227話 10年間
一通り話し終えた後、配下たちに用意させていた部屋へと案内した。リーン以外の4人を先に部屋へ案内し、最後にリーンの部屋へと向かった。久々の再開なので少し話したかったのだ。部屋について、配下にお茶お入れさせ少し話す。
「リーンさんはこの10年何か変わったこととかありましたか?」
「今日肉体が進化したこと以外は特にないかしらね。各国との関係も変化ないわよ。強いて言うなら魔王への風当たりが少し良くなったかしら。人間に対して強く当たるのではなく、友好関係を気づこうとしているのが功を奏しているのでしょうね。」
「それは良かったです。」
「あなたは10年間も何をしていたの?この世界にいなかったって言ってたけど。」
「リーンさんには詳細を教えしますね。まずはこれを見てください。スキル{豊穣の貢ぎ}」
【リアの世界】の全貌が確認できる世界の管理画面へと移行する。おおよそAIに指示をしたら勝手にプログラミングをしてくれるシステムというところだろうか。どういう設定にしたいかなど好きなように変えることができる。
「これは何かしら?映像にどこかの町が移ってるみたいだけど。」
「これは私が作り出した世界です。確かリーンさんもその場にいましたよね。あの時に作った世界です。」
「これが?この世界とほとんど変わらないみたいだけど、本当にその世界なの?」
「はい。この世界は【基軸世界】と呼ばれる世界でこの世界の【創造神】が初めて創った世界以外はその世界を作ったものの名前が付けられるようでこの世界は【リアの世界】という名前です。あと2つ世界を創りましたけど、それはまた今度お見せします。」
「ちょっと待って。あと2つ世界を創ったの?あんなに大量の魔力が必要なことを2回も?」
「はい。今の私は魔力が尽きることがないので世界を創り放題ですよ。管理が大変なのでそんなことはしてませんが。それは置いといて、この【リアの世界】には、[ニケダンジョン]というダンジョンがあり、私はこの世界を離れてまずそこに行ってひたすらに鍛えました。【基軸世界】ではほんの一瞬の時間しか過ごしてませんが、かなり長い間、そこで修業していました。」
「時間の流れる速さまで違うのね。そこにいたのが一瞬っていうならその後は?」
「その後は、すべての世界の入り口がある空間があってそこに行きました。そこでいろんな世界に行って何回も死にかけながらいろんなスキルを獲得しました。」
そういいながら冒険者カードを見せる。別世界で獲得したスキルも表示されるから便利だ。
スキル{賭博}{魔神}{魔王}{豊穣の貢ぎ}{時空間移動}{次元断裂}{スキル作成}{集団転移}{魔力支配}{死者蘇生}、鬼淫粘体スキル{ドレインタッチ}、勇者スキル{勇}、大罪スキル{7つの大罪}、美徳スキル{七元徳}、神獣スキル{四聖獣}、禁忌スキル{世界の理}
リーンはこれを見て絶句していたがあることに気が付くとそれを尋ねてきた。
「前に確かスキル欄にぼやけてるようなところがあったけどそれがなくなってるわね。スキルが多すぎてどれがそのスキルなのかわからないけれど。」
「そういえばそんなのありましたね。多分ですけど、禁忌スキル{世界の理}だと思います。【創造神】に関わるスキルなんてこれくらいしかないと思うので」
「へぇー。そのスキルってどんな効果なの?」
「この世界にかかわることすべてを知ることができます。【創造神】によって制限がかけられていたことも私が【創造神】なのですべて見ることができます。」
「それはすごいわね。それで、他のスキルもすごそうだけど、それを集めるために頑張っていたと。」
「そうです。何も言わずに出て言ってすみません。」
「幸い、アラン達からすぐに教えてもらえたからいいわよ。後気になるんだけど、戦った敵が神器を持ってたって言ってたけどそれって本当?」
「はい。危ないのでここでは出せませんが。」
「そう。神器と言ったら神が創った武器とされていて、7つ存在するらしいの。そのうちの一つはゼリア皇国の属国に当たるトリア小国の国家が管理する洞窟に封印されていると聞くわ。」
「そうなんですね。神器は強い力を持っていましたが、反逆した私の配下が別の神器を持っていたのでそいつを倒して奪ったものがあったので何とか対抗できました。魔法無効の防具を付けてましたし、相手の体に【創造神】が乗り移っていたのでそれがなければたぶん一瞬でやられてました。」
「【創造神】が乗り移るとなると相当ね。私もあなたから聞いた情報うしかないけど、とにかく強いのは分かる。そんな化け物をどうやって倒したのかしら?」
「スキルだけは一瞬だけ効果があったので転移のスキルを使用して【創造神】もろとも私の世界に連れて行きました。【創造神】は自身のの作った世界もしくは生まれた世界でしか力を発揮できないのでそのまま倒しました。神器も回収しました。その後気づいたんですが、私が私の世界で神器を使うと【創造神】スキルという追加効果が発動するらしいんです。それも必殺の効果を持ったスキルが。」
「そんなものを2つも所持しているの?本当にとんでもないわね。」
「ただ、こっちで戦うとなると相手の【創造神】もそのスキルを発動させれることになります。なのでできるだけ全部回収したいんですよ。」
「なるほどね。その神器を見せてもらいたいんだけどいいかしら?私、いろんな武器を見るのが好きなの。」
「いいですけど、下手に触ったりしないように気を付けてくださいね。」
「わかったわ。それだけ危険ってことよね。」
「はい。それでは【創造神】スキルもまだ試せてないのでついでに試しましょうか。スキル{集団転移}{時空間転移}」
私はスキルを発動させて【リアの世界】に転移した。




