273話 それぞれの鍛錬内容
ステータスについては現状では何もわからないのでいったん保留にして、今後の方針について話し合うことになった。現状神器も見つかっていないし、ステータスをこれ以上上げる手段についてもわからない。つまり現状手詰まりなわけであって、これ以上できることがない。閉じこもっていれば【創造神】の影響を受けることはないだろうけど、相手から攻めてくる可能性もある。それは【創造神】側にメリットがないからないと信じたいけれど、あらゆる可能性を考慮しておくべきだろう。
「現状ほぼ手詰まりな状態なわけだけど、みんなはどうすべきだと思う?」
「これだけの戦力があるのだから、攻め込んでもいいんじゃないのか?正直俺とリアとリーンだけでも十分すぎる戦力だと思うんだが。」
もっともな意見だ。アランは現状のこちらの戦力は正確に把握できてるみたい。でも相手の戦力は知らないから仕方ないか。
「いや、相手の戦力が未知数なうえに正直、これじゃ勝てない気がしてる。相手は【創造神】とはいっても、私やリーンとは違って大量の世界を創り出してる。それだけ強大な力を獲得しているってことになる。」
「じゃあ、2人も世界をたくさん作ればいいんじゃないか?」
「それはそうなんだけど、管理が行き届かなくなると、ほころびが起きるんだよね。たった3つでも全く手を加えていないと、問題が起こったりするんだから。【創造神】は全部の世界で自分より強い者が生まれないようにしてるんだと思う。確かにそれもできるけど、作った世界同士での争いがあると困るんだよね。でも、これ以上できることもないし、やってみる価値はあるかも。」
「ならやってみましょうか。」
「私も同時にやるから、どんどん創っていって。とりあえず20個くらい。」
「わかったわ。」
そして私とリーンは世界を作り始めた。リーンはおそらく前創った世界を少しいじった程度のほぼコピー品だろうけど、私は少し違う方法をとっていた。スキル{創造}では思い描いたものを現実にする効果がある。逆に言うと、思い描いたことでなければいけない。しかし、穴はあった。前回世界を作った時に地形などを適当に思い浮かべた結果これまでとは全く違う地形の土地ができた。つまり、そこにあるということ以外何も思い浮かべていなければそれはランダムで決定されるということだ。陸地の大きさ、魔力の濃さ、生物、特殊な魔物、などを設定するだけで、割とランダムにすべて違う世界が作り出される。そして、スキル{スキル作成}の権能を使用して{無限無法者}の中に新たな権能として{並列演算}を組み込んだ。あくまでもスキルのみではあるが、3つまで同時進行することができる。つまり、リーンが20個の世界を作っているうちに私は60個の世界を創ることができる。それから40分ほどで、私もリーンも予定していた数の世界を創り終えた。無限の魔力とはいえ、疲労感がすごい。
「とりあえず20個作り終えたわよ。これすごい疲れるわね。」
「そうだね。ステータスに何か変化はある?」
「いいえ。これといっては何も起きてないわね。」
「そっか。私もだし、まだ足りないのかな?とりあえずできることもないし、1日20個を目標に世界を創り続けてみて。もっと創れそうだったら創ってもらっていいけど、無理をしない程度でいいから。」
「わかったわ。」
「ほかのみんなはとにかく鍛錬を積んで。カインとアンチデューンは配下のレベルを上げて、そのステータスを吸収するっていうのを繰り返してみて。どこまでステータスを上げれるかを見てみたいから。とりあえず1か月間それぞれ今言った方法で強化してみて変化がなければまた別に考えてみるから。ハンゾウに神器も探してもらってるからそれは見つかり次第、私がとりに行くから、みんなは私からの連絡があるまで鍛錬を積んでてちょうだい。」




