248話 デュラハン
最下層についた時には私は完全にたまった毒で埋まっていたけれど、【プロテクション・マジック】効果で一切の影響を受けなかった。
結界の魔法を解除し、ダンジョンボスを警戒する。1フロアがかなり広いたしい。ただ、ダンジョンボスらしき強大な気配を感じる。気配だけでも、進化する前のカインやアンチデューンレベルの強さはある。
迷路の壁を破壊しながらまっすぐダンジョンボスのいる方へ向かう。2分ほどで得俺らしき部屋の扉を見つけた。扉の奥からは先ほどから感知している気配の主がいる。私は早速扉を開け、その気配の主が何者なのかを確認することにした。
何があるかわからないので念のために神器・ミョルニルを装備して相手のスキルや魔法を封じる。これがあればそうそう負けることはないだろう。
私はゆっくりと扉を押し開けた。その先に待っていたのは・・・
なんと頭の無い人型の魔物、アンデッドの中ではかなりの上位種に分類されるデュラハンの姿があった。
デュラハンといえば鎧に剣を装備しているイメージがあるけれど、この世界では違う。デュラハンにしか装備できないローブが存在しており、それを装備することでデュラハンは魔法を使用でいるようになる。
さらに自分が殺した相手の肉体を魔法で作り出したデュラハンの『特殊領域』に取り込まれ、そこに入ると、生者死者問わず、1時間でなにかしらのアンデッドになり、そのデュラハンの配下にされてしまう。
つまり、デュラハンノ最大の強みは、無詠唱で発動するため何が飛んでくるかわからない魔法攻撃に加え、デュラハンになってからの日数に応じて変動するけれど、圧倒的な物量による攻撃。この二段攻撃が厄介極まりない。それにデュラハンの配下になったアンデッドには特殊効果を付与される場合がある。
これほどの実力者ならおそらくその特殊効果が付与されているだろう。その効果というのが、相手のスキル、魔法をすべて無効化するというものだ。範囲指定ではなく対象指定なので完全にミョルニルの上位互換だ。それを配下全員に付与されている可能性がある。そうなると、重くて対応がしづらいミョルニルではなく、神器・死神の鎌でどんどん砕いていくのがいいだろうか?魔法は無効化できるけれど、物理攻撃は無効化できない。VITで受けられるだろうけどアンデッドには触れるだけで即死効果を付与するスキルを持つものまでいる。そんな凶悪なものはいない都心いけれど、今はとにかくアンデッドたちを倒すしかなさそうだ。向こうはもうアンデッドたちを大量に召喚して高みの見物だ。冒険者時代に勝った装備に即死無効のとかあったと思うけど、確か魔王城か家に置いてきてるんだよね。ここにポータルを作って転移してこれるようにしてもいいんだけど、そこまでしなくても大丈夫かな?
どうすればいいかよくわからないまま、1時間アンデッドに触れられないよう応戦を続けた。相手の手駒が思っていたよりも多くて苦戦したけれど、最初に比べて新たに召喚するアンデッドの数はだいぶ減ってきた気だする。ただ、その質は向上している。中にはデュラハンや精霊力の骸骨というモンスターもいた。このモンスターは相手のスキル、耐性を一切無視して極大魔法を発動できる。その代わり一度魔法を発動さえると死んでしまうアイテムのようなモンスターだ。攻撃によって殺すことは出来ないので極大魔法を受けるか、かわすしかない。わたしはHPが無限にあるので余裕で受け切れたけど、あんまりにも強くないか?それにハンゾウが言っていたボスとは違う気もする。こっちの方が気配が大きかったからこっちに来たけど、このフロアにはもう一つ大きな気配があった。そっちがダンジョンボスだったのかもしれない。




