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270話 父の目覚め

リーンが【創造神】になってから2週間が経過した。食料などの物資は【リアの世界】や【守護竜の世界】から持ち込むことができたので現状困ったことは起こっていない。クヌム王国のメルガロ王との会談についてはハンゾウの分身を送り込み、全体的な話は私が行い、【創造神】の干渉を防ぐためにも事情が変わったといいくるめてしばらく交易を中止することになった。その他すべての国に同様の内容をハンゾウの分身によって伝えた。現在魔王量は実質上の鎖国状態となっているわけだ。

そして今日はアンチデューンとカイン、ディアを呼んでリーンもあわせて5人でお茶をしていた。まぁ、話している内容はとてもお茶に合うような話ではないのだけれど。


「リア、俺たちもリーン同様に進化したいのだが、できないのか?」


そう今日みんなを集めたのは【創造神】になることについて少し話をしたかったのだ。こればっかりは実験もできないし、みんなの意見を聞いてみるしかない。


「私もそれを聞きたくてみんなを集めたんだよ。特にアンチデューンとディア何か知らない?世界を作る方法、もしくは神になる方法的な奴。」


二人は顔を見合わせ、お互いに首を横に振ると、アンチデューンが、


「私共の知識にはございません。お役に立てず申し訳ございません。」


「それは私も知らないから、謝らなくていいよ。それで、みんなはそう思う?私は置いといて、鍛錬を積んできた時間の長いカインやアンチデューンにはスキル{創造}を授けることすらできないのに、リーンは自力で獲得して【創造神】になれたことについて。」


「ありえそうなのは、元が魔法使いだからとかだけど、それだとアンチデューンとディアも満たしてるんだよな。」


「そうなんだよね。進化の順序かとも思ったけど、私は【創造神】になってから支配者階級(ルーラード)になってるのに対して、リーンは支配者階級(ルーラード)を経てから【創造神】になってるから、そうでもないし・・・・・。」


「種族はどうでしょう。特定の種族のものは進化できるなどの可能性はないでしょうか?」


「それも考えて、低級の魔族の魔力量を無理やり増やして、進化させたんだけど、やっぱりスキル{創造}の付与はできなかったんだよね。」


皆が黙って、今日は結論が出なかった。最近はいろいろなことについて話しているが、【創造神】関連は今日が初めてだったっけ。軍の編成とか、魔王城を拡張するべきかとかそういうことばっかり話してたもんなぁ。今日は早めにこのことについて意見を聞いときたいって言って無理に時間を作ってもらっただけだし、明日からはまた軍についてか。私いなくてもいいんじゃないかな。私が何も言わなくても勝手に話を進めてくれてるし。

そんなことを考えながら会議に参加し、余った時間で交流の少ない配下達にねぎらいの言葉をかけて回る日々。これといって変わったこともないけれど、引き篭もるだけでこんなにも暇に感じるものなんだ。

さらに3週間、あれから、これといって変わったことはなく、同じような毎日を過ごしていた。もちろん神器は見つからず、【創造神】になる条件もつかめないまま。今日くらいにはお父さんが目覚めるかな?


(リア様、アラン様がお目覚めになりました。)


ハンゾウから、魔法通話で連絡が入る。すぐにアランを寝かせている部屋へと向かう。


「お父さん、体の加減はどう?」


「おぉ、リア。いい感じだよ。進化する前よりも若くなった気がするな。現役のころと同じような感覚だ。」


「そっか。それはよかった。それじゃあステータスを見るから、少しじっとしててね。」


予定では2段階の進化なので超越存在(アルティメット)支配者階級(ルーラード)と進化するので支配者階級(ルーラード)が妥当な気もするけれど、もともとの魔力が少ないから、超越存在(アルティメット)までしか進化してないかも。


アラン 神格階級(ディエティー)[◆◆◆◆]

スキル:◆◆◆◆◆◆◆

HP ∞

MP 0

STR ◆◆◆◆

VIT ∞

RST ∞

AGI ◆◆◆◆

称号:神格階級(ディエティー)、◆◆◆◆、◆◆◆◆、◆◆◆◆


なんだこれ。神格階級(ディエティー)になってるみたいだけど、あちこちの表示がバグを起こしてる?基本的には◆が表示されているけれど、時折ノイズのようなものが走る。

種族名は人間のまま神神格階級(ディエティー)に進化できないから種族を変更しないと表示されないってことなんだろうけど、ほかは何だろう?まず何で神格階級(ディエティー)に進化してるの?アランは1か月くらい前までただの人間だったっていうのに。

とりあえず、種族について聞いてみようか。


「お父さん、なりたい種族って決まってる?」


「それが決まらないんだよなぁ。何かよさげなのないか?今の俺に合いそうなやつ。」


「ステータス的には鬼とかどう?オーガとは少し違うけど、いい感じになると思うよ。」


「じゃあ、それでいいかな。見た目は気にしないし、俺は強くなることができれば何でもいい。」


「わかった。それじゃあ私の権限でって言いたいところだけど、私じゃもう干渉できないから、自分でやってみて。お父さんも神格階級(ディエティー)に進化してるから、できると思うよ。自分の体のどこでもいいから手を触れて、鬼になれって思い浮かべてみて。」


「わかった。」


するとアランの体から光がはなたれ、それが収まるころには凛々しい顔立ちの鬼、いや鬼神の姿があった。

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