244話 犬・猫・狐
最初に村まで来たのは犬の獣魔人だった。犬はやたらテンションが高かったがとりあえず実家まで案内した。中にいサダンと親しげに話しているし、しばらく放っておいていいだろう。
それから5分ほどで狐と猫の獣魔人も到着した。
2人は途中であったらしく一緒に来た。初めは疑わしいような表情で私の事を見ていたものの、他の2人と再会して警戒は解いてくれたようだ。
「皆さん、私のために集まっていただきありがとうございます。私は魔王リアです。『叛逆者』である皆さんにお話があります。」
そう言った途端、サダン以外の3人の表情が硬直した。そして犬の獣魔人カイがサダンを睨みつけながら
「サダン、まさかテメェ、あの禁忌について話したのか!?」
かなり起こっているようだ。それだけ彼女らにとって深い傷だということだろう。
「別にサダンさんから聞いたわけではないですよ。私は鑑定ができるのでそれでサダンさんを鑑定し、その結果を伝えて真実を教えてもらっただけです。そしてあなた方と敵対する気はありませんのでそれはご理解ください。」
「ほぉ、鑑定が使えるのか?それで、俺たちに話ってのは何だ?」
カイはかなりせっかちな正確なようだ。狐の獣魔人フォスがそれを宥めながら
「ごめんなさいね。この子ったらいっつもこうなの。とりあえず聞かせてもらえるかしら?」
笑顔でそう言ってきた。そういってきたのは良いのだけれど、その笑顔は心からの笑顔ではない。急に呼び出されたことへの怒りがあるのかかなり威圧感を放っていた。
「私は魔王になり、そのうえで私自身の世界を作ることで【創造神】になりました。まだまだ足りませんが、私は、この世界の【創造神】を倒したいと思っています。」
「あの化け物を倒すって正気なの!!?」
突然声を荒げたのは猫の獣魔人キトだ。相当なトラウマでもあるのだろうか?
「はい。現に【創造神】から送られてきた配下は私が倒しました。中には【創造神】が乗り移っていたから、結構苦戦したけど。」
3人はもはや声を発することもできていなかった。しばらく驚きを隠せない様子でざわざわしていた3人だったが、急に私の前に跪き、
「リア様、今この時より我らはあなた様にお仕えいたします。どうか、我らを苦しめた【創造神】を打ち取ってください。」
そう来たか。もっとラフな感じを想定してたんだけど、まぁいいかな。
「えぇ、もちろん!カイ、フォス、キトこれからよろしくね。私と話すときは口調とかどうでもいいからね。それじゃあ、みんなの鑑定をしてもいいかな?特にフォスさんは調べたいことも多いし」
「もちろんです。お好きなだけ調べてください。何に使用するのかはわかりませんが私たちのすべてはあなた様のものなので」
なんだか仰々しくてむず痒いけれど、まぁいいか。それじゃ早速鑑定をしてさっさと魔王城に帰還しよう!




