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191話 世界の創造

その日は宴会だった。私はお父さんにお酒を勧められてこの世界で生まれて初めてお酒を飲んだ。前世での食べ物や飲み物の味までは思い出せないのでわからないけれど、お酒は美味しかった。もっとも、肉体が強すぎるのでアルコールへの耐性も高いらしく、全く酔っ払わなかったのだが。

それから一晩中宴会を楽しみ、床に着いたのは夜が明け始める頃だった。私は眠らなくても大丈夫なのでアレウたちの依頼の前にやっておかなければならないことをやっておくことにした。

やっておかなければならないこと、それは朱雀と白虎の討伐である。おそらくその名を関する神獣を倒せばスキルの獲得ができるはずなのでいっそのこと自分で作ってしまおう。

まずは【朱雀世界】。スキル{賭博}で[創造]を出し、思い浮かべる。朱雀が世界の頂点に君臨している世界。その朱雀が信仰の対象になっている。世界の構図と時間の進みは【リアの世界】と同じにして、朱雀の住まう洞穴を追加する。そして目の前にあるディスプレイに触れる。

前回と同じくディスプレイから触手が生えてきて1分半ほど魔力を吸われた。今は無限の魔力があるのでどれだけ吸われても大丈夫だ。

そして目の前に2つのディスプレイが現れ、


[【朱雀世界】が誕生しました。新たに習得した観察魔法によって世界の観察が可能になります。同時に、【時空間移動】の効果の登録先に【朱雀世界】が設定されました。自由に行き来することが可能となります。]


と表示された。

同様に白虎も生み出す。構造と時間の進みは【朱雀世界】と全く同じにして、洞窟に白虎を配置する。その後は同様に世界を作り出す。


[【白虎世界】が誕生しました。新たに習得した観察魔法によって世界の観察が可能になります。同時に、【時空間移動】の効果の登録先に【白虎世界】が設定されました。自由に行き来することが可能となります。]


ディスプレイにそれが表示された頃にはすでに日が登っていた。居間に出ていくと遅くまで起きていたはずのリーンが朝食の用意をしていた。


「おはようお母さん」


「おはようリア、朝ごはんまだだからもう少し寝ててもいいわよ。」


「いや、大丈夫。ちょっと外に出てくるね。」


「わかったわ。あと10分くらいしたらご飯の用意できるからそれまでには帰ってきてね。」


「はーい。」


いつまでも私は2人の子供なのだろう。魔王になってから精神的にも肉体的にも成長していない気がする。不老になったのだろうから仕方がない。

少し走って昔毎日来ていた丘の上まで走る。私が始まった場所。そう言い換えてもいいだろう。久々に帰ってきた故郷でもその景色は変わっていない。私の仲間だけじゃなくてこの場所も守り続けていきたい。そのためにも、アレウたちの進化をさせないと。まずは朱雀と白虎を倒してしまおう。


「スキル{時空間転移}」


スキルの効果で私は【朱雀世界】の『朱雀の洞窟』の前まで転移した。

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