201話 スキル{スキル作成}
スキルの構造情報
以下の構造をスキル作成時に付与することでそれぞれ見合った効果を発動させることが可能。複数のものを組み合わせて新たな効果を生み出したり、複数の能力を付与したりすることも可能。
付与した効果の数量次第で獲得に必要な「魂魔力」の量が変化する。
スキルの構造情報について調べるとまず説明が書かれており、その下に大量のスキル構造に関する記載がされていた。1000個以上はありそうだ。スキルによって構造が決められているのではなく、単純な構造が決まっていて、その構造を組み合わせることで一つのスキルになるようだ。そして私がずっと「魔素」と呼んでいた物質は「魂魔力」というらしい。魂魔力の量は個体ごとに上限が決まっており、基本的には上位の種族ほど上限が高いらしい。
これを全部覚えてほしいスキルがあるときにいちいち思い出しながら作るのも面倒だし、覚えることが出来そうにないのでそれを記憶させてほしいスキルを思い浮かべるだけで作ってくれるスキルを先に作ろう。いわば「スキル自動開発スキル」だ。
まずはスキルの構造の中から、魂魔力操作、魂魔力鑑定、生成、自律思考、自律学習、自律演算、思考加速の効果を探し出した。魂魔力を鑑定し操作、生成もできるのでこれらを使用してスキルの開発が可能だ。そして指示からどの効果が必要か判断できるように自律思考と自立学習。スキルを作る際に必要な自律演算。そして、スキルの開発に時間がかからないように思考加速。
これだけたくさんの効果を詰め込んだ。これだけあるとAIと大差ないほどだろう。
これにスキルに関する知識を覚えさせて、指示を出せばスキルを作ってくれるだろう。
しかし、見つけたから完成ではなく、これらの効果を持つように魂魔力を練り上げることでスキルは出来上がる。今回は自分でこれをやっていくしかない。
構造を理解し、魂魔力を練り上げようとした途端、残っていたすべての魂魔力が消費された。
まさかこのタイミングで何かスキルを獲得してしまったんだろうか?作ろうとしていたスキルにはかなりの魂魔力が必要で、それこそ今消費された量とほぼ同じだ。この量が回復するには1週間はかかってしまう。それに時間停止空間では魂魔力が回復しないらしい。
とりあえず獲得してしまったものは仕方がないので鑑定魔法でスキルの確認をする。
スキル{スキル生成}ほしいスキルの効果を思い浮かべるだけで自動で作成してくれるスキル。魂魔力の残量次第で失敗することもある。
なんかできてしまった。なぜだろう。構造を理解したことで自動的に作られたのか?しかし、自動的にスキルができるには、条件を満たすことによる構造の把握が必要なはずだ。そもそも存在しなかったスキルだから、条件が存在せず、構造の把握自体が条件になっていた?それ以外考えられないがとりあえず保留にしておこう。
何はともあれ、スキル{スキル生成}を作るのに成功した。ここまでいろいろしてきたが、終わってしまえば意外とあっさりだ。しかし、魂魔力の残量がもうなく、まだスキルの開発は出来なさそうなので一度時間を動かしてスキルを獲得できるようになるのを待とう。
(カイン、一度時間を動かすけど良い?)
(少し待ってくれ。一度そちらに戻る。)
カインに時間停止を解除することを伝えると、そういわれたので少し待つ。カインは5分ほどで戻ってきたのでカインの姿を確認し、アンチデューンにも伝えて時間停止を解除した。
その後、戻ってきたカインに声をかけられた。
「そういえばリーンのところには顔を出したのか?俺もここに来てから一度もあっていないから人にどうこう言える立場じゃないが。」
「あ、忘れてた。というよりリーンさんにこの世界を離れることさえ伝えてなかった。連絡回路はつないでいたけどこの世界を離れていたから使い物にならなかっただろうし。」
そういうとカインは呆れたような表情を見せ、
「会いに行ってやれ。多分ずっと会えなくて寂しがっていると思うぞ。」
そういった。確かに何も言わずに出ていったわけだし会いに行った方がいいかもしれない。
そんな風に思っていた時に急に連絡回路をつないでいた誰かから魔法による連絡が入った。




