18話 両親のパーティメンバー
受付の方に戻るとアンが声をかけてきた。
「リアさんお帰りなさい。登録できましたか?」
「はい。明後日、格付け試験を受けて来いって言われました。」
「そう。じゃあその格付け試験が終わったら試験官の人と一緒に来てくれる? その時にギルドについてとかいろいろ説明するから」
「アン、冒険者ギルド直轄の宿屋があるって聞いたんだけど、そこに泊まりたいんだけどどうすればいい?」
「それならここの向かいにある建物が宿になってるから中に入ってそこにいるおじさんに冒険者カードを見せたらいいわよ。」
「わかった。ありがとう、アン」
「またね。リアちゃん」
アンと別れて、冒険者ギルドを出た。アンに言われた建物は来るときにも見たが大きい建物だった。戸を開けて中に入ると怖そうなおじさんが
「冒険者カードの提示を。」
と声をかけてきた。正直とても怖い。今にも泣きだしそうになりながらリアはカードを見せた。
「ここらじゃ見かけない顔だが新入りか?ランクも書いてないし、もしかして、格付け試験でもうけるのか?」
「はい、そうです。」
「そうかそうか。あれはな、Bランク以上の紹介か、Dランク以上相当の力を持つと判断されたときにしか行われないんだよ。嬢ちゃんは誰の紹介なんだい?俺も元Aランク冒険者だから知ってるやつかもしれねぇしな。」
急に饒舌になって話し始めた。ただ強面のいい人だったようだ。
「お父さんとお母さん」
「そうか、冒険者同士の子供ってわけか。でお父さんとお母さんの名前は?」
「アランとリリス」
「あいつらの娘なのか?そうかそうか。おれはあいつらと同じパーティだったレイだ。嬢ちゃんよろしくな。あいつらの娘ならお代はいらねぇ。あいつらには世話になったしなぁ。その代わりあいつらが今何してるのか時々でいいから話を聞かせてくれよ。実家に帰って、この町に戻ってきたときとかよ。」
「はい。わかりました。そのくらいならお安い御用です。」
「あと飯も朝夕は部屋まで持っていってやるよ。後何かわからないこととかあったら何でも聞いてくれ。力になるからよ。」
そういって部屋に案内された。広さはビジネスホテルよりも少し広いくらいだろうか。一人で暮らしていくには十分すぎる大きさだった。風呂トイレまで部屋に完備されておりとても快適な空間だった。
ちなみにこの世界の風呂は魔力を用いることで湯を沸かす。トイレは魔法陣が張られており、それが、日本でいうところの汚物処理場的なところへつながっているらしい。