247話 酸毒の豪雨
「リア様、ダンジョンの詳細がおおよそ分かりました。ダンジョン自体は全25階層で迷路になっており、かなり複雑な構想をしていました。それだけでなく、数時間に一度構造が変わるらしく、壊れても1時間もあれば再生するようです。まるでダンジョン自体が生きているかのような感覚でした。」
「なるほど。神器はあった?」
「申し訳ありません。それは確認できませんでした。スキル{隠蔽術}を発動させていたのですが、ダンジョンボスがどうやったのか、こちらに気が付いて攻撃をしてきました。しばらくは回避に専念していたのですが、急に自身のいる階層ごと破壊する攻撃を放ってきて回避しきれず分身体は殺されました。」
「そう、あなたの分身で勝てないのならかなり強いのでしょうね。けど、その奥に何かあるでしょうね。それだけ巨大なダンジョンが誕生してるってことはそれだけダンジョンボスの力が強大なのか、強力なダンジョンコアがあるのかのどちらかでしょう。神器がダンジョンコアにされている可能性も十分にありそうね。逆にダンジョンボスが強力だった場合、進化した後のカインやアンチデューンくらいの強さはあるでしょうね。」
「それほどまでになのですか。確かに私の見立てでは、最後に受けた攻撃なら、魔王城を一撃で崩壊させることができるかもしれません。それなら、あれほどのダンジョンを作れるのにも納得がいきますし。」
「そうね。誰かに行かせるわけにもいかないし、私が行くわね。獣魔人たちと、四天王に伝達をお願い。私は少し出かけるから。何か問題が起きたらすぐに魔法通話で連絡をすることと、警戒を強めておくことの2点を伝えておいて。それじゃあ私は行くから。」
「かしこまりました。ご武運を。」
「えぇ、スキル{時空間転移}」
私はハンゾウに教えてもらった代替の座標に転移した。ダンジョンは近くにあるはずだし、すぐに見つけて攻略してしまおうかな。
それから30分ほどでダンジョンの入り口を見つけた。指定した座標が少しずれていたらしく、見つけるのに少し時間がかかってしまった。
早速ダンジョンの中に潜入したけれど、周囲の魔物があまりにも弱い。階層が多く、迷路になってるから確かに時間はかかるけれど、今はこんなところで時間をかけたくない。
下の地面を破壊していけば簡単に最下層まで行けるはずだし、何か魔法を創ろう。
巨大な喧嘩何かを出すには天井が低すぎるし、爆発系の魔法だと、時間がかかりるし。それならやっぱりあれが1番かな。
スキル{魔神}の効果で魔法を開発し、さっそく発動させる
「結界魔法【絶対領域】想像魔法【プロテクション・マジック】【酸毒の豪雨】」
そうすると、私には1度だけ魔法に対する絶対的な防御が与えられ、私のいること位置から真下に延々と私以外の何者の存在も許さない絶対的な結界を顕現させた。さらに頭の上には紫がかった色の雲が現れ、そこから、紫色の雨が降り始めた。その雨が降れたところは少しづつ溶けていき、1分ほどで1階層分の地面がなくなった。かなりの魔力を込めたのでこのまま地面を溶かしつくしてくれるだろう。私は地面が解けるとともに下に落ちていくけれど、その程度ではけがをすることもない。
雲は1階層にあるけれど、結界の中にだけ毒がたまっていくので溶ける速度は早まり10分で最下層まで到達したのだった。




