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203話 スキル{魔力支配}

正直言って相手を舐めていたのは間違いない。確かに最初はとてつもない速度で動く上に魔法まで使用してきて手ごわいとは思った。しかし、最初によけきれずに魔法が当たった時にまったく聞かなかった。さらに見た目と比べると余りの魔法の弱さに驚いていると、物理攻撃を仕掛けてきた。しかしそれも全く効かなかった。

まさかここまで火力が低いとは思わなかった。これなら、周囲の人たちを守りながら魔王城へ帰還する手はずを整えられそうだ。

まずは、魔力を魂魔力に変換する魔法を創り、それをもとにスキルの開発をできるようにする。


「想像魔法【魔力変換(まりょくへんかん)】」


魔法で大量の魔力を魂魔力に変換する。比率的には10:1なのでかなりの魔力を変換したつもりだが、できた魂魔力は思ったより多くなかった。

しかし、スキルを作るには十分である。スキル{スキル作成}を使用し、まずは特定の範囲にいる存在を任意の場所に転移させるスキルだ。特定範囲以内にいても任意で対象から外すことができる。

これを使えば全員を一度転移させることができるだろう。先に転移させないと死んでないものも戦いに巻き込まれて死んでしまいかねない。早くできないかとそわそわしながらスキルの完成を待っていると、1分ほどで


[スキル{集団転移}を獲得しました。]


うまくいったようだ。


「スキル{集団転移}」


対象範囲を指定し、その対象から目の前に立っている謎の存在のみを外し、スキルを発動させた。

次の瞬間、倒れている者や時間が止まった状態で立っている戦士たちはそのままに、周囲の景色が魔王城に変化した。玉座の間には誰もおらず、カインとアンチデューンも状況は分かっていないだろうが、伝えるのは後回しだ。

まずはリーンの容態を見る。もちろん時間が止まっているので心肺の様子は確認できないが、まだ血色もいいので死んではいないだろう。しかし、状況的に回復魔法程度では肉体が持たず死んでしまうだろう。他の生きている者たちもそんな感じだった。死んだ者たちは損傷が激しくアンデッドにするにもグロい見た目をしている。

どうすれば体力が持って死なずに済むだろうか?一つ方法は思いついているのだが、あくまで可能性なので実行に移せていない。まず、近くに倒れている魔法使い風の男で試してみよう。

まずは{スキル作成}でスキルの開発をする。空気中の魔力を取り込み変換することなく体内に蓄えることができ、さらに別のものに触れることでそれを分け与えることもできるスキルだ。欲張りに感じるが、スキル{賭博}に比べればマシだろう。

こちらは先ほどよりも時間がかかったが、開発に成功した。


「スキル{魔力支配}」


発動させると、自分の魔力とは異なる魔力が体内に流れ込んでくるのを感じた。これが空気中にある魔力なのだろう。これをここにいる人たちの体に流し、進化させる。進化にもエネルギーが必要だが、それは基本的に流れ込んだ魔力で補われる。きっと成功してくれるだろう。倒れている男に触れ、今吸収した魔力を流し込む。

一定量流し込んだところでこれ以上流し込めなくなった。おそらく肉体が進化に入り、体外からの影響を受け付けなくなったのだろう。

うまく進化できればみんな助かるだろう。それから私はその場に倒れていたリーンを含めた17人その中で生きていた5人に魔力を流し込んだ。皆進化し始めたのでこれが成功すると願うしかないだろう。

とりあえずこれで作業は終わりなのでカインとアンチデューンに事情を説明し、時間を動かすと伝える。これが成功しなかったら。先の戦いでの生き残りはまだ戦っていた3人だけということになる。あいつを処理した方がいいとは思うが、彼らを放置するわけにもいかない。何かあった時にアンチデューンやカインでは対応できないだろう。

そして時間を動かす。

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