25話 アダマンタイトゴーレム
9層でアークデーモンが出てくるとなれば10層はとんでもないエリアの可能性があるし、起きるまで待つか。)
そう考えたリアは4人が目覚めるまで待つことにした。
幸いにも4人は5分ほどで目覚めた。最初に目覚めたカインが、
「ここは?」
「9層のエリアボスの部屋の目の前です。もう倒したので全員が目覚めたら10層に行きましょう。」
「あぁ。試験官のはずが、足を引っ張ってしまってすまない。」
「いえいえ。大丈夫ですよ。まだ1時間以上ありますし。」
「そう言っていただけるとありがたい。」
しばらくして全員が目覚めたので今度はソリを置いて10層へ向かったのだった。
10層にはモンスターの姿は一切なかった。あったのは一本道の通路とその先から感じる大きな気配だ。
「皆さん。この先にいるのはおそらくかなりの大物です。皆さんが自身の身を守れるのが一番ですが、それがかなわないときのために皆さんに防御の魔法をかけますがいいですか?」
「私たちの心配までしてくれてありがとう。それではお言葉に甘えさせてもらうよ。」
カインがそう答えた。ほかの3人はリアに対して怯えた目を向けてくる。もはや化け物としか見られていないのだろう。口を利くことも一切しない。
「マジックバリア」
「マテリアルバリア」
魔法を遮る結界魔法と、物質による攻撃、いわゆる物理攻撃を遮る結界魔法の2つを発動させた。
「それではいきますよ!」
そうリアが叫ぶと、ダンジョンボスのいる部屋へと飛び込んでいったのだった。
中に入ると。そこにいたのは、日本のロボットアニメに出てきそうな巨大ロボットだった。
「{鑑定}」
アダマンタイトゴーレム
Lv.40
スキル:魔法遮断
リアの鑑定でもここまでしか見れなかった。つまりそれは格上であることを表している。しかも相手は魔法遮断というスキルを持っている。このスキルは、自身に対する極大魔法以外のすべての魔法の効果を無効化するといったものである。つまりリアは剣で戦うのしかないのだが、このゴーレムは世界で最も硬いと言われるアダマンタイトでできているので刃物による物理攻撃もほとんど通らない。とてつもなく強い相手である。
「ミスリルゴーレムだとぉぉぉぉ!」
カインがそう言って驚いている。ミスリルゴーレムと勘違いしているようだ。
「ミスリルではありません。アダマンタイトです!」
リアがそう言うと、
「アダマンタイトゴーレムだと!それって前回存在が確認されてから500年の間一切確認されていない天災級のモンスターじゃねーか」
「皆さんは下がっていてください。私がやります。」
「わかった。」
『獅子の牙』の4人はそそくさと下がっていった。




