256話 ようやく
ハンゾウが目覚めた翌日ディアも目覚めたようだ。ディアのステータスはこれまで見たことがなかったけど、どんな感じになったんだろう?
ディア 支配者階級[悪魔の支配者]
スキル{魔力支配}{時空間転移}{眷属召喚}{悪魔支配}{眷属創造}
HP 25348
MP ∞
STR 82361
VIT 12345
RST 100000
AGI 723
魔法:想像魔法
称号:支配者階級、悪魔の頂点、無詠唱魔術師、魔法創造
アンチデューンとほとんど同じだ。もともと所持していたスキルの分差が出てる感じだろう。もちろんディアも元々スキルを所持していたけれど、それは{魔力支配}と{眷属召喚}の下位互換だったみたいだし、何か新しい力を得たわけではなさそう。
けど、通常ステータスがアンチデューンと比べてはるかに高い。STRもとんでもなく高いからこれなら肉弾戦もこなすことが出来そう。アンチデューンとは得意分野が違っていいことだ。
ディアに関してはその後も変わったことはなかった。四天王たちへの指示を的確に出してくれている。後は組織構成を変えないとな。リーンをどの位置につかせるかなんだよなぁ。なんにせよ、アンチデューンが戻ってきてくれないとどうにもならないけど、{時空間転移}の気配がある。アンチデューンかな?
その場に転移してきたのは予想通りアンチデューンとアンチデューンに引っ張られてる悪魔だ。明らかに高位の悪魔っぽいけど、アンチデューンと比べたらちっぽけだな。
「リア様、遅くなってしまい申し訳ございません。ようやく捕らえることができたので戻りました。純血の悪魔です。」
捕らえられている悪魔が軽く会釈をする。
「ありがとう。それじゃあこの瓶にそいつの血液を入れてちょうだい。」
「はい。」
そう言いながらアンチデューンはそいつの指を少し切り裂き、血液を採取し始めた。かなり苦しんでいたけれど、仕方がない。後で何かねぎらってあげよう。
すぐにアンチデューンは血液の採取を終え、私に瓶を渡そうとしてきたけれど、私をそれを受け取らず、逆にリーンの血が入った瓶と空瓶を一つ渡し、
「こっちの空瓶をそこで持ってて。」
「はい。」
私は自分の指に傷をつけ、血液を瓶に入れていく。ある程度たまったところで止血し、アンチデューンに調合をさせた。
「その3つを同じ量ずつ混ぜて私にちょうだい。それで解呪できるはずだから。」
「かしこまりました。こちらになります。」
早っ!一瞬だし、見た感じ確かに同量ずつ混ぜてる。進化してさらにすごくなったな。
私は受け取った血液を一息に飲み干す。味は最悪だけど、これで大丈夫なはず。少しすると、体からつきものが落ちたかのように楽になった。そして起き上がろうとしてみると、体が動く!久々に自分で動けてる!これでやっと好きなことをできるし、寝てる間に考えてたことを実行に移せそう!




