250話 呪毒
さてどうしようか。動けない状態でダンジョンに放置されてしまった。さすがにどうしようもない。誰かに助けを求めるしかないだろう。一応魔法は使えるみたいだから。エクスカリバーを収納魔法に収納し、ハンゾウに魔法通話をする。
(ハンゾウ、いろいろあって動けなくなっちゃって、ちょっと今から玉座の間に転移するから、あなたも私のところに転移してきてくれない?分身体でいいから。)
(現在、本体が魔王城にいますので本体が向かいます。)
(ありがとう)
「スキル{時空間転移}」
とりあえず、寝転がったまま、玉座の間まで転移した。ハンゾウはすでに来ていた。
「リア様、大丈夫ですか!?」
私を見てハンゾウが、駆け寄ってくる。心配をかけるのは嫌だけど、この呪毒は自分で解呪できないんだよね。
「大丈夫だけど、ちょっとベッドまで運んでちょうだい。この体制から動けないから。ベッドまで行ったら説明するわね。」
「かしこまりました。」
ハンゾウはそういってベッドまで連れて行ってくれた。
「それでリア様、いったいダンジョンで何があったのですか?数時間程度しかたっていませんが」
ハンゾウがそう聞いてきたので順を追って説明をする。そして呪毒を受けたことを言い、最後にこう付け加えた。
「この呪毒の解呪には特別な薬がいるらしいの。作り方は分かるんだけど、素材がかなり特殊なのよね」
そう、{世界の理}の効果で解呪に必要な薬の作り方は分かっているのだ。
まずは進化していない状態の人間の血、そして超越存在となった人間の血、そして超越存在となった魔族の血、最後に悪魔の血。これらを混ぜたうえで、呪毒を受けた部位に点滴で投与しなければならない。
材料を説明し、ハンゾウに指示を出す。
「とりあえず、あなたの分身を一人ここに常駐させておいてちょうだい。あと、来客があった時の対応をお願い。私が寝てても、リーンはすぐに通してちょうだい。」
「かしこまりました。リーン様は呼んできたほうがよろしいでしょうか?」
「いや、自分で呼ぶから大丈夫。」
(リーン、ちょっと玉座の間まで来てくれない?)
(分かったわ。すぐに向かうわね)
それから2分ほどでリーンが来てくれたのでリーンにも同様の説明をした。
「それでその地の持ち主を私に集めてほしいってわけね。」
「そうです。人間一人、超越存在の血はリーンに分けてもらって、問題は超越存在の魔族の血ね。純粋な魔族で超越存在に進化したものは私の配下にいないから、それをどうするかが。悪魔の血は純血の悪魔じゃないといけないらしいから、配下の中から探さないといけないわね。」
「超越存在の魔族ねぇ。一つ聞きたいんだけど、それって被呪者の血って使えないの?」
「特に制限はないようですけど、そうですね。私は人間から進化したとはいえ、この体は純粋は魔族になることができる。超越存在ですし、条件を満たしてますね。」
「それならよかった。私は数人必用な人材を連れてくればいいだけね。」
「はい、お願いします。」
「任せてちょうだい。今日中には全員説得して連れてくるから。」
そう言ってリーンは退出していった。動けないだけでこんなにも不便で退屈なのかと思いながらリーンが戻ってくるのを待っていた。




