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【完結】転生チート少女、チートスキルを得て勇者になる  作者: 雲英侑李
第4部 3章 魔王の権威と日常 編
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241話 対策はバッチリ!

目の前にいる犬は精霊番犬(エレメンタルウルフ)という魔物だ。私が召喚しようとしていたものはこの犬で間違いないのだが、何というか小さい。あまりにもかわいらしいのだ。これでは脅威に思われもしないだろう。

とりあえず、人に見られないように透明化の魔法を発動させる。


よし、これで見られることはないだろう。さてどうしようか。確かに強力な魔物ではあるものの、見た目はただただ可愛らしい犬、大きさも小型犬くらいしかない。莫大な魔力に高い身体能力を併せ持っているようだけど、もっと大きくて怖いものを想定してたんだよね。こんな可愛らしい子犬を創造していたわけではないのだよ。とりあえず巨大化させる魔法で巨大化させて暴れるよう指示を出しとけばいいかな。

最近スキル{魔神}を使うことが多いからか、その真の力を引き出せるようになった。それは創造したものの具現化。頭の中で思い描いた魔法の効果と名前さえ考えればいちいち開発せずとも具現化することができる。それ相応の魔力は消費するが、下手なデメリットを設定するよりかははるかに良い。魔力はいくら使っても無限にあるし。


「強化魔法【極大化】」


今回発動させたのは対象の大きさを200倍にする魔法で精霊番犬(エレメンタルウルフ)は元の体長がしっぽを含めず35㎝、体高が20㎝といったところだったから、体長70m、体高が40m、しっぽだけでも30mを優に超える化け物だ。さらに命令を下し、自我を完全に失わせる。もともと自我の無い存在ではあるものの、召喚した場合、召喚者にのみはなつくのだ。

自我の無い精霊番犬(エレメンタルウルフ)は魔力のより濃い場所へ向かって攻撃を仕掛ける。今回ニケ村に張った結界には通常より大量の魔力を流し込んで作成してある。私自身は普段から魔力を抑えているので自然と結界の方に向かうはずだ。万が一、魔王城の魔族たちの強大な魔力を感知してもいいように魔王城にいるすべての者の魔力の総量より大量の魔力が込められている。その魔力は何に使われているのかというと、結界の強度を維持することと、結界を長期にわたって維持できるようにその維持のために少しずつ消費されている。

精霊番犬(エレメンタルウルフ)自体に結界の攻撃を命じてもよかったのだけれど、強大化させた影響で何か良くない影響が出ているかもしれないのでより確実な方法を選んだ。

これでニケ村の結界は攻撃され続けるだろう。巨大化の魔法は解けることがないのでこのままニケ村を攻撃し続けてくれれば、獣魔人が出てきてくれるかもしれない。

人間の国にどう説明するのかも考えてある。さすがに結界を張っておきながら何もしていないというのは無理がある。しかし、村人たちを守るために結界を中から維持していたとなればどうだろう。それなら中から結界の強度を維持し続けなければならないということで説明がつく。そして私は作戦が開始し、精霊番犬を暴れさせ始めた時点でリーンにとある連絡をした。


(リーン、作戦を開始したから、クヌム王の王に対して使者を派遣して。できるだけ人間っぽくない見た目をしていて、人間とちゃんと話せそうなやつ。)


(オッケー!人間っぽくない見た目をしてるのって必要?)


(うん、見た目から魔族なら、少なからず対応が遅れるはず。それだけ時間がかかるから。あと、その使者にはニケ村付近に精霊番犬が現れて、私が結界を張って村人たちを守っていて戦えないって伝えさせて。私が勝てないとなれば人間に勝てる者はいない。それでさらに対応が遅れてくれれば獣魔人に遭遇できる可能性を高められる。)


(分かったわ。それじゃあ、だれか向かわせておくわね。その作戦なら足の遅い子がいいわね。)


(それじゃあお願い。私は万が一にもばれないとは思うけど、念のために結界の中で過ごすから何かあったら連絡してね。)


(えぇ、それじゃ獣魔人の鑑定、お願いね!)


そう言われて魔法通話は途切れた。今回は獣魔人が出てきてくれないと話にならない作戦だ。それに関してはイチかバチかだけれど、少なくとも誰かしら出てくると思う。この世界の守護者的な魔物がいればそれが出てくるだろうし、いないなら【創造神】自らここに襲撃してくるだろう。

その時のことも考えて、今回は新たなスキルによる転移陣をニケ村全体に張り巡らせてある。この魔法なら、キーワードを発することで発動できて、発動の瞬間に術者が選んだものだけを転移させることができる。自分以外の者のみを転移させることもできるし、自分や建物だけを転移させることもできる。これなら【創造神】が攻めてきてもすぐに転移して私の世界に引き込んで優位に戦うことができる。

それ以外の何者かが襲撃してくる可能性も考えて、様々な仕込みをしていたのだが、そのほとんどは使われることなく終わった。動きがあったのは私が結界の中にこもって1週間後だった。

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