189話 強さの秘訣
それからしばらく家族の時間を過ごしていたが、アレウたちを取り残しているのを思い出してそちらの方の本題に入ることになった。
「それで、何が聞きたいんだっけ?」
「あぁ、聞きたいことは4つ。まず1つ目はなぜアランさんとリーンさんの娘だと明かさなかったのか。そして2つ目、なぜ他人のふりをしたのかだ。」
一気に4つ言いそうだったので一度遮って2つにこたえることにした。
「まずその2つについて答えると、2人の娘だといっても信じてもらえない可能性があったから。そして他人のふりをしたことについてはただあなたたちの驚く顔を見たかったからってだけだね。」
私がそういうとアレウは信じられないような顔をしながら
「ただそれだけの理由で他人のふりをしたのですか?確かにとても驚きましたけど。」
「ごめんなさいね。しばらくずっと根を詰めていたから、ちょっと息抜きもかねてね。」
「はぁ。それでは残りの2つです。あなたはなぜ魔族なのですか。そしてどうやったらそれほどの力を得られるのですか?」
それは確かに誰もが気になることだろう。両親が人間でありながら魔族で、人間離れした力を持っている。
「まず、魔族なことに関しては、私が勇者であり、魔王を倒したからです。魔王を倒した勇者は魔王になる、有名な話ですよね。」
「魔王なのですか?ではなぜこれまでの魔王と違って人間を襲わないのですか?」
「人間を襲う理由がないからかな。これまでの魔王たちってみんな人間に恨みを持っていたみたいなんだよね。私にはそれがないから人間を襲う理由がない。それだけ。」
「そうなのですか。それではその力は魔王の力ということですか?」
「嫌そうじゃない。」
その質問に対してアランが急に口をはさんできた。さらに続けて
「リアは勇者として認められる前の状態でも俺より強かった。今の俺なら当時のリアとならいい勝負をできるかもしれないが。」
「勇者として生まれたとはいえ幼い子供がどうしてそんなに強いのですか!?あなたほどの方を倒すなんて体格差もあるからほぼ不可能でしょうに。」
「それでも俺は負けたんだからそれはリアに聞きな。」
アランがそういうとアレウがこちらを向く。
「私の力についてほぼすべてをお教えしましょう。バレたところで問題もないですし。」
それから私は私の持つ力について両親とアレウ一行に話始めた。
「まず人間だったころのわたしの強さは戦闘センスです。私は10歳の時に前世の記憶を取り戻しました。その記憶の中には戦闘に関する知識も豊富に含まれていたのでそれを頼りに戦ってお父さんには勝ちました。そして、魔法の練習をかなりしていたことで体内の魔力の流れを理解して、無詠唱で魔法を使えるようになり、それを応用して自分で魔法を創れるようになりました。勇者として生まれたことで魔力量はもともと多かったのでいくらでも魔法を打つことができました。それからレベルを上げていろいろなスキルや魔法を習得して魔王を倒しました。」
ここで私は一息ついてお茶を口に含んだ。アレウたちは驚きを隠せていないがそれもそうだろう。最初から信じられないような話が飛び出してきたのだから。そんなことは気にせず私は続ける。
「そして魔王になり、歴代の魔王よりの上位の存在である種族としての魔王に進化しました。しかし、私には目的があり、それにはこの程度では足りなかったのでさらなる力を求めて一つの答えに行きつきました。この時点でこの世界で最強ではあったのですが、さらに上を目指す方法。この世界だけでなく、すべての世界にはその世界を創り出した【創造神】という存在がいます。
ほとんどの世界はこの世界を作った【創造神】が作り出した世界なのですが世界を創り出すことで新たに【創造神】となることができるらしいのです。それで私は試行錯誤を重ねて私の世界を作ることに成功したのです。つまり今の私の強さそれは【創造神】としての強さなのです。それに加えて、【創造神】になったことで他の世界に行くことができるようになったので、それを使って他の世界の最強の存在を倒すことでたくさんのスキルを得ました。今探している世界もあるのですが、見つからなかったのと、世界へ入る入り口が集まる場所があるのですが、そこに関して少し違和感を感じたので一度この世界に帰ってきました。」




