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【完結】転生チート少女、チートスキルを得て勇者になる  作者: 雲英侑李
第5部 1章 決戦準備 編

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262話 国王メルガロ

牢に入れられ3時間が経過。改めてハンゾウに連絡し、現在メルギス前国王がどこにいるのかを捜索するよう依頼し、現状を割り出せた。メルギスは現在病で療養中であり、ここ1年ほどは息子のメルガロが王として政治のすべてを担っている。メルガロ王は素晴らしく有能であるため、国民に慕われている一方で、他人の言葉を鵜呑みにしてしまうことが多々あるらしい。{神眼}も使用できないのでステータスなどについても嘘を看破することができない。あの状態の冒険者カードはメルガロには見破れないだろう。

現状、メルギスの{神眼}でカードを見てもらうかメルギスが死ぬかどちらかが必要になる。メルギスの容体は安定しているらしいのですぐに死ぬことはないだろうし、無理に{神眼}を使わせて体に負担をかけるのもよくないか。


ギィィィィ


そんな時、ゆっくりと扉が開かれた。どうやら王の側近か何からしい。衛兵が跪いている。そして指示を受けた衛兵が牢を開け、私の口についている縄だけを外した。正直あれの不快感はすごかったので助かる。


「冒険者カードについて聞きたいことがある。」


「でしょうね。すみません。てっきり、{神眼}は生まれつき国王家の方がお持ちになられていると勘違いしており・・・。ほかの方に見られるのを防ぐため、あのような細工を普段からしていたのです。」


「そうか。それでは誰になら見られてよいと考えている?」


「そうですね。国王陛下とその側近の中でも最も近い位置にいる方くらいですかね。私については知らない方がいいことも多いので。」


「そうか。それではついてこい。国王陛下からは返答次第で連れてくるよう仰せつかっている。くれぐれも無礼を働くなよ。」


「はい。」


なんとか国王まではたどり着いたみたいでよかった。確かに本人に抵抗の意思がないようなら、本人に確認するのが手っ取り早いよね。あと、私の両手を拘束している枷にはスキルの使用と魔力操作に干渉してそれぞれ使用不可にするような力が込められているらしい。私には効かないみたいだけど。

それにしても全く私を連れていく気配がないみたいだけど、どうしたんだろう。


「これから魔法でお前を面会用の牢へ飛ばす。行くぞ。」


「ちょっと待ってください!私には魔法が効かないので、転移もできません。私自身の魔法でないと転移や回復も無効になります。」


「何?それでは手枷に込められている呪術も効いていないということか?」


「はい。魔法も使用できますし、スキルも同様です。私に逆らう意思はありませんので普通に連れて行ってください。」


「いや、そこは転移でないとは入れないようにしてあるのだ。仕方がない。ここで面会するしかないか。衛兵たちよ、即座にこの場から立ち去れ。そして王をここへお連れしろ。」


指示に従って衛兵が動き、すぐに追うらしき人物が現れた。先ほどの側近らしき人物から王へある程度の説明がされ、王が私に問いかけてきた。


「正直に答えるように。まずは貴様は人間か?どうも違和感があるんだが。」


「よく気が付かれましたね。私は魔族であります。」


「冒険者カードに細工をする理由は?」


「ほかの方に見られるのを防止するためです。強力な鑑定の力があれば見破れます。」


「ここへ来た理由は?」


「先の魔族の襲撃についてお伝えしたいことがございました。私はここ10年ほどの世界情勢に疎く、メルガロ様に代替わりされていることを存じていませんでした。メルギス様は私が何者かをしている方の一人だったので、今回の件についてお話しようと思いお訪ねしました。」


「そうか。信用を得たいのなら、このカードの魔法を解いてくれないか?後の話はそれからだ。」


「わかりました。」


私は魔法を解除した。すぐにステータスカードを見れるようになり、見た2人は私と見比べながら、しばらく眺めていた。


「本当に魔王なのか?」


しばらくしてメルガロ王が突然尋ねてきた。


「はい。私は正真正銘魔王です。今ではもはや魔王といっていいのかわからないほどいろいろなものが混ざっていますが。」


「そうか。それで魔王が一体何の用だ。あの襲撃も貴様らが仕掛けたものなのだろう?」


「いいえ。私は襲撃に気づき対処したまででございます。あの襲撃はこの世界とは別の世界にいる魔王が侵略してきたものでした。その魔王は元の世界に帰らせました。証拠と言っては何ですが、町の人々に聞いてみてください。それまで街中での侵略活動をしていた魔族が同時にすべて消滅しているはずです。つまり、この王都全域を覆うほど強大な魔法を使用したということです。そんな魔法を使用できる人間はこの世界にいません。人間時代の私でさえ魔力を使い切ってようやく使えるかといったところです。」


「それも一理あるな。私もあの魔法は見たが、あれは次元の違うものだった。町の者たちは神が守ってくださったのだと言っていたが、そんなことが起こるとも思えない。この町は神が守るほど価値のあるものでもないだろうしな。」


「信じてくださるならありがたいです。信じていただけないのなら転移で逃げて、最悪戦争にならざるを得ないので。」


「それは私としても避けたいな。あなた方の幹部と対峙しただけでも我々の国の総戦力でかなわないと悟るほどなのだからな。」


「信用していただけたのでしたら拘束を解いていただけないでしょうか?」

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