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180話 脳の無い生き物?

走り始める前までは普通に走ってその中で鑑定するのが手っ取り早いと思っていたけれど、そうでもなさそうな気がする。

『世界の狭間』のすべてを見て回って思ったのは密集地帯以外にはほとんど世界の入り口がない。そのため、最高速で走って世界の入り口を見つけるたびに止まって鑑定するといった形の方が圧倒的に早く終わりそうだ。密集地帯はすでに鑑定を終えているので孤立している世界の入り口をひたすらに鑑定していくのが手っ取り早い。鑑定で世界の入り口があるかどうかは分かるのでそこに目がけて走って、鑑定のために止まればいい。脳の処理限界を考えると不可能だが、常に鑑定を発動させていればどこに世界の入り口があるのかとそこに対しての自分の位置も特定できる。脳の処理限界とは生物によって決められた情報処理の限界量の事であり、種族によっても異なる。【創造神】となっても処理限界はあり、この鑑定魔法を発動し続けるのは不可能に近い。一時的にかつ対象を特定することで使用可能になっているものを、常時かつ周囲のそれも広範囲の情報すべてとなると脳が焼き切れて死んでしまう。HPが無限にあっても、生命の維持に必要な器官が破壊もしくは損傷すると生命の維持ができないのだからHP総量自体が減少していき、すぐに死に至る。

情報の選別をするという方法もあるが、それこそ、魔法を維持するだけで処理限界ぎりぎりになってしまうので不可能である。

最も現実的なのは、脳の処理限界を増やす、もしくは常に焼き切れた脳を回復し続ける。このいずれかである。前者はそれが可能ならかなりアリである。後者はそもそも脳が焼き切れるというリスクを負うことになってしまうので最終手段位にしておこう。

脳の処理限界は種族によってきめられているとのことだけど、どの種族が最も総量が多いのだろう?普通に考えると最上位の存在である【創造神】がトップだろうが、それだとこの計画が失敗になってしまうのでないと信じよう。他だと、強い種族ってなると魔王だったり、他にもいろいろいそうだけど、それも【創造神】にはかなわない気がする。

逆の発想をした方がいいかもしれない。脳の処理限界がないに等しい存在。日本でいうならコンピュータレベルのことを要求されているということだ。コンピュータはなぜそれができるんだ?無機物で脳がないからではないだろうか。脳がなければ脳の処理限界なんてものが生まれるはずがない。脳の無い種族を{ドレインタッチ}で吸収してその姿を自分のものにできれば可能なのではないだろうか?しかし、脳がない種族なんて存在するのだろうか?植物を除いたすべての生物は自身で思考する、もしくは本能に基づいて行動しているそうなると考えていない生物なんてものは存在していない。すなわちすべての生物に脳があるのではないだろうか?

それから私は私の世界にいる種族を強い順に全て確認していった。無機物に近い分弱いかもしれないが、もしかしたら強い種族で脳の処理限界がない種族などいるかもしれないと思ったので先に強い種族を確認している。しかし、そんな種族はアンデッドくらいしかおらず、アンデッドには脳がないのになぜか処理限界があるのである。元生物だから仕方ない気もするが。

ついには【リアの世界】ではかなり弱い部類になる人間までもが出てきて何も収穫がないかと半ば諦めながら見ていっていた。

するとそこに救世主の名前が表示されていたのだ。他の世界では独自の進化を遂げる個体もいるためもっと上位に変異種や亜種などの名前が載る魔物。しかしこの世界ではなぜか進化することもなく変異種も生まれてこなかった最弱の種族。強い順に並べたら間違いなく最下位にくる存在である。【リアの世界】でのその存在は愛玩用でペットとして買われることもあれば駆け出し冒険者の格好の的になることもある。時には知恵を持つ個体が生まれ、種族的な特性を存分に使い皿洗いや掃除などをして、金持ちの家で働いているものまでいる。そんな人々と最も共存している最弱の魔物。

そう!スライムである!!!

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