であの2人に対しての負の感情を抱かせることだろう。ただそうなると、世界が生まれた時点で人々がいて、全員何代も前の先祖が存在しているということになり、それをすべて設定するのは至難の業だ。なので、何か信仰対象の魔物か何かを配置して、あの2人に殺させて、殺したのがアンチデューン、ディアという名の悪魔2人だという風に噂を流してしまえば十分にヘイトを集めることができるだろう。
でもそれだとヘイトが2人に分散してしまうから、同じような世界を2つ作ってしまってそれぞれ1人ようにすればいいかな。そしてその世界の広さと人口をこれまでの世界の50倍にする。これによって悪魔神の場合30の世界から集めていた悪感情を一つの世界から集められるようにする。
「まずは世界の創造か。」
先ほど思い描いていた世界を詳細まで設定する。信仰対象になる魔物は何がいいかな。とりあえず魔力量と強さを設定して、天使族とかにしとこうかな。悪魔が倒したとなると更にヘイトが集まるだろうし。
世界の広さはこれまで創った世界の50倍。人口もそれに応じて勝手に増えるだろう。時間の進みは【基軸世界】の1億倍。つまりこちらの1秒で約3年が経過する。これなら、すぐに人口も増えて文明も発達するだろう。さらに、【創造神】の干渉を防ぐために魔王城に張っているものと全く同じ決壊を世界全体に張り巡らせている。
「{無限無法者}」
{創造}の権能を呼び出し、すでに想像は完了しているのであとはこれをアウトプットするだけだ。目の前のディスプレイに触れ、世界の創造が開始される。今までと比べても桁違いの魔力量を吸われている。これはとてつもないかもしれない。世界の広さもだが、結界が魔力量を食っているらしい。これからこの世界が続く限り永続的に機能する巨大な結界なのだから、どれだけ魔力があっても足りないくらいだろう。
これまでの世界の創造よりも圧倒的に時間がかかり、約2時間もかかって大変だった。でも、いい感じにできたみたいだし良しとしよう!
イメージしたものがそっくりそのまま完成したみたい。もう人類も誕生してるみたいだし、順調だね。これをもう一回やるのか。
「めっちゃ疲れた。」




