21話 格付け試験の準備
「おぅ、おかえり。」
「ただいまです。」
「そうそう、聞きたいことがあったんだけどさ、あのアランが娘が冒険者になるって言いだして止めないのが意外だったんだけどなんも言われなかったのか?」
「俺が剣の修業をつけてやるから、俺に勝てたらいいぞって言われて、木刀での模擬戦で、身体強化の魔法ありではありますけど、初日で倒しました。」
「あのアランを倒しただと!すごいな。そりゃあいつも何も言えんわな。自分の一番の得意分野で負けちまったんだから。にしてもマジか。もしかしたらリアちゃんなら格付け試験Aランクで突破できるかもな。明日なんだろがんばれよ!」
レイからの激励を受けながら部屋に戻った。そこからは明日のダンジョン攻略のための荷造りをして、昨日より豪華な気がする夕食を食べ、風呂に入り、6時にアラームをかけ、早めに眠りについたのだった。
次の日の朝、リアはアラームのおかげで時間通りに目を覚ますことができた。昨日買っておいた朝食を食べ、装備に身を包み、準備を整えた。集合時間は7時と聞いていたが、リアは6時30分には準備を完了していた。まだ時間があるので、新しい魔法でも作ろうかと考えていた。ダンジョン攻略なら、エリアボスを最速で倒すのがいいから、「マテリアルサーチ」で見つけてそこに「ソニックムーブ」で向かい、魔法で倒す。ただそれだと、試験官としてついてきている冒険者たちを置き去りにすることになる。じゃあ、彼らも同じ速度でついてこさせればいいんだ。重量を極限まで軽くしたそりみたいなのに冒険者さんたちを乗せて、「フィジカルストレングス」を使っている自分が引いていく。これでいいだろう。そのそりを作るのに必要な魔法を開発しないといけない。
そう思い立って、「マテリアルクリエイト」の魔法を作った。
この魔法は、物質を好きなように生み出し、好きなように形成することができる。しかし、3時間経つとその物質は消えてなくなってしまうといったものだ。
そんなことをしているうちに時間になったので、ギルドの前に向かった。Aランク冒険者さんたちはまだ来ていなかったので少し待つことにした。まだ6時50分なので来なくて当然だろう。リアは、日本人の感覚が混じっているため、早めに行動するが、この世界の人たちは普通、時間ちょうどに来るのだから。
7時になるころ、4人の冒険者がこちらに向かって歩いてきた。




