200話 禁忌スキル{世界の理}
「想像魔法【鑑定】」
2つの鑑定を同時に発動させると視界がかなり不思議な感じにはなるが、何とか認識することは出来た。
アンチデューンの中をめぐっていた魔素の塊を鑑定した結果は予想通り「魂」だった。鑑定魔法は認識できたものならば、それの詳細まで知ることができるので魂の詳細を見てみることにした。
まず前提として、魂とは魔素の塊であり、魔力を造り出す機関でもある。つまり、魂の形が違うので魔力を構成する魔素自体がすべての生物で異なるというわけだ。そしてスキルを獲得する際には魂の中にある魔素が使用されるらしい。スキルによってその量は変わるが、魂に含まれる魔素量より多くの魔素が必要なスキルを獲得することはないらしい。そのように消費された魔素は時間をかけて元に戻るらしい。その代わり魔力の生成速度が落ちるので魔力回復に支障が出ることがある。スキルの獲得の際には、条件を満たしたことで得た外部からのスキルの構造情報に沿って、自動的に魂から魔素が消費されてスキルの獲得が行われる。
つまりスキルの構造情報っていうのが分からないとスキルの獲得は出来ないってこと?それに条件を満たしてない場合、自分で魔素をその構造に練り上げなきゃならないんだ。
その瞬間、体が少しだるくなった。まるで魔力を吸われたかのような感覚だ。突然のことに驚いて慌てて自分の体を見る。もちろん魂が体内をめぐってはいたが、やけに魔素量が少ない気がする。アンチデューンの半分程度しかない。通常なら私の方が多いはずなのに何でこんなことになっているんだ?まさか…………
慌ててステータスの鑑定を行う。すると、スキル欄に見覚えのないスキルが追加されていた。魔素が感知できる状態だったのでスキルの獲得による魔素の減少が倦怠感を引き起こしたのだろう。獲得したスキルは何だろう。
禁忌スキル{世界の理}世界の理を知ることができるスキル。具体的には【基軸世界】にかかわるあらゆることをインターネットで調べるような感覚で検索できるスキル。基本的にはどんなことでも知ることができるが、一部【創造神】以外のアクセスが禁じられている事柄も存在する。【基軸世界】の理のいずれかに触れるもしくは認識することで獲得可能。
まさかの最強系の便利スキルキター!早速スキルの構造情報について調べてみよう。
「禁忌スキル{世界の理}」
スキルを唱えると視界に入力画面が表示された。そこに「スキルの構造情報」と入力する。すると、その結果が表示された。
「この言葉を調べるには【創造神】の与える管理者権限が必要です。」
何とこれがアクセスが禁じられている言葉の一つだった・・・。
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しかし、次の瞬間、ページが切り替わり、
「使用者の【創造神】権限の所持を確認。直ちに検索結果へ遷移します。」
表示もそう切り替わった。そして私がそれを読み終えると同時にスキルの構造条件についての検索結果が出た。
まさか、自分の力を高めるために世界を創って【創造神】になったことがこんなところで役に立つなんて。まさかの棚ぼた展開だ!早速スキルの構造について学んでいくことにしよう。




