220話 皆の進化
「これから皆さんを進化させます。アンチデューンとカインは経験済みだからわかると思うけど、進化の際は眠りが必要になります。私の予想では四天王の皆さんは1週間ほど、カインとアンチデューンは1か月、ディアは1か月と1週間の眠りになると思います。私のスキルで時間の加速は行うけれど、それでもそのくらいの時間はかかると思っていてください。念のためベッドの上で眠らせます。部屋の入り口は私と部屋の主にしか開けることのできない魔法のカギをかけますので襲撃されることはないので安心してください。それではアンチデューン以外は自室に移動して下さい。」
いうことだけ言ってさっさと全員を自室に戻らせた。リーンが目覚めるまでもうすぐなはずなのでできるだけ急ぎたいのだ。すぐに登録した魔力の者が触れると開けることができる魔法【施錠】と、対象のみの時間を加速させるスキル{時間加速}を創り出す。
「リア様、なぜ私だけここに残されたのですか?」
アンチデューンが聞いてくる。そういえば言うの忘れてた。全員が出て行って5分も無言だったら怖くもなるわな。
「いや、私みんなの部屋の場所知らないからアンチデューンに案内してもらおうと思ってね。」
「そういうことでしたか。それではそろそろ向かわれますか?」
「そうだね、いこっか。」
アンチデューンとの話を終え、彼女に案内してもらいながらまずはオグレスの部屋に向かった。
「リア様、お待ちしておりました。よろしくお願いします。」
「えぇ、それではベッドに横になってちょうだい。これから私の魔力を流し込んで進化を促すから。」
進化のために必要な魔力がどれくらいかはわからないが、進化が始まるとそれ以上流し込めなくなるのでそこは気にしなくてもいいだろう。
「かしこまりました。」
オグレスが指示通りにベッドに横になる。そこに手をかざし、スキルを使用する。
「スキル{魔力支配}」
スキルを発動させて取り込んだ空気中の魔力をオグレスに流し込む。空気中には無限の魔力があるので空気中の魔力がなくなることはない。しばらく流し込んでいると魔力が流し込めなくなり進化に入ったようだ。」
「これで終わりだね。後は鍵をかけて次の部屋に行こう!」
私がそういうと、呆気に取られていたアンチデューンもはっとして部屋から退出した。私は部屋から出る前にオグレスに{時間加速}を1週間の期限付きで発動させ、部屋の扉にオグレスの魔力と私の魔力を登録した【施錠】の魔法をかけて次の部屋に向かった
それから残りの3人の四天王も同様に進化の眠りにつかせ、1週間分の{時間加速}の効果を付与し、施錠した。
次はディアだ。アンチデューンに案内させ、ディアの部屋を訪ねる。
「リア様、待ちくたびれましたよー。」
「ディア、魔王様に対してなんて口の利き方!無礼ですよ。」
「アンチデューン、私が砕けた感じで話してって頼んだんだからこれでいいの。」
「そうなのですか。申し訳ありません。」
「それじゃディアの進化も済ませてしまいましょうか。ディアの体には少し負荷がかかるかもしれませんが。」
「大丈夫だよ、リア様。私結構丈夫だから。」
「それを信じるわ。それじゃ横になって」
「はーい。」
「スキル{魔力支配}」
私はディアに魔力を流し込む。他の四天王と同じくらいの量を流し込んだ時点でそれ以上流し込めなくなった。しかし、ディアは彼らよりももう一段階上に進化してもらわなくてはならないので流し込む出力を上げて無理やり魔力を流し込む。その出力で流し込めなくなるまで流し込んで、1か月と1週間の{時間加速}を施し、部屋のドアを施錠し、次はカインの部屋へ向かい、今度は普通に魔力が流し込めなくなるまで魔力を流し込んだ。最後にアンチデューンも同様に進化を促し、これで全員を進化の眠りにつかせることができた。しばらく幹部の数が減ることになるけれど、今後のためなので仕方がないだろう。終わったころには翌日の昼になっていた。そもそも四天王を決めるのに時間がかかりすぎてしまい、時間を忘れてしまっていたのだ。
一度リーン達の様子を見に行こう。




