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223話 【創造神】降臨

戦闘が始まると同時に【死神】はかなりの速さで攻撃を仕掛けてきた。身体強化系の魔法を複数使用していたので躱すのは容易かったが、さすがに攻撃が怖い。こちらはどんな武器を装備しても神器の放つ{次元斬}で壊されてしまう。それこそ同格の武器を出す必要があるだろうが、ミョルニルは重くて戦いづらいのでできれば使いたくない。

そんなことを考えているうちにも{次元斬}の乗った攻撃を仕掛けてくる。一撃喰らったら相当なダメージを負ってしまうのでくらうわけにはいかない。

さすがによけ続けるだけではいつか限界がきてしまう。けれど、あれに対抗できるほどの手段を持っていない。神器・死神の鎌(デスサイズ)は接近戦においても強力な武器であり、自在にサイズを変化させられる。これは神器特有の能力らしい。

しかし、魔法も効かないとなると、やはりミョルニルを使って倒してしまうのが一番効率がいいだろう。魔法陣を描いてあいつから鎌を奪ってもいいが、それだと時間がかかりすぎてしまう上によけ続けなければならないのでその分リスクが上がる。

決心した私は空間収納からミョルニルを取り出す。手にずっしりと重さを感じるが、それも一瞬ですぐに柄が手になじんだ。まるで数十年間使い続けてきた武器を握っているかのような感覚だ。


「なぜあなたがそれを所持しているのですか?神器を所持することが許されるのは創造神様によって与えられた、もしくはその神器に所持者として認められなければならないはずなのに。」


「そうなんだー。神器については分からないことが多かったから教えてくれて助かるよ。でもなんでオルが所持していたのかますます不思議だね。あいつ魔物だし、あんな自己中心的な奴に神器なんてもん与えるとは思えないし」


「今オルと言いましたか…?」


「言ったけどそれが何か?さっさと戦いを終わらせたいんだけど。」


「オルがそれを所持していたのは創造神様に与えられたものだからです。彼はもともと、創造神様に仕える一族でした。今ではこの世界の治安維持のためにと外科医に使わされているお方です。」


「あっそ。そいつは、私の配下になってあまりにも好き勝手なふるまいばっかりしてたから処刑したよ。そいつを倒すときに奪ったっていうだけ。」


「そうですか。オルを殺してしまったのですね。・・・・・・。」


【死神】がうつむき、それから少しの間沈黙が流れた。そして急に【死神】が顔を上げたかと思うと、物騒なことを言い始めた。


「我が臣下オルを殺した罰として【創造神】たる我直々に葬ってやろう。」


急にそう宣言した。まさか以前私がブレイズを殺してしまった時のように【創造神】がこいつを操っているのだろうか。それは最悪だ。こいつは他人の体を乗っ取ったとしても問題なく自身のスキルや魔法を使用できる。さすがに面倒なことになりそうだ。というか、【創造神】直々に出てくるくらいオルの価値ってでかかったんだなぁ。

それは置いといて、さすがにヤバいかもしれない。不幸中の幸いか、いまだ【創造神】は動く気配を見せない。いったい何のつもりなのかわからないが、ここは武器と防具を奪って適当な魔法を叩き込むのが一番早いだろう。

早速魔法陣を作成するべく動き出した私に対して、【創造神】は微動だにしない。あっという間に魔法陣を描き終えたものの、本当に魔法を使っていいものなのか悩んでいた。【創造神】が何もしてこないということは何かしら対策を施してあるからということだろう。

でも今の私にできることはこれしかない!


「魔の力よ。我が魔力を糧とせず我が求めと魔陣を導として顕現せよ。無魔力魔法【徴収】」


私は魔法を発動させた。確かにそのはずだ。しかし、武器や防具はやつについたままであり、このままでは勝ち筋がほとんどない気がする。

ミョルニルと死神の鎌では、ミョルニルは相性が悪すぎる。その分付属スキルは強力であるが、接近戦を得意とする者同士であるにもかかわらず、圧倒的に攻撃速度は鎌の方が早い。ミョルニルも早く振るうことは出来るが、それに比べても機動力で圧倒的に劣っているので相当うまい使い方をしなければならないだろう。

そのうえ、相手は【創造神】だ。簡単に勝たせてくれるはずもない。さてどうやって倒そうか。

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