20話 探索
まず向かうのは防具を取り扱っている店だ。ギルドの近くにあったのでそこに入ってみる。
「いらっしゃいませ。」
そこには様々な防具が置いてあった。鎧から革製の胸当てのような軽装のもの、ブーツなどもあった。リアの戦闘スタイルから考えると、普通の魔法使いがつけるようなローブは勝手が悪い。かといって鎧のようなものは動きが制限される、となると、軽装のものを選ばなければならないのだが、どれにしようか。
いろいろな商品を眺めているとひときわ目を引くものがあった。毛皮のような素材でできた洋服のような見た目の防具だ。それを見ていると後ろから
「それはグレーターウルフの毛皮から作った鎧だ。グレーターウルフの毛皮は軽く、頑丈なうえにそれは魔法がかけられており、嬢ちゃんみたいな冒険者にもお勧めだぞ。少し値は張るが……」
そう店主から言われたので値札を見ると、銀貨8枚と記されていた。リアの手持ちの約半分だが、壊れない限り新しい装備も必要なくなるので買うことにした。
「これをください!」
「お、買うのかい?銀貨8枚だ。」
「はい。」
「おう、ちょうどだな。また何か入用だったら来てくれよ。」
「はい、また来ます。」
そういいながらリアは店をあとにしたのだった。
相当悩んでいたらしくもう14時になっていた。少し遅いが昼食をとることにした。ギルドには酒場も併設されていたし、あそこで食べてみよう。そう思い、ギルドに行き、何事もなく昼食を済ませたのだった。
次に冒険者向けのアイテムを販売している、いわゆる魔道具店に向かった。魔道具店といっても魔道具しか取り扱っていないわけではないらしい。そこでは、特筆することはなく、MPを回復するポーションを5本買い、昼食代も引いて、リアの残金は銀貨4枚になった。特に用事もなかったし、もう17時になっていたので宿屋に戻ることにした。宿屋に戻るとレイが出迎えてくれた。